三十四話 物質憑依
最近の話が説明文が多く感じてきましたf^_^;
二人以外には誰もいない少し不気味な夜の森の中で物質憑依の準備に入る。
〈秀が持ってる木刀に憑依するけどいいかな〉
「ああ俺は木刀を物質憑依を対象物とするよ」
〈了解、じゃあ私がその木刀に憑依するから、魔力を木刀に集中させてねイメージでいいから〉
シルフィーの指示通りに心を落ち着かせて、魔力を木刀に集中させるイメージをする。
〈凄い・・・〉
秀にシルフィーが憑依してない状態の秀に驚いていた。
憑依を通してからしか魔力を使ったことがない秀だが、今集中している秀の魔力は木刀に集中していた。
(いくよ・・・秀)
(いつでも良いぜシルフィー)
シルフィーは持ってる木刀に吸収されるように入っていった。
木刀を持ってるいる秀は目を瞑っていたが、今自分が持っている木刀に何らかの変化があるのかが分かった。
その変化が気になって目を開けると、秀が持っていたのは木刀とは似ても似つかない物だった。
その形はまさに木刀ではなく刀のような形をしていた。
「これが俺の物質・・・憑依なのか?」
〈そうだよ、これが秀と私の力だよ〉
(何だろう?握ってるだけなのに力が湧くようなこの感じは)
〈凄いでしょ、握ってるだけで力が分かるんだから、〉
「確かに凄いな、こんな感じ生きてきて一度もないし」
〈でも秀、あんま長いこと憑依させてると危ないよ〉
「ん、どうして?」
理由を聞こうとしたが、聞くより前に勝手に物質憑依が解け、体の自由がきかなくなり、その場で片膝をついていた。
(な、いきなり物質憑依が解けた、しかも何だこの体のダルさは)
〈ごめ~ん説明するの忘れてたけど、物質憑依は魔力が常に供給状態に置かれてないとダメなんだ、ちなみに体のダルさは魔力の使いすぎだけどね〉
「あのなー、そういうことの説明は忘れないでくれよ」
体にダルさは残ってはいたが、自分に物質憑依ができることは何よりの収穫だったかもしれない。
ゆっくりと立ち上がった秀はシルフィーを腕輪に戻してから、レーガルへと戻って行った。
レーガルに戻るとすでに夜遅くで部屋の明かりは消えていた。
「結局こんな時間かよ」
時間帯に嘆きつつも宿屋の扉を開けて宿屋に入ると、ラニアと何故か西脇がいた。
「あ、お帰りなさい秀さん」
「浅村君、こんな時間までどこで何してたんですか?」
(お前は俺の母親かよ)
「ああ外の空気が吸いたくなってからさ」
「ホントですか、最近危なっかしことばっかしますし、先程おかしかったですし」
「おいおい、おかしかったって何だよ、いたって普通だよ」
「今日の晩ご飯の後テラスで誰もいないに喋ってましたよね」
(んな、居たのかよ)
どうにかして誤魔化そうとしたが、改めて考えれば結局は話すつもりだったのでその場でシルフィーを出して西脇にすべてを話した。
「ええぇぇぇ」
「だから俺がテラスで話してたのはシルフィーってわけ」
〈これからよろしくね〉
どんどん話が進んでいく為に西脇はただおどおどしていた。
「疑いは晴れたか、晴れたなら俺もうしんどいから部屋に戻るけど」
「あ、じゃあおやすみなさい」
「おやすみなさい」