十二話 復活
食堂に着くと、全員の箸が止まり秀を見ていた。
「秀、もう大丈夫なのか」
「ちょ、ちょっと浅村君大丈夫なの?まだ休んでた方がいいよ」
「そうですよ、まだ休んでた方がいいですよ」
「みんな、心配かけてごめん!でももう大丈夫だから心配しないで」
これ以上みんなに心配を掛けない為にも、少し体が痛むが、みんなの前では笑って過ごした。
その日の夜、外に出てあることを考えていた。
(このままじゃダメだ、このままじゃ、きっとまた誰かが怪我をする)
(なぁ、どうすればいいんだろう・・・凛)
「どうしたんじゃ、こんな時間に外に出て」
「シリルさん、まあちょっと考え事ですよ」
「まだ、引きずっているのかな?」
こちらが考えていたことを簡単に見抜いたシリル、年の功といったところか
「・・・はい」
「気を揉むでない、あんなのが出てきたら仕方がないむしろ良く出来たほうじゃ」
「あれ、シリルさん城での出来事知ってるんですね」
「まあな、宿にいる人から聞いたんでな、それより終わった事を悔やんでも仕方がないぞ」
「ありがとうございますでも悩んでいる事が一つあるんですよ」
「なるほど、誰かがまた怪我をしそうで嫌か」
「はい、このままじゃ、また誰かが怪我をしそうで怖いんです」
「何故かな、何故自分じゃなくて、他の誰かが傷付くと怖いんだ?」
シリルの言葉に少し口ごもったが、一つため息をついてから答えた。
「嫌なんですよ、自分は何もしないで目の前で誰かが傷付くのは、それが知り合いだったら尚更です」
「ほう、ずいぶん仲間思いな奴じゃな」
「まあ、俺がこうなったのも、ある奴がきっかけなんですけどね、さっき言ったこともそいつの口癖なんですけどね」
「いい言葉だが、行動しなければ意味がないぞ」
「分かってます、だから今決めたんです」
「何をかな?」
「強くなるんです、もう誰も怪我しないで済むように」
(ふっ、いい目をしておる、さっきとは全然違う)
「さっきも言ったように行動しなければ意味がないぞ、一体何をするつもりだ」
「ああーえーと、腕立て伏せ?」
それを聞いたシリルは手を頭に当て、大きなため息をついた。
「はあ、もし覚悟があるなら付いてきなさい」
そう言ってシリルは宿には入らず宿屋の後ろへと歩いて行き、秀もその後ろを付いていった。
着いた場所は風呂の薪などが置いている倉庫だった。
「あのーまさか薪割りしろって言うんですかね?」
「はっはっはっ、そんな生ぬるいもんじゃないぞ、ちょっと待っておれ探し物中じゃ・・・あった、あった」
シリルから手渡されたのは木刀だった
「ワシに一撃でもいれたら合格じゃ」




