十一話 終焉
「ここまでか・・・」
観念するように目を瞑った秀だが、いつまで経っても変わらない状況を不審に思い目を開け、秀のに目に映ったのは、壁に槍で串刺しになっているレイラだった。
「ぎぁぁぁ、痛いよ、痛いよママ」
「ふーん、もう来ちゃったんだ」
その瞬間秀と蒼士を縛っていた何かが外れ、動けるようになった。
「ラウル・・・それにみんなまで」
「ったく、一々心配掛けんな」
「うっ、ごめんなさい」
「まあ説教は後だ、今はアイツを倒すことを先決する」
「ふん、倒してからね残念だけど、私はここでさよならするわね・・・レイラちゃん帰るわよ」
「分かったわママ」
自分に刺さっている槍を自ら抜いたレイラは何事もなかったかのように女の元に行った。
「それじゃあね隊長さんとボウヤ達、それと隊長さん、兵士達よりそのボウヤ達の方がずっと楽しめたわよ」
そう言って体から黒い霧みたいな物を発生させ、その黒い霧が晴れる頃には女とレイラの姿はそこにはなかった。
「大丈夫か秀?もう体がふらふらじゃねぇか」
「大丈夫、大丈夫ちょっと多めにもらっちゃっただけ・・だよ」
その瞬間、体が言うことを聞かなって、そのまま床に倒れ、自分の意識が遠退いていった・・・・
次に目が覚めた時にはシリルの宿のベッドの上で、外から朝の日差しが入っていて、近くにいたラニアが自分が起きたことに気が付いた。
「目が覚めたんですね」
「ラ、ラニア?」
ベッドから起き上がろうとするが、体に激痛が走り、ラニアに手伝ってもらわなければいけないほど、体が痛んでいた。
「本当に大丈夫ですか、お城で倒れてからまる2日寝てたんですよ」
「そんなに寝てたのか・・・そうだラニア、蒼士はどうしてる」
「蒼士さんは残念ながらまだ寝込んでます」
「そうか・・・ありがとう」
「あと、みんなはどうしてるか分かるかな?」
「えーと、茜さんと紫音さんは宿屋の仕事していて、連さんと麻里さんは買い出しに行ってます、仕事の方はみなさんがやってくれてるので、秀さんは体を休めることを最優先させてください」
「分かったよ、今はお言葉に甘えさせていただくよ」
再びベッドに入り、少しすると秀は眠りについていた。
「・・・んん?」
その日の夜にまた目が覚めた秀
(よし、体がまだ痛むが動けないほどじゃないな)
おもむろに立ち上がった秀は部屋を出て、ある部屋に向かった。
「・・・・・」
「蒼士・・・」
「・・う・ううん」
「蒼士!気が付いたのか」
「あれ浅っち、俺、どうしてここに?」
「あの後気絶してここに運ばれてきたんだよ」
「そうだったのか」
「その、ごめんな蒼士」
「何で浅っちが謝るんだ」
「あの時、俺がトイレに行かずにしていれば、こんなことにはならなかったかもしれないから」
それを聞いた蒼士はいきなり笑いだした。
「はははは、そんなことで謝ってたらこの先どんだけ謝るんことになるんだか」
「結構真剣に話してるんすけど蒼士さん」
「悪い、悪いでも本当に浅っちが謝ることはないよ、あれは俺が勝手についていったことだからさ」
「そう言ってもらうと助かるよ、じゃあお大事に」
部屋を出て自分が休んでた部屋に戻ろうとした時に新藤にばったり会ってしまった。
「ちょっと大丈夫なの浅村君?」
「おかげさまで動ける程度までには回復したよ」
「そうなんだ良かった、そうだ浅村君、今みんなで晩御飯食べてるから行ってかたら」
「そうか、ちょうどお腹が空いてた頃なんだ、ありがとう新藤、じゃあ行ってくるよ」