十話 レイラの遊び
「お兄ちゃん達、レイラと遊ぼうね」
にっこりと笑うレイラに秀が言う
「悪いなレイラちゃん、今お兄ちゃん達忙しいんだ、また今度に・・・」
途中で言葉に詰まったのはレイラが秀にボディーブローを入れたからであった。
「ダメだよお兄ちゃん、お兄ちゃんは私のオモチャ何だから、ただ私と遊んでればいいの・・・壊れるまで一生ね」
「くっ、しつけがなってないようだなこのガキ」
「そうだな、少し俺達がしつけする必要があるようだな」
ラウルSide
「ラウルさん一体何があったんですか?」
「おそらくだが今回のカースは囮だ」
「囮ってどう意味ですかだってカースは自らの負に耐えきれなくなった場合に発生するんですよね」
「ああそうだ、だがある国では意図的にカースを造り出す実験をやってると聞いたことがある」
「意図的にカースを・・」
「聞いた話では、人間にある薬物を投与して、肉体を改造して自我を無くさせ、操り人形のための特殊な道具を貼り付けるという話なんだが」
「何てことを・・・」
「俺がカースを燃やした時にその特殊な道具の切れ端を見つけてな、囮だと思って戻れば、このざまってわけだ」
「でも誰が何の為にそんなことをする必要が?」
「恐らく、レガールと敵対するガリア帝国だろうな、カースを造り出す方法もそこからの情報だし、以前からレガールを占領出来ないかといろいろと悪巧みをしてたはずだ」
「なるほど、だからカースでラウルさんを誘き寄せたのね」
「さあ、おしゃべりはここまでだ少しスピード上げるぞ」
秀Side
「はあはあ、何て強さだあのガキ」
「あれ、もうお兄ちゃん達おしまいなの?じゃあ」
「もう、潰れちゃえ♪」
素早く秀の後ろに回り込みチョークスリーパーをかける
「があぁぁ」
「浅っちを離せよこのガキが!」
レイラに右フックをかまそうとするが、レイラはチョークスリーパーをといてかわし、逆に蒼士にカウンターをかまし、蒼士に片膝をつかせる
「大丈夫か蒼士!」
「うん、大丈夫、それより浅っちは大丈夫」
「ああ、蒼士のおかげで助かったよ」
なんとか立ち上がった蒼士だが、もはや秀も含め二人には限界がきていた
「ママ、このお兄ちゃん達なかなかやるよ♪・・・でも、もう飽きちゃった」
「レイラちゃん、じゃあいつものこれでおしまいにしてきなさい」
そう言って女はレイラにナイフを渡した。
(まずい・・・)
ジリジリと距離を詰め、ターゲットをしぼり床を強く蹴り飛び出した
「蒼士危ない!」
蒼士の首を掴み床に共に倒れ間一髪でかわしたがレイラは休むことなくこちらに近づいた後、遠くにいる女に一つお願いをした。
「ママ、いつものやってくれる♪」
「いいわよ、少し待っててねレイラちゃん」
そう言って右手を二人の方に上げると、二人の体が勝手に立ち上がり、背中合わせになり、そのまま動かなくなってしまった。
(何で動かないだよ!)
「お兄ちゃん達、バイバイ♪」