九話 逃亡
この話はころころと視点が変わりますm(_ _)m
二人が大分近づいた時、蒼士は人を見て、異変に気付いた。
「浅っち、何かあの人おかしくない?」
足を止め、目を凝らすと蒼士が感じた異変に秀も気が付いた。
「一瞬あの人の体から黒い煙みたいな物が出たぞ」
とりあえずまずいと思った二人は引き換えそうとしたが、時すでに遅し
「あら、まだネズミがいたのね」
((気付かれた!))
二人が全力で走って、距離をつけたつもりだったが、後ろにいた女は二人の前に立っていた。
「「う、嘘だろ!」」
「逃げることないじゃないの、私は君達に質問をしにきただけよ」
「質問?」
「簡単よ、このレガールを治めてる一番偉い人を探してるんだけど知らない」
「し、知らないよ俺達ここのこと全く知らないんだ」
それを聞いてにっこりと笑った女は次に両手で秀と蒼士の首掴み吊り上げる
「ねぇ、本当に知らないのかな?」
「があぁぁぁ」
「知らないんだったら、死んでよ」
首を掴む強さが更に強まり二人をさらに締め上げる
「「ぐあぁぁぁぁ!」」
「「くっ、この野郎!」」
ドカッ!!
「ぎゃあぁぁぁぁぁ・・・」
一か八かで繰り出した蹴りが女の目に入り、女の支配から抜け出す。
「はあはあ、今の内に逃げるぞ蒼士!」
「ああ、分かってる」
女が苦しんでる間に二人は角を曲がり女の視界から消えていった。
「あ、あの糞ガキどもが見つけ次第ぶっ殺す!」
蹴りが目に炸裂したせいで、タイムロスをした女は最初の目的を忘れて、二人を探しに行った。
「どうする、みんなに知らせに行くか?」
「知らせた方がいいかもしれないけど、どこの部屋なのか忘れてるんだよな」
「まあ、とりあえず見つけ次第知らせよう」
連Side
「おっせーな秀と蒼士のやつ、何してんだよ」
「確かにちょっと心配ですね、四人で探しに行きませんか?」
「いいねー茜ちゃん俺、賛成だよ」
「そうだね、私達であの二人探してみようか」
ラウルSide
「くっ、遅かったか」
ラウルが城に入った時には、死体が多く転がっていた。
「きぁぁぁぁ」
悲鳴の方を向くと死体を見てショックを受けている四人だった。
「な、お前らどうしてここにいる」
「ら、ラウルさん!」
「部屋から出るなと言っただろう!」
「秀と蒼士がトイレに行ったきり帰ってこないんですよ」
「あんのボケどもがー」
「てかどうなってるんですか、城の中はこの有り様だし」
「・・・話は後だ、今は二人を探すぞ、俺から離れるなよ」
秀Side
「今のところ、女には見つかってないけど、どっから来るか分かんないから怖いよな」
「そんなに怖いかしら私のことが」
「っ!!」
二人が振り向くとそこには、今一番会いたくない人物がいた。
「走れ蒼士!」
再び逃げる二人だが先ほどのように、女は回りこんでいた。
「どういう仕組みだよ」
「さっきはよくもやってくれたわねぇ」
「先に手を出したのはそっちだろ」
「でも痛かったわよ、だからお詫びをしてもらわいとね」
「お詫び?」
「うちの子と遊んでもらいますわね」
「レイラいらっしゃい」
女が名前を呼ぶと、女の後ろから小さめの女の子が現れた。
「精霊・・・契約」
「ママ、あれって私の新しいオモチャ?」
「そうよレイラ、でも兵士さん達とは違って頑丈じゃないから、慎重に遊びなさいよ」
「分かった、レイラ出来るだけ壊さないようにするね」
レイラが女との会話を終えると、こちらを向いてゆっくりと歩き出した。