八話 激動の始まり
「街に出たんですかねあの狼が」
「いや人間のカースって言ってたぞ」
「カースには動物型と植物型、そして人間型があるんだ」
全員が黙り秀の方を見た、自分達が全く知らない情報を知っていたから無理もない。
「何で浅っちがそんなこと知ってるの?」
一つ一つ答えるのもしんどいので、昨日風呂場でラウルに聞いたことをその場で全員に話した。
「じゃあ、今暴れてるカースは人間型だろ、大丈夫なんかね」
「大丈夫だろ、ラウルが行ったんだから、ほれ外見てみ」
秀が指差した方向を見てみるとそこには森で見た火柱が上がっていた。
「・・・大丈夫だな」
~~街~~
「おし、これで終わりだな、大したことねーな」
カースを退治したラウルにまた息を切らした兵士が走って来た。
「どうしたそんなに息を切らして」
「た、大変です今度は西側と東側に人間型のカースが出現しました」
「何だと・・・・」
「東側に兵士を集中させて時間稼げ、俺は西側のカースを倒してからそちらに向かう」
「は、了解しました」
「一体何なんだよ、こんなにカースが同時に出るなんて普通じゃねぇぞ」
~レガール城~
「長いなラウルさん、火柱上がってからもう15分たってるぞ」
「いろいろあるんでしょ住民のこととか被害状況の確認とか」
「まだ時間あるっぽいから俺ちょっとトイレ行ってくるわ」
「でも浅村君、ここから出るなって言われましたよ」
「トイレなんてどうせここからちょっとだろ、大丈夫だってすぐ戻るから」
「浅っち、だったら俺も付いてくよ」
それから部屋を出て蒼士とトイレを探すこと10分
(ヤバい迷った・・・)
「浅っち人を探して聞こう」
「でも外騒ぎでほとんど兵士は出払ってるじゃん、そのせいかさっきから人っ子一人いないぞ」
「確かにそうだけど・・・あっ、浅っち向こうに人がいる」
蒼士が指を差した方を見ると、確かにうっすらだが人のシルエットが見えた。
「本当だ、じゃああの人に場所を聞きに行こう」
二人は駆け足程度のスピードで人に向かって走りだした、この後待ち受けるのが惨劇の始まりだと知らずに・・・
一方その頃ラウルは報告のあった西側のカースを倒して、東側のカースと戦っていた。
「とどめだ業火旋風槍!」
「ふう、やっと終わったぜ・・・ん?」
東側の方のカースを退治したラウルはあることに気が付いた。
(何だ?カースが燃えた後何かが落ちたような・・・)
燃やし尽くした場所に近づくき、目を凝らし、ある物を発見し、発見したと同時にラウルは気付いた。
(・・・しまった!)
「おい、よく聞け兵士達俺はこれから城に戻る、カースがでたら出来るだけ時間稼ぎをしろ、無理だと思ったら退いてかまわない」
兵士達にそう伝えると、馬に乗り城に向かって走りだした。
「頼む、間に合ってくれ」