七話 多忙な朝
「浅っち、休んでないでこっち手伝ってよ」
今日の目覚めは最悪だった・・・昨日遅くまで起きていて夜に風呂に入り、帰りに石月を見かけ、外で話したせいで湯冷めして、そのままベッドにダイビングして眠り、そして今日の朝まだ朝日が昇ってないのに、シリルがフライパンでモーニングコール、全然体が起きてないまま、他の宿泊者の朝食準備中である、そして何より誤算だったのが連と蒼士だった。
「おい連、みじん切りなのに何でこんなにでかいをだよ」
「蒼士も千切りなのに何でこんなに幅が長いんだよ4、5センチあるぞこれ」
極度に料理が出来ないこと、ただでさえ忙がしいのにこのありさま、朝食の準備だけで体力の3分の1を消費してしまった。
「はあーまじで疲れた」
「お疲れ様浅村君、はい水だよ」
食堂のテーブルでへたれ込む自分に新藤がコップに入った水をくれた
「ありがとう新藤」
「大変だったねー浅村君は二人の仕事も結局浅村君がやってたもんね、ていうか料理上手いね」
「家庭の事情でな、俺が料理の腕を上げなければ、今日まで俺は生きていなかっただろうね」
秀が料理を出来るようになったのは、秀の姉の美咲ののせいだ、姉が殺人兵器をつくるため、自動的に秀は料理が上手くなっていた
「あははは、何それ面白いね」
「他人事だからって面白がるなよ」
「あ、シリルさんがもうすぐ城に行くから準備しときなさいだってさ」
「ありがとう新藤、じゃあ俺は用意でもしてきますか」
部屋に戻ると見覚えないハンガーラックが2つあり、片方には服、一方にはズボンがかかっていた。
「なんじゃこりゃ?」
「ああ秀か、シリルが制服のままじゃ嫌だろうってことで、いろいろと集めてくれたんだよ」
「シリルさんは、どれでも好きに着てくれだってさ、浅っちはどうする?」
「俺は制服のままでいいや」
「えー、せっかく用意してくれたんだからさ着たらいいじゃん、女子の方も着替えるっていうし」
「また今度な、いまは着なれてる制服でいいよ、じゃあ俺は先に下にいるよ」
先に部屋を出て、一階に降りるといつも通りの制服姿の西脇がいた。
「あら、西脇は着替えなかったのか?」
「浅村君こそ着替えなかったんですか?」
「ああ、二人には着なれてる制服がいいって言ったけど、本当は服選ぶのが面倒でね」
「そうなんです、実は私もそれで制服ままにしたんですよ」
「・・・こんな服着てんの俺達くらいだよな」
「ええ、そりゃこの制服は北合だけのものですから」
「じゃあペアルックみたいだな、まあ他の四人が制服以外の服を着てくるならの話だけど」
秀は冗談で言ったつもりだったのだが・・・
「に、西脇?」
「あ、浅村君///それってどういう意味ですか!」
「えっ?いやまんまの意味だと思いますけど・・」
秀がそう言うと顔を赤らめて
「私、ちょっとトイレに行ってきます!」
ものすごいスピードで走って行った。
「・・・何だあいつ?」
それから5分後全員が集まり、シリルと一緒にレガール城に向かった。
前に話を聞かれた時と同じ部屋に入ると、ラウルと科学者っぽい服を着た男がいた。
「さて今日集まってもらったのはお前達がどこから来たのかをはっきりさせる為に来てもらった、ここにいる男がいくつか質問をすれから正直に答えろ」
「では質問を始めます」
質問1、あなた方が来た国の名前は何ですか?
A、日本
質問2、あなた方の職業は何ですか?
A、学生
質問3、あなた方の国を治めているのは誰ですか?
A、総理大臣
質問4、その人の名前は何ですか?
A、羽住 総一
「・・・分かりました、ご協力ありがとうございました」
「私はこれからこのデータを照合してきますので、私はここで」
科学者っぽい人が出ていき部屋はラウルと俺達だけになった。
「まあ適当にくつろいどけさっきの男が来るまでな」
ラウルに言われた通りに部屋でそれぞれが時間を潰していると部屋のドアがかなりの勢いで開いて一人の兵士が入って来た
「大変です隊長・・・・街で人間のカースが暴れています!」
「了解、すぐに向かうから住民を緊急避難させろ」
ラウルは立ち上がり部屋を出る時に俺達に
「いいか、お前達はここから一歩もでるなよ」
それだけ言って部屋から出て行った。