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二十四話 騎士団構造

騎士団のことをだいたい把握した俺だが、セシリアさんはまだ説明してないことがあった


「じゃあ最後に、セシリアさんが言ったことだけど、あのパラディンってどういう意味?」


「ん?ああ、あれは、あのパラディンの名前なんだけど、ザルディって言うんだけど、騎士団内の評価は最悪らしく、自分より下の人間を蔑むような奴よ」


セシリアさんはさらっと言うが、俺はザルディの印象を聞いた瞬間、虫酸が走った。


正義を名のもとに断罪する騎士団、なのにそんな奴が騎士団にいてパラディンを勤めていることに俺は不快感いだくと同時に一つの謎が頭の上に浮かんだ


どうしてそんな奴が騎士団に今もいて、ましてやパラディンという高い地位にいるかということだが


「ちなみに何でそんな奴がパラディンなのかと聞きたいでしょう?」


そんなことを聞くまでもなく、セシリアは俺に対し


「ザルディの父親は今の騎士団でトップクラスの地位のナイト、意味はわかるわよね」


「世襲ってことか………世の中変わんねぇなぁ」


苦笑いを浮かべつつ、俺は飲みほしたマグカップをいつものように自動洗浄機に入れる


「そろそろ俺寝ますわ、おやすみなさい」


「えぇ、おやすみなさい」

軽く挨拶を交わし、俺はリビングを出て二階に上がる

二階の踊り場から見えるテラスは月明かりに照らされ夜という雰囲気を出している


自分でもえらく長く居たもんだと感じる。


そしてそろそろ戻るかと思った時、テラスに人影が見え、俺はその人影を確かめるべくテラスの人影へと歩き出す。


一歩一歩人影へと近づくと気配に感づいたのか、人影はこちらを振り向く


「あ……」


「あなたは……」


テラスに居たのは、王家の娘だった。


一瞬凛と被るが、頭を横に振りそれを吹き飛ばす


あくまでも平常にだと心に何度も何度も言い聞かせつつ


「目が覚めたんですね、でも寝てなきゃダメですよ」


「すいません、起きたのはいいんですが……眠れなくなってしまいまして、あの……あなたは?」


(あなたは誰……か……)


チクリと胸に突き刺さる言葉


「ああ、俺は浅村 秀、ここのギルドの新メンバー、秀でいい」


よろしくと言って右手を出し握手を求める


「私はラベル・シュリンプです、よろしくお願いします」


相手も俺の手をしっかりと握り、軽く上下に揺さぶってお互い手を離す


「さあ、戻ろうぜそろそろ冷えてくるしな」


「そうですね、風邪をひいては困りますから、戻りましょ」


俺が前を歩き、その後ろをラベルが歩き出し始めた時



キャア!!


「ん?どした?ラベ………な!?」


振り向いた先にはラベルは黒に染まった上空から黒い紐に縛られ、伸びていた方向に引っ張られる


「いやぁぁぁ!!」


「ちっ、何だよあれは!!シルフィー!!」


俺はすぐさま天つ風を出すと同時に韋駄天でラベルを追う


韋駄天で追う俺だが、思いの外ラベルが引っ張られるスピード早いのと急に方向を変えられる不規則さになかなかに振り回され、ラベルは上空で引っ張られているため、建物を上を走るの困難を要していた。


「くそっ!………シルフィー!!こうなったら一気に同調で詰めるぞ」


<それはダメよ秀、この間副作用で苦しんだところでしょ!!>


「今はそんなこと気にしてる場合か!いいから同調だ!!」


<…………分かった……でもほんの一瞬だからね………>


今にも泣きだしそうな声でシルフィー言うシルフィー


そんなシルフィーを裏切るわけにはいかない


なにがなんでもラベルを取り戻してやる


「ありがとなシルフィー、じゃあ俺がタイミングを図るからよろしくな」


韋駄天のスピードで走りつつ、なおかつ建物を跳び移りつつタイミングを図る


チャンスは意表をつこうと真逆に方向転換した瞬間、それ以外は距離を離されようと捨てさせてもらい引っ張られる方向が真逆になるのを待つ


しかしこの3つをこなすのはなかなか難しいがはずすわけにはいかない


そして


「今だシルフィー!!」


「<シンクロ!!>」


一気に飛び上がった俺は上空のラベルに対しめいいっぱい手を伸ばし叫んだ


「ラベル!!」


「浅村さん!!」


俺の声に反応したラベルは同じく手を伸ばし、俺達は互いの手を取った。


ラベルをすぐに抱き寄せ、紐のような物をたたっ切り、同調状態を解く。


そしてそのまま着地し、敵の気配を探るが、黒い紐も敵らしき気配もどこにもなく、探るのも困難を要した。


まあ当たり前か………




「ラベル、怪我はないか」


抱き寄せた状態から離し、肩に手を置く


「はい、お陰さまで」


ケロっとした感じで答えるところを見ると大丈夫そうだ


「大丈夫そうだな、んじゃあ帰るか」


「はい」


そう言って俺とラベルはゆっくりとギルドへと歩いていった。

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