表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
133/142

二十一話 騎士団現る

二人の部屋を出た俺は、階段を降り、リビングに入る


リビングにはセシリアさん一人だけで、俺はセシリアさんと向かい合う席に座る


ふぅ〜っと一つ落ち着くようにため息を吐き、机に突っ伏すとセシリアさんはいつの間に淹れたんだと突っ込みたくなるホットミルクが入ったマグカップを置く。


「少しは落ち着いたかしら?」


昨日暴れられた俺に対し、まったくの嫌みを感じられない笑みをくれる


「ええ、まあ……」


曖昧な言葉を俺は返す。


正直なところまだ心の整理がついてない、ついてないというかあまりの激動に追いついていなかった。


「まあ私はあなたに何があったか知らないし、昔のことも知らない、そんな私にはあなたにできることは少なくても、あなたにホットミルクぐらいは出せるわよ」


ニコッと微笑むセシリアさん、本当にこの人は優しいんだなと感じた。


「十分過ぎますよ、今の俺からしたらセシリアさんが天使に見えますね」


「あら、知らなかったの私はもともと天使なのよ♪」


「あはははは、これはこれは失礼しました」


置かれたホットミルクをくびっと一口飲む


暖かく、優しい味が今の俺の心を暖めてくれる。


たまには自分の弱さを人にぶつけるのもわるくわないなと思う。

俺は何を急ぎ足になっていたのだろうか?


たとえ急いだとしても結果が早まるわけでもないのだ


だったら今は、確実に一歩一歩進んで行けばいいのだ


ゆっくり、確実に俺の夢へ向かって。


「そういえば、マスターが目を覚ましてましたよ、話しに行かないんですか?まあ俺に対しては何も喋る気はなさそうでしたけどね」


苦笑いを浮かべながら喋る俺に対して、セシリアさんは微笑を浮かべながらホットミルクを啜る


この平凡な一時が続けばいいのにと思った俺だったが、現実はそう甘くはなかった


ピンポーン♪


平凡なティータイム中に鳴ったインターホン


それに反応した俺とセシリアさんは、同時に席を立ち、玄関に行き、ゆっくりとドアを開けた。開けた先にいたのは、白服のロングコートを羽織った男と甲冑を着けた兵隊のような男が二人の立っている。


「あら、騎士団さん達が何用かしら?」


「騎士団?」


「正義を名の元に悪しきものに断罪を下す団体、だったわよね」


セシリアさんは俺に分かるように説明しつつ、騎士団にも聞こえるように説明をいれた。


悪しきものに断罪を下す団体「騎士団」


その騎士団が飛脚の翼に来たということはつまり………


緊張が走る次に騎士団が言ったことは






「匿っている女をこちらに引き渡して貰おうか」



「「っ!!」」


俺はその時、顔が一気にひきつっていた……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ