四話 カース
この話はほとんど会話になりますm(_ _)m
「・・・・・」
「あれ、何か俺まずいこと聞いちゃいましたか?」
自分が聞いたとたんに黙りだしたので自分がやらかしたかと思ってしまった。
「いや、大丈夫だ意外な質問だったんでな驚いてな」
「そうですかね、普通は気になってしょうがないと思いますけど」
「そんなもんか、じゃあその気になってるカースについて話してやる」
「カースってのは負に取り付かれた生物や植物のことだ」
「負?」
「負ってのは負の感情のこと、憎しみ、悲しみ、苦しみ、嫉妬心や殺意みたいな、どす黒い感情のことをまとめて負っていうんだ」
「それじゃあ感情が取り付くっていうんですか」
「厳密言えばそうじゃない、正の器はが耐えきれなくなるとカースになっちまうんだ」
「正の器?」
「平たく言えば心の強さだ、強ければ強いほどでかい器になる、そしてでかければでかいほど、負を受け止めることができる」
「つまり、正の器が負の感情に耐えきれなくなるとカースになるってことですか」
「まあ、そういうことだ」
「でも、俺達を襲ったのは動物のカースですよ、動物にも負の感情があるってことですか」
「違う、動物や植物がカースになるのは俺達人間のせいだ」
ラウルの言ったことには妙な重みが感じられた、まるで自らが人間を恨むように
「人間の住む場所の為に動物達の住む場所を奪い木々を切り倒して自然破壊、こんなことをして動物が負の感情がわかないというほうがおかしい」
「動物のカース化は人間のせいなんですね」
「だが動物や植物のカースなんか可愛いもんだぞ、人間のカース化に比べればな」
「カース化は負の感情に耐えきれなくなることでおこることですよね」
「なんだ、人間はそんな簡単に負に負けないって言いたいのか」
「そうです、人間は誰しも負の感情を持っていますがそれを発散する方法も持ってますよ」
「だから余計に厄介なんだよ、人間がカース化した場合はな」
「動物のカース化とは違うんですか」
「動物型のカースはとりあえず目に映る人間を襲うが、カース化した人間は、自分をカース化した負の根元を消そうとする、例えば失恋のショックでカース化したなら、恋人だった人をまず殺すだろうな、次に恋人の家族や親戚を殺すだろう、そしてしまいには自分が分からなくなり無差別に人を殺す」
「・・・ひどい」
「そして、そんなことを起こさないようにするために俺のような奴がいる」
「ラウルさんはカースを倒す仕事してるんですね」
「まあな、しかし最近じゃあこの仕事がいやになるぜ」
「いいじゃないですか、市民を守る正義のヒーローですよ」
「カース化した人間を倒さなくていいならな」
「えっ?」
「カース化した人間を倒す時にいつも思うんだ」
「このままカースを殺し続けていいのかなって」
「カースっていっても、ベースは人間だ、つまり俺は人間を殺してるってことにる」
「でも、それで助かった人もいるんですよ」
「分かってるさ、じゃなきゃこの仕事は続けられないからな」
「さてと暗い話はここまでで、次は何だったけ」
「森で戦っている時に出てきたルーのことです」
「ああ、精霊契約のことか」
「精霊・・・契約?」
次も多分会話が中心となると思いますf^_^;