十五話 動きだす恋
涙目になりながら私は目に映ったのは浅村君でした。
男は驚いたのか、私を拘束していた手が緩む
そして私はその一瞬を逃さず、浅村君の胸に泣きながら飛び込む
「うおっ!!何だ、ついにモテ期がきたか?」
私はその時浅村君が何を行ってるのかは分かりませんでした。
ただ目の前にいた人に助けを求めた、それだけでした。
しかし、浅村君は状況を把握したようで、男に敵意の眼差しで睨む。
「おいおい、いい歳こいて犯罪に手を出すのか?家族が悲しむ……って、こんなことするんだ、家族すらいないか」
相手の感情を完全に逆なでる
「っく〜///」
浅村君の言葉に、顔を真っ赤にした男は、馬鹿にするなと言わんばかりに走ってくる。
「待ってて、10分で終わらせるから」
そう私に優しく囁いた浅村君は、男と同じく走っていった。
〜5分後〜
「…………」
「ったく、昼の奴らより手応えがねぇな」
浅村君の前でぐったりしている男
10分の予定の半分の5分で終わってしまった。
「さて、警察に引き渡すか……」
ポケットから携帯を出し、簡潔に電話先に伝えると
浅村君はすぐさま私のもとに駆け寄り、優しく抱き寄せて背中をさすってくれた
「大丈夫かい?どこか怪我してる?」
「あ、いえ大丈夫です」
あまりの展開に私は呆然とした状態で最低限な受け答えしかできませんでした。
それからの5分もしない内に警察官が到着し、私と浅村君はそれぞれ別の人達に事情を聞かれて、その日に家まで帰されました。
家に到着した時、お母さんが泣いて私を抱き締めたことは覚えていましたが、そのこと以外は一つしか覚えていませんでした。
それは人生初のパトカーに乗った時に警察官の人達が話していたことです。
「えーと、この子の名前が西脇 茜ちゃんで、助けた子の名前って何だったけ?」
「確か蒼川中の浅村 秀って子でしたよ」
(蒼川中の浅村 秀さん)
浅村 秀さん、それが私を助けてくれた人の名前
蒼川中の浅村 秀さん、私と同い年
私は蒼川中の浅村 秀さんに興味をしめしていました。
そして私は浅村 秀さんに会いたくて仕方がありませんでした。
「…………はぁ」
深い深いため息をつきました