三話 再会はつかの間
無事に仲間とめぐり会うことができ、再開に感動したいところだが、俺はソフィアとソフィア姉に事情を聞かれていた。
聞かれる内容は何故あの場所いたかということ
飛ばされた場所があそこだったから、理由もへったくれもないのだ
しかし、そんなことで納得してくれるわけはなく、結局はリフレイン
「ねぇ、もうちょっとましな答えはないの」
「悪いな、これ以上の答えを期待してもらっても困るんだけど」
「他の5人は同じ場所で、あんただけがあんなピンポイントな場所とは、偶然って怖いわね」
「そうだな、日頃の行動をあらためなきゃな」
「くっ、あんたね……」
こういうバトルでは誰にも負ける気がしない
「もう、ささっと理由を話なさいよ」
「即興で作った理由でいいなら話してやるよ」
「あんたねぇ………人をからかうのもいい加減に!」
左手に風を巻き起こした扇子を握り、バッと広げ、今にも振り抜こうとしていたが
ジリリリリリリ!!
「っ!!」
壁に取り付けてある警報器のような物がけたたましく鳴り響く
慌てて扇子をしまったソフィアは、受話器のような物を取る
「………了解しました」
がちゃりと受話器を置く
「姉さん、ロスト討伐の依頼だよ、数的に私一人で大丈夫よ」
「あらそう、なら行ってらっしゃい」
「じゃあ、後よろしく、いってきます」
風の如く出ていった。
まったく騒がしい奴だ。
「さて、再開といきたいところだけど、気になってしょうがない顔してるわね」
またふふふと、綺麗な笑顔を向ける
「気になってるのはソフィア一人で大丈夫かどうかってことです」
「ふふふふ、なら……………」
―???―
ネシアから北東に移動したところにある平原に来ていた。
平原にはすでにロストの大軍がうろうろしている。
数で言ったら100位ほどか
これほどのロストをソフィア一人で倒すのだ
他に誰もいない、大軍のロストとソフィアのみ
「さあて、お仕事お仕事♪」
扇子綺麗にバッと広げて前方にいるロストを吹き飛ばし、10体程消し去る
「これなら余裕余裕♪」
ばんばんと消し去っていって、残り50体程の時、
「っ!!!」
地面から手が伸び、ソフィアの足をガッチリと掴む
「離せ!!!」
扇子をビュンビュン振るが、足首をガッチリと押さえた手はなかなか離れないでいる。
(どうして?こんな行動、いままでなかったのに)
じたばたと抵抗するが、手は離れず、体力だけが減っていく
さらに抵抗することに集中してか、前から来るロストの大軍に気づいておらず、ロストとの距離は1mまで縮まっていた。
「くっそ、消えろ!!」
扇子を振り、風をロストに吹き付けるが消したのは5体程
しかも後方にいたロストがジャンプし、ソフィアに襲いかかる
「ちっ、邪魔よ!!」
扇子を上空のロストに振り抜こうとしたソフィアだが
「ウォォォォ」
「っ!!」
いつのまにか後ろをとっていたロストに腕を掴まれ扇子を振り抜くことができなくなっていた。
(しまっ……)
「ウインドエッジ!!」
聞き覚えのある声と耳に入り、鋭い風が通り過ぎ、ロストを消し去った。
「あんたは………」
「よお、前とは逆の立場だな」