二話 男対狼
状況は明らかに男が不利ましてや相手は人ではなく脅威的な運動能力、男が持つ槍のように鋭い爪と牙を持つ狼が四匹、一体男はどうするつもりなのか?
ジリジリと距離を詰めて二匹が同時に男に襲い掛かる。
襲い掛かる片方の狼の方に走った男は槍で素早く腹部を刺し、背中まで貫通させ狼を殺す
「まずは一匹!」
残りの三匹は、腹部を刺されて死んだ仲間を見て少したじろいたが、三匹が同時にジリジリと距離を詰めて行く。
「三匹は面倒くせーな・・・・しょうがない」
「おい、お前らあぶねーから下がってな」
男が何をするかは分からないが、とりあえず言う通りに後ろに下がる
それを見た男は、少し狼と距離をとって
「来いルー!」
男が叫ぶと男の前に体に火を纏ったサンショウウオのような生物が現る。
「何なんだ、あれは?」
「ルーさっさと決めるぜモードオフェンス」
持っていた槍にルーが近づくと槍とルーが光り元の槍とは、ぜんぜん違う槍が男が手にあった。
「炎神槍・爆炎!」
「槍が変わった、それにルーってのが消えた」
三匹の狼がそれを見て、命の危機感を感じたのか、三匹とも後ろを向いて走り出した。
「ふん、悪あがきを」
「行くぜ、ルー」
槍を逃げる狼達の投げ狼達の前に突き刺さり
「業火旋風槍!」
突き刺さった槍を中心に火災旋風のような火柱が立ち上がり狼達を塵も残さないように燃やしつくした。
「すっごい、夢でも見てるのかな私」
「夢じゃないさ、嬢ちゃん俺がカースを倒した」
(この人いつの間に)
「さてと、次はお前らだこんなとこで何をしてる?」
「えーと、実は変な奴にこの世界に飛ばされたような感じでこの世界に来て」
「あーもういい、話は城に戻ってから聞くから付いてこい」
そのまま俺達6人は男の後を付いていった。
森抜けると高い草原に出て目前にあるのは東京○ームがいくつあったら足りるだろうかと思わせるほどのでかい街があり外側はかなり高い城壁で囲まれていた。
「驚いたか、スゲーデカイだろ、これが俺が住んでる街レーガルだ」
「いやースゴいですね、浅村君もそう思わないですか」
西脇はあまりにもびっくりしたのか俺に賛同するように顔を近づけながら言う
「まあ、正直言葉に言い表せないねこれは」
「感動するのもいいが行くぞ、まだレーガルまで15分ほどかかるからな」
それから15分後俺達はレーガルの門前まで来ていた。
「お疲れ様です隊長」
門番をしていた兵士が男に敬礼して、俺達を見る
「失礼ですが隊長、この子達は一体?」
「ああ、任務中にカースに襲われてたんでな保護することにした」
「さすが隊長、自分最高に感動しております」
少し警戒されたが隊長さんの機転をきかしたおかげで、なんとか城門を通ることができた。
「さあ、あとは城に行くだけだ」
~~レーガル城~~
レーガル城を見ての感想は恐らくみなが一緒でこう言うだろう
「はあーでかいですねレーガル城」
「当たり前だ、レーガルを自治する機関が全て集まっているんだ、まあそれより早く入るぞ」
城の中は予想通り広く、清潔でホコリ一つ見当たらなかった。
「じゃあこの部屋に入っててくれ、俺は任務の報告をしてくるから」
入った部屋も愕然とする広さで、恐らく大家族が住んでも、広く感じるほどの広さだ
部屋をぶらぶらしていると石月がこちらに来て
「ねぇ、浅村君さっきの隊長さんが来たら、全部話すべきかな?」
「全部話しちゃ駄目だと思う、こちらが隠すことは2つ、夢を叶える為に来たことと、この世界を救うということ」
「どうして、その2つを隠す必要があるの」
「じゃあ石月、お前ん家前に外国人が倒れてて、助けたとしよう、そしてその外国人に何しに来たって聞いて」
「日本を救う為にやってきましたそれと夢も叶える為っていうのもあります」
「なーんて、言われたらどうする」
「警察に通報する」
(案外酷い選択だな)
「要するにいきなりそんなこと言われたら側は対処仕切れないと思うんだ」
「なるほどね、じゃあどうするの」
「気が付いたらあそこにいたの一点張りかな、とりあえず俺達はこの世界を知らなすぎるしな」
石月と話し終わると、さっきの隊長が一人老人を連れて部屋に入ってきた
「それでは今からお前らの話しを聞くとしようか」
俺達は知らなかった、ここからが本当の旅の始まりになることを、俺達の運命を大きく左右することも・・・