四十五話 葬式
俺が住んでいる駅から終点まで行った所に俺と石月はいた
俺は礼服、石月は喪服を着て……
【泉家葬式場】
二人が何故ここにいるのかというと
遡ること3日前になる
―3日前―
戦いの次の日、朝のニュース番組で取り上げられたのは学校で発見されたヒロについてだった。
第一発見者は学校で意識がもどった秋山で、ぐったりしていたヒロを見て警察に連絡したらしい
連絡を受けた警察は、次の日に泉家を捜索した結果ヒロ本人が書いた遺書が見つかったらしい
遺書には遺産相続的なことは一言も書かれていなかった
書かれていたことはたったの二つだけで、まず一つ目は
【沙耶香を殺したのは自分であり湖に沈めた】
と書かれたあったらしい
警察が湖を捜索したところ、泉さんを発見したのだ、まあ発見されのは当然だった。
今思えばヒロが湖に沈めてほしいと言ったのはこのためじゃないだろうか
そして、遺書に書かれたもう一つは
【葬式を開き、沙耶香と一緒葬式を行ってほしい】
と書かれていたとのことらしい
そして何故そんな遺書の内容を俺が知っている理由はと言うと
昨日の朝にポストに全てが書かれた手紙が届いていたのだ
一切手がかりを残すことなく届けたというのだ
まったく、最後まで掴み所が分からないやつだ
などと、今までのことを簡単に説明したらこんなところだ
ちなみに何故石月がいるかというと、俺達の戦いに僅かながらでも関わったことで、石月も知る権利を得たということもあるのだが
なにより重要だったのが、石月が泉さんととても仲の良い友人ということだった。
連と真也の二人は怪我やらなんやら、まあとにかく休まなければならない状態のため、参加できないということである。
長々な説明になったが、こういう経緯があり今にいたる
「さて行くか」
受付に行き名簿に名前を記帳する
浅村 秀とそう記帳した時だった
受付にいた人がその名前を見た人が後ろの人に耳打ちをしている
そして………
「君が浅村君かな?」
ガッチリした体格の角刈りの男性、年齢はヒロと同じといったところか
「あなたは?」
「初めましてかな?私は亀山 光希です」
「亀山 光希さんってヒロの友人ですよね?」
「ああ、やっぱり知っていたか」
「やっぱりって、どういう意味ですか?」
「…………場所を変えようか、君に伝えたいことがある」
首を縦に振る
「悪い石月、すぐ戻るよ」
「私のことは気にしないでください」
「ありがとう、行ってくるよ」
俺と亀山さんは、受付の裏へと消えていった。