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三十六話 三つ巴の攻防5

二人の戦いが終わった時からだいぶ時間は遡り場所は校庭



「こうしてお前とやりあうのは三度目だな」



「三度目?二度目じゃないのか?」




真剣な顔で言うところを見ると本気で言ってるのだろう



(コイツ本当に言ってるのか………)






「行くぜ秋山」



「来いよ浅村」




剣を如月に変えて動きだした秋山に対し、俺は動じずにその場に立っている


瞬時に後ろをとった秋山は切りかかるが、そんな簡単にやられるはずもなく、俺は韋駄天でかわす



「ウインドエッジ!!」



「効かねぇよ」




卯月で弾き、皐月で攻撃するが、それを韋駄天でかわす



「ちっ、ちょこまかと………鳴雷月!!」




前回よりも明らかにスピードアップしている韋駄天で秋山の攻撃は殆ど当たっていない



「絶空剣・嵐!!」



「ぐあぁぁぁ!!」



「どおした秋山!!手応えねぇぞ!!」



「くっ、葉月!!」




炎を帯びた刀で切りかかるが、炎の刀を出したのが失敗だった。



〈秀!!チャンスだよ!!〉



「分かってる!!」



天つ風に風を帯びさせた俺は秋山に向かって走る



「真紅紅蓮剣!!」



「炎が風に勝てると思うなよ、旋風刃!!」




巻き起こした竜巻にそのまま切りかかったが、当たる直前に炎が消え、旋風刃が秋山に直撃した



「ぐあぁぁぁ!!」



「決めるぜシルフィー!!」



〈了解〉




腰にさしていた木刀を取り出し、もう一本天つ風に変えた



「天つ風・重」



「なっ!?二刀流だと」



〈あらま、あの様子だと本当に知らないようだね〉




あれだけ目の前で二刀流を見せたはずなのに記憶にないというのはおかしい



(あの時の秋山は秋山じゃなかったってのか)



「一気に決めさせてもらうぜ、韋駄天!!」



「くっ、卯月!!」




スピード勝負では勝てないと思ったのか、秋山は卯月を構え防御に徹底する



「耐えれるもんなら耐えてみやがれ、天破散牙撃!!」






卯月を構える秋山に対して走り、間合いに入ったとたん軽く飛び、伝えられるエネルギーを右側に移す


そしてがっしりと構える秋山に対してぶつかっていった



「うおぉぉぉ!!」



「ぬおぉぉぉ!!」




バチィ!!


大きな音とともに吹き飛ばされたのは秋山の方で、卯月で防ぎきれなかった天破散牙撃をもろに受けたらしい



「くぅぅぅぅ」




苦痛に顔を歪める秋山



「諦めるんだな、休み中何してたか知らねぇけど、こちとら前とは違うんだよ」




片膝をついた秋山に向かって言った


自分にはどうやったって敵わないというように



「勝負あったな秋山」



「それはどうかな?」




不適な笑みを浮かべた秋山はゆっくりと立ち上がった

刺していた卯月抜き中段に構える



「神無月!!」




中段に構えた卯月が光り、ゆっくりと形状を変えていく



「っ!?ば、バカな!?」




形状を変えた卯月は、秀の二刀流、天つ風・重に形状を変えた



「そんな、バカな!?何で天つ風・重を………」



「この神無月は相手の武器をコピーするのさ」



「天つ風・重をコピーするのは驚いたが、天つ風・重はお前が持っていても無駄だと思うぜ」



「どういう意味だ?」




両肩をすくめ、やってみれば分かると言った



「ふん、ならやってやるさ、韋駄天!!」




韋駄天と叫んで、秋山は天つ風・重を持って走った…………普通のスピードで



「韋駄天ってのはこういうのなんだよ!!」




瞬時に超スピードで動き、秋山に空破撃をかます。



「ぐうぅぅぅ、な、何故だ、何故韋駄天が発動しないんだ」




あわてふためく秋山を見た俺はちゃんと分かるように説明してやる



「天つ風はそもそも精霊契約をして初めて使えるんだ、コピーはできるかもしれないが、風までは発動できないらしいな、つまり今お前が持っている剣はただよく切れる二本の刀ってわけ」




俺の説明で秋山の顔に冷や汗が流れる



「さあ決めるぜ、天破散牙撃!!」




秋山に向かって走り、さっきと一緒のように間合いに入ると、軽く跳び余すことなくエネルギーを伝える



「天破散牙撃ぃぃ!!」




完璧に入ったと思えたが、いつかの時のようにまたもやあの男が間を割るように入ってきた。


そして俺の天破散牙撃は見事に止められていた



「んな!?またお前か!!」



「やあ、また会ったね」



「何が、会ったねだ、会うつもりで来たんだろ?」



「うーんそれはあくまでも結果に付いてきたオマケだよ」



「オマケ……だと?」



「ああ、俺の目的はコイツさ」




男はそう言って秋山を指差す



「この前もそうだけど、お前と秋山はどういう関係なんだ?」



俺の言葉に少し考えた男はゆっくりと口を開いた



「需要と供給さ」



「???」




男が言っていることの意味が分からず、首を傾げ片手で髪をかく



「俺はバカだからあんま分かんないけどさ」




ゆっくりと天つ風・重を構える



「あんたは間違いなく俺にとっては敵だよな?」



「さすがは浅村君だね」




被っていたマントをふわり浮かせると、マントの中から二人の人物がばったりと出てきた。



「そんな………バカな」




マントから出てきたのは、連と真也だった………

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