第二章一話 異世界へ
第二章に入ることが出来ました、これからバトルなども入れていきたいと思います
扉を抜けると、そこには広大な青い海があり、その砂浜の6人はその広大な海を呆然と見ていた。
「なあ秀、これだけ見ると異世界に来たっていう感じしねーよな」
「確かに後ろには森があるだけで、俺達のいた世界とあんま変わらないな」
今目に見えている物は、元の世界でも存在していた物ばかりで、ここが異世界だと感じることはなかった・・・次の瞬間までは
後ろの森から何やらガサガサと音がしたと思って、後ろを向くと、牙を剥き出しにして涎をだらたら垂らした犬というより狼が一匹こっちに向かって走ってきた。
狼は俺と連を標的にしたようで、距離を詰めると一気に飛びかかってくる。
「「うわあぁぁ」」
いきなりの恐怖に叫ばずにはいられなかった。
俺と連の両者が左右に飛んでかわしたものの、狼は既に狙いを定めて、距離を詰めてくる。
そして狙いを決めた狼は地を蹴って飛んで秀の方に襲い掛かった。
先程の攻撃を交わしたせいで体勢がかなり悪い秀は、再び横に飛んで避けるしかない。
狼は完全に狙いを秀に定めたようで、他の者には目もくれず、再び秀に近づき襲い掛かろうとしたが、何度も何度もやられるほど秀も愚かではなかった。
砂浜の砂を掴んで狼の顔面目掛け砂を投げつける。
砂が目に入ったようでその場にで立ち止まった狼を見逃さずに、立ち上がって逆に距離を詰めた。
「今度はこっちの番だ」
勢いを付けた右足でおもいっきり、狼を蹴り1メートルほど後退させたが、当の狼はぴんぴんしていた。
「うわー、タフな犬がいたもんだねー何犬ですか…」
「冗談言ってる場合か!アイツ怒りが頂点に達してるぞ秀!」
連の言う通り頭に血が昇った狼は唸り声を上げる。
ゆっくり秀との距離を詰めていく、まるで目の前の獲物を確実に仕留めるように…
これは笑えない状況だ。
本能がそういったのかは分からないが、気付いた時には6人全員走って狼から逃げたした。
木を避けつつ、でこぼこな道を必死に逃げたが、人の足が狼にかなうはずがなくあっという間に追いつかれる。
「グルグル・・・」
「浅村君・・・狼は何て言ってるのでしょうね?」
「さあ、大方一人位食べさせてもいいだろって感じじゃないかな」
「おい、漫才してる場合か!」
走ってきた狼は貪欲に秀だけを狙って走って来たがそれがいけなかった。
あまりにも秀を狙い続けたせいで、横の動きには気が付かなかったのだ。
「「せーの!!」」
今度は連と蒼士のダブルキックをくらった狼は後ろに飛んで木に激闘して倒れたが、またすぐに立ち上がるがさすがにダメージがあるようで先程みたいな動きができなくなっていたが、その目はまっすぐと秀を見つめていた。
「狼からのアプローチどう受けるつもりだ秀?」
「狼から告白されても、ぜんぜん嬉しかねーよ、まあ来世ぐらいなら付き合ってもいいかな?」
狼と秀の睨み合いが少し続き、お互いに逃げるタイミングと襲い掛かるタイミングをはかっていると、狼の方が先に目をそらして、空に向かって遠吠えをし始めた。
(一体何してるのかしらあの狼は?)
いきなりの遠吠えに不信感を抱く新藤は顎に手をあて少し考えてから大声で叫んだ。
「みんな!早く逃げてあの狼・・・仲間を呼ぼうとしてます!」
昔テレビで見たことがある。
狼は仲間を呼ぶとき時の、遠吠えをするという習性だ
新藤の言葉を聞いた5人は体に走った悪寒を振り払う。
急いでその場から離れるが遠吠えをした狼はこちらが逃げるのを見ると、追いかけながら遠吠えで仲間を呼ぼうとする。
まったく器用なことをするもんだ。
走って逃げる途中で、遠吠えに反応した仲間の狼が横から飛び出して一番端にいた新藤を狙う。
「新藤!危ない!」
元々、体の反応が良かったのか、秀の声に反応したかは分からないが、ギリギリで攻撃をかわして走り続けたが足がつまづいて、新藤は転んでしまった。
そんな大チャンスを狼達は見逃さずに、新藤にゆっくりと近づいて今にも襲い掛かろうとしていた。
「「新藤さん!」」
くっ、間に合うか!
秀が走り出した時、後ろから凄まじいスピードで走って来た馬が秀を瞬時に追い抜き、馬に乗っていた緑色の髪をした男が狼達を持っていた槍でなぎはらう。
狼達は新藤に近づけなくなっていた。
「新藤、大丈夫か?」
「うん、私は大丈夫だけどあの人が」
当然、狼達の怒りをかった男は新しく来た狼二匹を合わせ、合計四匹の狼と睨み合いを繰り広げていた。
「後ろにいる奴ら、聞けこのタイプのカースは逃げる生き物を追いかける習性がある、だから逃げずにそこにいろ、俺ががこいつらを倒すまでな」
(カース?)
もうわけがわからない。
そう言って、馬から降りると狼達に向かって走り出した。