表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虐められ抜いた私が悪役令嬢に転生し援軍を得て、婚約破棄してきた王子をざまぁし最高の男と結ばれるまで。  作者: 専業プウタ@コミカライズ準備中


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

48/55

48.銀髪に産んでくれれば良かったのに。

「1週間でここまで、ご意見が集まるとは驚きました。平民の方々が直接王族に悩みを聞いてもらえる機会はないからでしょうね。匿名でも良いということなのに、名前や住所を書いている方が多いとは思いませんか?これはルブリス王子殿下が自ら悩みを聞きにきてくれるのを期待しているのかもしれません」


「私は、平民の家になんて行かないぞ。前に、平民のいる街に出たら人が集まってきて動くのもままならなかったんだ」

心底嫌そうな顔をするルブリス王子殿下をフォローしなければと思った。

私は、彼が自ら歩いてコツコツと平民の暮らしや悩みを知ることに意味があると思っているのだ。


彼は、ライ国の人間は普段会う貴族だけだと思っている節がある。

しかし、貴族など一部で多くの平民からライ国は構成されているのだ。

彼らの存在を無視していい訳ではないし、平民には彼のアカデミーのやらかしの情報は届いていない。


サイラス様が氷をすぐに送ってくれたお陰で、国中に氷が配られている。

それはルブリス王子殿下の手柄となっているから、そのことに対する平民の反応も聞ければ彼の元気が出るような気がするのだ。


「美しい王子様が現れたら、一目見たいと思うのは当然ですよ」


「イザベラは私のことを美しいと思ってくれているのだな。婚約の顔合わせの時、イザベラが私のことを拒絶するようにに見えたのは何だったんだろう。私が傷つけるようなことを言う前から、怯えているように見えたんだ。私の目つききが悪くて怖がっていたのか?」


「申し訳ございません。それは、私が黒髪の人に対して恐怖心を抱いていたせいです。ルブリス王子殿下には何の落ち度もございません」


自分が小中と虐められていたトラウマで、黒髪の男の子が苦手だっただけだ。

何をされた訳ではないのに、最初から彼に対して失礼な態度をとってしまったのは私の方だ。


「どうして、母上は私を銀髪に産んでくれなかったんだ。銀髪に産んでいてくれたら、イザベラは私を好きでいてくれたのに」

ルブリス王子殿下がまた意味不明な言動をして心配になったが、カールが素早く突っ込んでくれた。


「金髪の国王陛下と黒髪の王妃様から銀髪の王子が生まれたら大騒ぎになります。くだらないことを言っていないで、仕事をしましょう」


カールは以前はルブリス王子殿下の言動をいつも冷たい目で見つめているだけだった。

でも、今は王子殿下の言動に突っ込んだりしている。


カールは今は私の手前、ルブリス王子殿下の手伝いをしているようなところがある。

しかし、彼が自ら王子殿下の味方になろうとしてくれたら心強い。

カールは私のために1日で100人以上の人を集めるくらい人望がある凄い子だからだ。


「ルブリス王子殿下、カールが失礼な物言いをして申し訳ございません。でも私としては2人には身分は違っても、友人のように信頼し合える仲になって欲しいと思っています」


「今、無礼だとか怒っていられる立場でもないしな。正直、ライト公子はまだ信用してはいないんだ。いつ手のひらを返して、裏切られるのかとハラハラしている」


ルブリス王子殿下は思ったことをストレートに言ってしまうところがある。

おそらく次期国王になる予定だったで彼の言動は、時に人を傷つけるものでも受け入れられてきてしまったのだろう。

毎日、アカデミーの空き教室を用意し、ルブリス王子殿下の信用回復のために会議に参加してくれているカールに対して失礼過ぎる。


「信じられません。こんなに毎日尽くしているのに、平気でそのようなことをおっしゃるのですね」

カールは不快感を隠せないようだったが、すぐに私に笑顔で話しかけてきた。


「姉上、住所や名前を書いている方は、隣の家とどちらの敷地かと言ったことで揉めている方が多いように思います。貴族の家の区画はしっかりしていますが、平民は適当ですからね」


「カール、流石です。平民の住んでいる区域の土地区画整理事業をしましょう。彼らの住んでいる地域は道が狭く、複雑に入り組んで境界線があいまいになっているところもあります。このような土地をきれいに整備することで、快適で住みやすい街に生まれ変わらせるのです」


「それは、もの凄い時間がかかる作業ではないのか? レイラ王女とやらみたいに簡単に解決する問題をどんどん解決してアピールした方が良いのではないのか?」


エドワード王子が既に貴族のほとんどから支援を受けている状態で、平民のお悩み相談室しかルブリス王子の挽回手段が思いつかなかった。

小さな悩みを解決してくれるのは、当人にとって非常に大きなことだ。

コツコツやっていけばルブリス王子も親しみやすい王子として愛されるようになれるかもしれない。


「私も最初は1つずつ小さな悩み解決で、信用を集めようと思いました。しかし、それはルブリス王子殿下以外でもできる仕事です。土地区画整理など大きな仕事となると、王家が貴族を動かさなければできません。まずは、街を自ら歩いて視察に行きましょう。お悩みを相談してくれた方の話を聞いて、どのような街にしたいのか形にしていきましょう」


「街に行ったら、もみくちゃにされると思うと気が重い」

ルブリス王子殿下が頭を抱えてしまった。

平民街は彼にとって、良い思い出がない場所なのかもしれない。



ブックマーク、評価、感想、レビューを頂けると励みになります。貴重なお時間を頂き、お読みいただいたことに感謝申し上げます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ