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ふ~、漸く俺の能力であるダンジョン関連の者限定と言う不思議な制限がついている契約魔法を実施する時がやって来た。
俺より前か後、どちらの時期に召喚されたかは知らないが、どこぞの20階層程度のダンジョンを攻略した際にレベル43にまで一気に上がり、その時に得られた能力。
俺が思うに、国王から言われた侵攻予定のダンジョンは二つの入り口……の直後に結合されているとは言え、二人のマスターが治めているのではなかろうか。
そうなると、今回の作戦を行う事でレベル50達成も夢ではないな。
最近やたらと目障りな、レベル60と宣言している弦間のダンジョンも射程距離に入れる事が出来る。
いや、そうじゃない。
配下とするからダンジョンマスターを始末しないので、そこまでのレベル上昇は見込めない。
俺が思うに、精々道中の魔物を始末して1~3程度の上昇だろう。
であれば……配下にした後に俺が滞在してマスターのレベルを40程度まで上昇させ、その配下の魔物や眷属と共に弦間のダンジョンに押し入れば……いや、俺は安全のために様子見で、新たに配下にする連中だけで攻撃させるのも手か?
俺が思うに、そう考えると非常に有用性のある能力と言えるな。
正に俺に相応しい能力だ。
それに、眷属……楽しみだ。
今までどのダンジョンマスターも<淫魔族>を眷属にしていたからな。
マスターが男であればサキュバス確定。
あの妖艶な美女を俺の好きにできるわけだ。
俺が思うに、ああいった者は全て俺に捧げるべきだろう?
まぁ、今も城内では自由にやらせてもらっているけれど、男共の視線が鬱陶しいからな。
俺が思うに、そう言った嫉妬を持つのではなく、自分の魅力や力が無かったから奪われたと言う事をしっかりと認識した方が成長できると思うのだが、まぁ無理だろうな。
奪った女の中には泣いていた奴もいたが、俺の立場があれば“無問題”だ!
召喚された時は面倒だと思ったが、俺が思うに、正に俺に相応しい世界だったのだろうな。
「良し、明日の侵攻に備えて英気を養うか」
おっと、思わず口に出てしまったが、俺が思うにやる気が溢れてしまったせいだな。
少々抑えなければ、無駄に疲れる可能性がある……
「おい、お前!今から俺の部屋に共に来い!」
取り敢えず部屋に戻る最中に、俺好みの女性一人に声をかけておこう。
「エッ……岩本様。私は婚約者がおりま……」
「だから何だ?その婚約者も纏めて潰してやっても良いんだぞ?俺が思うに、瞬殺だと思うがな?」
何、下を向いて泣いていやがる!喜んでいるのか?
どうせ何を言っても従うしかないのを分かっているだろうが!態々面倒くさい事を言わせるな!
俺が思うに、こう言った輩は強引に連れて行かないといつまでもグズグズしているので、強引に手を取り部屋に連れて行く。
周囲の視線が少々鋭くなっている気がするが、睨み返してやれば目を逸らす!
俺が思うに小心者共の集まりで、御しやすい。
部屋に入ってベッドに女を投げ捨てるのだが……
「チッ、俺が思うに、覗きが好きな穴蔵に籠っている引きこもりが、鬱陶しい!」
どう見ても魔物、どこかのダンジョンの配下……恐らく俺の強さを脅威と感じている弦間とか言う奴の配下の魔物が飛んでいる。
毒やら攻撃力やらはなさそうだが、監視されている中で出来るほどイカレてはいない。
「おい女。俺が思うに、今日は興ざめと言った所だ。帰って良いぞ!」
全く、何をそんなに驚いた顔をしているんだ?
と、聞くまでもなく、あっという間に出てくとは、淑女としてなっていないな。
「じゃぁ、面倒くさいが一掃するか?俺が思うに、部屋に被害が出ないようにするのは俺ほどのレベルになると、少々疲れるんだが」
想定外の事態になったので思わず文句が口に出てしまうのは、俺が思うに仕方がない。
取り敢えずレベルに物を言わせた身体能力で全てのコバエ程度の魔物を叩き落とし、慎重に取りこぼしが無いかを確認する。
この程度の魔物であれば危険を感じる事が出来ないのが鬱陶しいが、だからと言って部屋にいるのは気に入らない。
もしこの魔物が明日向かおうとしているダンジョン配下の魔物であれば、俺が思うに相当焦っているのだろうな。
この俺、レベル43の岩本様が明日侵攻する事は知っているのだろうから……
だが安心しろ、始末するわけじゃないぞ。
俺の配下として良いようにこき使ってやるだけだ。
ハハハハ、楽しみだ。あの女を帰して少々モヤモヤしていたが、すっきりする事が出来たな。
よし、俺が思うに今日はもうする事はないだろうから、さっさと寝るとしよう。