森を出るまで・1
ところで両立で簡単だと思いますか……?
僕は難しいですよぉ~(泣)
そして今更だが、自分の喋り方が変わったの事を。
一人称が『俺』に変わっているし、ところどころ欠けていた前世の記憶が蘇っているし。
それで今まで分からなかった前世での名前は、
「浄理……花蕾璃……か…」
浄理花蕾璃。
それが前世での名だ。なんかかっこいいと思ってしまった俺は悪くないはずだ。
前世の記憶の方が鮮明なので、自身に名を授けてくれた者には悪いがこちらの名も使わせてもらおう。勿論の事ジンの名も使うが。
さてと、まずはこの森から出るか。
剣はどうすっかな。と思っていたら、剣が光り俺の右手に収まった。見てみると、変った形の紋章があらわれていた。楽だな、と軽く考え森を出るために歩き始めた。
◇
はぁ…はぁ…まだかぁ~。
かれこれ半日は歩いているはずだぞ。
《身体強化・皇》があるはずなのにそれを感じさせない程の距離なのかよ。
「あ…池だ…」
それに近くに雨宿りできそうな場所がある、それに泉も。そこで今日は休むか……。
そして泉の水を飲もうと近ずき、水面を見て固まった。
なにせ水面に映っていたのは、太ももの付け根まである金髪に碧眼のほぼ女性の顔をした俺だったのだから。
◇
「ぐすん……」
ショックだった。なにせ自分の見た目が完全に童顔の女性だったのだから。たしかに、剣を持つまでは9歳ぐらいの女の子と言った感じだったが、まさか変わっても自分の見た目が女性らしいだなんて……。
「もういいや。寝る」
考えても仕方ない。もう寝ちゃおう。