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Virus

作者: ババロア

新型ウイルスがかなり蔓延してきた。特徴として空気感染をし、かかると息苦しさ、発熱、気怠さを感じると言われていて致死率もかなり高い。

今やこの国の人口は今までの3分の2ほどだ。

新型ウイルスによって活動自粛や不要不急の外出を控えるなどと言われているが、研究が進むにつれてあまり意味がないことが明らかになった。理由は新型ウイルスの大きさが関係している。新型ウイルスの大きさはかなり小さく、家のほんの少しの隙間からも侵入するのだ。だから家の中にいる事はそれほど大切なことではなく、手洗いうがいやマスク着用など菌自体から身を守ることが大事なのである。

それを知ったバンバ家は家の隙間をすべて無くすことにした。窓の隙間にはガムテープを執拗に貼り付け、換気扇や隙間という隙間にセメントを流し込んだ。そうして家を密閉することに成功した。

バンバ家は6人家族で、すこし小さめの一軒家に住んでいた。食料は数日前に大量に買い込んだため、数ヶ月は外に出る必要はなかった。さらに、家の中でも全員が新型ウイルス対策を怠ることはなかった。

しかし、そんなある日だった。

バンバ家の全員が息苦しさを訴えた。手足は痺れ、意識は朦朧としてきた。

身体の倦怠感もこの上ない。こんなに防いだのにまさかかかるとは思わなかった。今急いで病院に行っても、見てもらえるのはいつになるかわからない。もう家族はみんなぐったりと倒れ込んでいる。最後まで生存していた父親も呼吸ができなくなり、息絶えた。

バンバ家が飼っていた犬は優秀だった。朦朧とする意識の中、家の玄関を開け、外に飛び出した。深く息を吸いこみ、不足していた酸素を身体中に巡らせると、昔入っていた庭の犬小屋で眠りについた。

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