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「『忖度』とか言ってるけど、みんな言うほど心理学出来んの?」

作者: 小財 明

そんたく【忖度】〔名・他サ変〕他人の気持ちをおしはかること。「彼の真意を忖度しかねる


明鏡国語辞典MX第二版より


「みんな、米飯は食っているんだろうか?食っていないことはないだろう。『日本人だし』」と朗はひとりごちる。気とは、『氣』と書き『米』が漢字の中に含まれている。朗はご飯が好きで、結構大ぶりなご飯茶碗で2杯は必ず美味しく頂く。しかし、それは美味しく頂くから美味しいのであって、例えば、パンの好きな、米飯が嫌いな人はどうすれば良いのかという「栄養学」の観点から見た場合において、問題があると朗は思う。ただ、ただ、パンが好きで、パン職人をしている人などはどうすれば良いというのか。話が極端であるという人がいるかもしれないが、朗は現在の世の中の「右傾化」している風潮を肌で感じると危険なものを感じる。


朗の家では、朝パン食である。


そして、朗の近所のセブンイレブンでは、「食パン」が売れ行きを伸ばしている。以前は大体売れ残っていることがあった食パンが完売という日も珍しくない。


近所に本格的なドイツ源流のパン屋さんも最近になってオープンしている。


「忖度」という言葉を流行らしたのは、政治家だが、どういう「動き」があるにせよ、個人的に見て、パン食文化をみんなは支持しているし、若者よ、パンを食べなさい、パンを。


パンは小麦粉で出来ていて、その点から言うとビールと同じだし、「西洋寄り」の食べ物である。


魔法社会と戦う、あるいは「魔」の影響を少しでもなくし、国民全体を氣の傘で「守る」というのが政府の主張するところなのだから、それを律儀に「守る」かどうかは国民一人一人の気持ちにかかっている。


パンは魔族寄りと言うわけで、魔族の噂などが巷に溢れ、「大丈夫か」という心配する気持ちがパンに手を伸ばさせる大きな心の原動力になっていることは間違いない。


政府は魔法社会と対峙し、「魔族」と戦争、事実上の知的な統合失調患者を戦場主体とするような戦争をするつもりである。


食の戦い。一番ありふれた一番母の心に満ちた家庭の戦いである。台所が戦場である。


第二次世界大戦の時にも「うみゆかば」で母性原理が働き、台所を戦場に巻き込んだ国家主導の動きがあった。


個人を個人足らしめているのが、現在ではネットである。


個人が発露する情報網の構築を図るべきである。忙しさの中で良著を読むべきだし、その点電子書籍ではいつも手軽に持ち運べるかというと、集積性では優れているものの、矢張紙を手繰る「感触」、身体と合わさる身体性という点では比べ物にならないと言っても過言ではない。すべての価値がひっくり返って、混沌とした中で、混沌に負けないようなフレキシビリティに富んだ価値観を美味しい米に代表されるような情動性とパンに代表されるような論理性の両方をバランスよく取って「現実」に負けない栄養の摂取をとれれば良いなと朗、作家の朗は考え、ソファーに寝転んで、携帯で文章を打った。


氣の中には米が含まれている。海の中には母が入っている。


意思が意思足る由縁は意に沿わないことに反対を唱えることにある。魔族の侵攻に対し、魔族に異を唱えて、戦おう。悪しき「声」に負けないためには、高らかに歌われる音楽などの芸術の調べが是非とも必要である。至高のヒューマニティ溢れる権利を人間側に取り戻そう。朗は今日も群青色のポータブルCDプレーヤーで音楽を必死で意識を奪われまいと聴いている。


ラジオ FMK。SCHOOL

OF ROCK。とーやま校長、ありがとう、お疲れ様でした。


その後、静寂に流れる音階の調べ。


今日もゆっくりとした枕とともにある眠りを担保するラジオが流れ、音楽が人間の心、疲れきった心をなだめ癒していく。


グッドナイト

グッドスリーピング。


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