新しい生活へ
2話目投下します。
意識がどんどん戻っていく。意識が、鮮明になっていく。
「おい、タイチや、どうしたんじゃ?」
「ん?なんでもないよ。師匠。」
俺はその時、不意に答えることが出来た。
その瞬間に今までのことが瞬時に頭の中によぎり、それを全て理解出来た。あの日、裏切られたことも、この世に生まれ、何故か自分の名前だけ覚えていて、それ以外忘れていたことも。
そして、何よりこの強すぎる師匠に拾われたことも。
「おい、タイチや、お前ワシより多分強いんじゃから学校に行ってみるか? あそこは強いやつもおるし、何より社会勉強になるぞ。いつまでも山で老ぼれと2人というのもつまらんじゃろ。」
俺はこの世界に生まれてから、この師匠に拾われた。名前以外何も覚えてない俺を今まで世話してくれた。17年間俺を育ててくれた。そして、自分の身を守るためのイロハを教えてくれた。命の恩人と言っても過言ではない。本当に感謝しているんだ。
それに、学校にも行ってみたいし、久しぶりだなぁどんな感じなんだろう。
「でも師匠、お金は?結構お金かかるでしょ?」
「お前、オボロギにある国立オボロギ魔法学校なら、そこの学園長にワシが頼み込んだら金などいらんわい。」
「え?それってつまりコn…」
「そうじゃが?まあ、あいつとワシの中じゃ、そこは気にしなくていいじゃろ。」
「お、おう… 分かったよ師匠。俺、学校に行ってみる!」
「青春するんじゃぞ?」
「わかったよ、青春してくる!」
「そうと決まれば、これを持ってゆけ。」
そう言って渡されたのは、少量のお金が入った袋と、今にも燃え上がりそうなくらい紅い宝石が装飾された指輪だった。
「これは?」
「まあ、お守りみたいなものじゃ、肌身離さず持っていろ。」
俺は、その指輪を付け早速、目的地であるオボロギ魔法大学を目指し、旅立った。
腹減った、ものすごく腹減った。そういや、師匠から食糧を貰うの忘れていた。
今、俺は森の中にいる。道路も整理されていない様なけもの道だ。
学校があるオボロギまでの道は分かるのだが距離が遠い。まだ、街にも入ってないから、もちろんギルドカードもないので、自分でも自分の強さが分からない。
そして、あくびをしたその瞬間、後方からなにか気配がした。
よし、声をかけてみよう。
「そんな所で、一体何をしてるんだ?」
「よくお分かりになりましたね。一応、私隠密に長けてるんですが。」
木の影から出てきたのは、どこかの貴族の執事らしき老人だった。
「いや、それにしてもなぜあなたのような子供がここに?この方角だと、オボロギにゆくのですか?」
「そうだ。」
それにしても、多分このおじいさん強いな。なんかもう、オーラが出てる。
「しかし、あまり深いことは聞かないでおきましょう。私は、レクリア家に仕える執事です。いやはや、お嬢様のために最短ルートを探していたところ、あなたを見かけたので少しあとを付けさせてもらいました。あなたもかなりの実力者でいらっしゃるようで。」
「そうか、じゃあまたどこかで会うかもしれないな。」
「そうかもしれませんね。では、お嬢様が待っていらっしゃるので、私はこれで。」
「ほんじゃあな。さいなら。」
強そうなおじいさんと別れて、しばらく歩いていると街が見えてきた。
「これからどんな冒険が始まるか。ワクワクするな。よし、気合い入れてこ!」
小説書くのすごく難しいです…。