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目には目を、嘘には嘘で  作者: ソラエル
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14.覚悟

【安田菜々】

教頭先生の連絡を受けて、私は学校まで迎えにきた警察とお母さんとともにお父さんが運ばれた病院へ向かった。

まだ、頭の整理がつかない。お父さんが死んだ?なぜ?事故なの?

受け止められない現実に頭が追いつかなかった。お母さんは隣で震えている。私と同じで失う恐怖と現実を受け止められない感情が入り乱れているのであろう。

しばらくするとパトカーは警察病院の前に止まった。

『こちらです』

1人の刑事さんがドアを開けてくれた。しかし、足が動かない。行かなくてはいけない。でも、体がその現実を受け入れてない。

震えが止まらない足をなんとか言うことを聞かせて車を降りる。お母さんも覚悟はできたのか私の後に続いて降りてきた。

『では、行きましょう』

刑事さんにそう言われおぼつかない足取りだがその後を追っていく。

お父さんが運ばれたであろう部屋の前に着いた。

このドアの向こうにお父さんがいる。そのドアが私にはとてつもなく大きな門に見えた。

『高井さん。今到着しました。安田署長のご家族です』

そう案内してくれた刑事さんが言うと中からもう1人、上司であろう人が出てきた。

『早速ですが、お父様とご対面する前に1つ注意があります。おそらく、相当なショックを受けてしまうかもしれませんが、覚悟をしてください』

その刑事さんは私たちに強い口調でそう言った。

『それでは中へ』

その言葉とともにドアが開かれる。

部屋の中には青ざめたお父さんが横になっていた。一目見たら生きてはいないことがすぐにわかった。どこかで覚悟をしていたのか案外すんなり納得してしまった。しかし、それに気付くまでは。

足が無い。左腕の手首から先も切られている。それは、私の想像、覚悟の上を遥かに上回る状態だった。お母さんは放心状態になってしまった。私もその場に膝から崩れ落ち、震えが止まらなくなっていた。

『残念ながら、我々が駆けつけた時には息絶えていました』

刑事さんの言葉も私の耳には届かなかった。

しかし、次に刑事さんが放った言葉で私は強い憎悪が自分の奥底からふつふつと上がって来るのを感じた。

『おそらく、犯人は今起きている連続殺人事件の犯人と同一犯によるものだと思われます』


【朝比奈蒼太】

明日が引退試合という事で緊張しているのかとも思ったが、蒼蘭自身そんなに緊張していないみたいだった。

『明日期待してるぞ!』

『うん。期待しててもいいよ!絶対に勝ってみせるから!』

夕飯を食べ終わった後、片付けをしながら問いかけたら自身溢れる返答が返ってきた。

カツ丼を食べたからか、明日への気合は十分みたいだ。

今朝のあの様子だと緊張しているのかとも思ったが、今の様子を見る限りそんな事なさそうで安心した。

妹の試合を見に行く事自体初めてなので俺自身、とてもワクワクしている。

『明日、一樹と春香も来るからな。みんなで応援してやる』

『ほんと?!2人も来てくれるの?!うん!頑張るね!』

2人が来ることを告げると目を輝かせて喜んだ。

『みんなが来てくれるんだもん。頑張らなくちゃ!』

さてと、明日の蒼蘭の弁当は何にしよう。

思い食事だとやっぱりきついのかな?軽すぎても試合中にお腹空くもんな。どうしたものか。

『そうだよ。みんな来てくれるんだもん。絶対に負けないんだから!』

蒼蘭の独り言が聞こえてくる。

『相手を殺してでも、勝たなくちゃ』

最後に蒼蘭が放ったその一言に俺は気づかなかった。

今回の話はいかがでしたでしょうか。

安田署長の死でいろんな人が困惑してきています。

次回などにでも、各キャラの設定などを挙げていくつもりなのでお楽しみに。

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