参考にしない方がいい読書感想文講座
読書感想文が書けなくて悩んでいるあなた。原稿用紙を一枚も埋められないあなた。書けないイライラでペンをへし折ってしまったあなた。そんなあなたに文字数稼ぎの方法を教えます。これから僕が書いた小説を使って方法を説明したいと思います。まずは僕が書いた短い小説をお読みください。
『飽き』
仕事を辞めた。恋人と別れた。髪型を変えた。引っ越しをした。趣味がない。それは私が飽きっぽい性格だからだ。でも、もう大丈夫。私は友達に貸してもらった本を開いた。これで私は生まれ変わることが出来る。はずだった。でも生まれ変わるのはそんなに簡単ではなかった。私は5ページ目でその本をそっと閉じた。そして二度と読むことはなかった。この『飽きない方法』というタイトルの本を最後まで読むことが出来る飽きっぽい性格の人は誰ひとりいないだろう。『読書の秋』という言葉とは無縁の私に『読書の飽き』という怪物を倒せるはずがなかった。
それでは僕が考えた文字数稼ぎの方法を五つ紹介します。
①抜粋
長々と本の面白かったところを抜粋して、その抜粋した文章の後ろに「というところが面白かったです」と書くだけです。
《例》「私は5ページ目でその本をそっと閉じた。そして二度と読むことはなかった。この『飽きない方法』というタイトルの本を最後まで読むことが出来る飽きっぽい性格の人は誰ひとりいないだろう。『読書の秋』という言葉とは無縁の私に『読書の飽き』という怪物を倒せるはずがなかった。」というところが面白かったです。
抜粋する文章がとてつもない長さだと闇の組織に消されるかもしれないので注意してください。
②比喩
読んだ本が面白かった場合はその本と同じくらい面白かった自分のエピソードなどを書いて、後ろに「同じくらい面白かったです」と書くだけです。
《例》「昨日のジャンプ見た?」「俺はマンガ読まないんだよ」「オリンピックでやったスキージャンプの方だよ」「そっちのジャンプね」「今の時期にジャンプといったらスキーでしょ」「少し変だと思ったんだよ」というスキージャンプの話をしたい友達とスキージャンプを週刊少年ジャンプだと勘違いした友達の会話を聞いた時と同じくらい面白かったです。
面白かったエピソードの部分があまり長すぎると読書感想文ではなくなってしまうので注意してください。
③繰り返し
一番大事だと思う感想を二回書いて、その後ろに「大事なので二回書きました」と書くだけです。
《例》飽きない方法を1000文字以内で簡潔にまとめた本が出れば主人公は飽きっぽい性格を直せるかもしれませんね。飽きない方法を1000文字以内で簡潔にまとめた本が出れば主人公は飽きっぽい性格を直せるかもしれませんね。大事なので二回書きました。
三回以上書くと読んだ人がイライラして原稿用紙をビリビリに破り捨てるかもしれないので注意してください。
④豆知識
読んだ本の中に登場した言葉や物の豆知識や知っている情報をただ書くだけです。
《例》「読書の秋」という言葉が小説の中に出てきましたが「読書の秋」という言葉の元になったのは古代中国の「灯火親しむべし」という詩だと言われています。この詩は「秋の夜長は明かりをつけて読書をするのに最適だ」という意味があります。
誰もが知っている情報を書いてしまうと取り返しのつかないことになってしまうので注意してください。
⑤感想
感想文を書いた感想をただ書くだけです。
《例》最初の方はスラスラと感想を書くことが出来ていたのですが途中から書くことに飽きたり眠気が襲ってきたりして、かなり時間はかかってしまいました。でも今までに書いた感想文の中で上位に入る作品だと自分では思っています。次はこの作品より、もっともっと良い感想文が書けるように頑張ります。
以上です。
この方法を参考にして怒られたとしても責任は一切負いかねますので予めご了承ください。