Gとの邂逅
「これは・・・メニュー?メニューなんてあるのかこのスマホ!」
メニュー。定石ならとても役立つあなたは一体どんな便利な機能があるんだ?
ちょっと期待でワクワクするな。年甲斐もなく。
メニュー
・持ち物
・ステータス
・スキル
・魔法
・地図
おぉ!色々あるじゃないか!流石メニューだなぁ。
上から順に見ていくか。
持ち物
スマホ
装備 己の肉体
「己の肉体!?それは装備じゃねえ!!全裸だ!!!・・・自分でも何言ってるか分かんねえな・・・・・。」
まあいい、気を取り直して次だ!
ステータス
鯱 久介 (シャチ クスケ)
体力 99999999999999、、、
攻撃 限りなく0に近い。
素早さ 限りなく0に近い。
防御 0。服くらい着たら?
特殊攻撃 限りなく0に近い。
特殊防御 限りなく0に近い。
職業 無職&社畜という矛盾。
特殊技能 不眠 。つまり社畜。QED
体力がクソみたいにあるな!やったぜ!
他のステータスもクソだけど!!
というか体力が多いのって当てつけだろ?
どうせアレだろ?
『社畜だから体力すっごく多いよねwww』
ってことだろ?ガイドのムカつくノリが想像できるぜ・・・。
防御に関しては正論です本当にありがとうございました。
早く服作んねえとただの露出狂だな俺・・。
職業もひどいな!
『無職&社畜という矛盾』だと?
バカにしてんのか?
特殊技能だってそうだ!
何が『つまり社畜。QED』だ!!
「くそっ!とりあえず社畜って言いたいだけだろぉぉぉ!!!!」
ふう・・・。
つい声にあげて突っ込んでしまった。
それにしても何なんだこのステータス・・・俺が何かしたってのか・・・・?
いや!まだだ!絶望するのは早いな!
スキルがあるじゃないか!
スキル
・SYATIKU
説明 社畜を極めし者のみが獲得できるスキル。目の下にクマが出来る。あ、あと体力すっごく上がるよ!
・疲れたサラリーマンのオーラ
説明 すごく疲労したサラリーマンのみが獲得できるスキル。同情される。すごく同情される。 可哀想に・・・。
は?なに社畜を極めし者って?
無駄にかっこいいけどただの悪口にしか聞こえない不思議!!!
それに疲れたサラリーマンのオーラなんて・・・・流石に酷すぎないか?
なんでスキルに同情されなきゃいけないんだよ!!
俺この世界に恨まれることなんてしたっけ?ねえ?神様?俺が悪いのか?
ハァ・・・・・おかしいなどっと疲れが溜まった気がするぞ・・・?
もうサクッと魔法見てさっさとメニュー閉じるか・・・。
魔法
・社畜の咆哮
説明 「休みがっ!休みがほしいいいい!!」と叫ぶことで相手は同情し、見逃してくれるかも。
・SC(社畜コンバット)
説明 社畜が生み出した悲しみの格闘術。敢えて同情され、相手の戦意が削がれた所で倒す。まるで悪魔の所業。
ハハッ!ウン、シッテタ。
どうせロクな魔法が無いことくらい知ってたよ。
あとSCに至っては魔法なのか?
細かいことを気にしたら負けなのか?
はぁ・・・。俺生きていけるのか?
最後に地図でも見ようかね・・
・・・ってまじかよ!1番近い街だと1キロしかねーじゃねーか!!!
よし、ちょっと元気が出たぜ!
早速だけど街にいくか!!
でも無事に街にたどり着けるのか俺・・・?
僕はG。進化したGだ。
僕は車位の大きさで、便利なスキルは知っている範囲では全て覚えたし、
人が何を喋っているかだって理解出来る。
でも、進化し過ぎたせいで仲間のGから
除け者にされているんだ。
あれ?僕は一体誰に向かって説明しているんだ?
ハァ・・・・。
友達が・・友達が欲しい・・・。
生まれた時からG離れしていたせいで一度も友達なんて出来たこと無いよ・・・・。
「くそっ!とりあえず社畜って言いたいだけだろぉぉぉ!!!!」
ん?誰だ?どうしてこんな所で人間の叫び声が・・・・?
なんか気になるから声がした方に向かってみよう。暇だしね。
・・・・・いや決して友達が居ないから暇なわけじゃ無いんだよ?
グスッ。
「やっぱり服が無いと街になんていけるわけねえよな・・・。」
俺は街がある方にゆっくりと向かいながら
考えていた。
そう!服が欲しい!!いつまでも全裸は流石に嫌なのだ。
「でもなぁ・・。服っつったって俺が作れるわけねえし、そもそも服の素材がねえんだよなぁ・・・。」
うーん。あぁぁどうしたら服が手に入るってんだ・・・・。
「あーあ!!!そこらへんに裁縫が出来る神様でも現れねぇかなああぁぁぁぁ!!」
『キシャアアアア!!!』
訳 僕が服を作るから友達になって!!!
「うおっ!!!!!でっかいGが現れやがった!!!呼んだのはお前じゃねえぇぇ!!」
そういうと俺はすぐさま後ろを向いて駆け出した。
『キシャッ!?キシャアア!キシャッ!
待って!ちょっと待ってって!!!』
訳 えっちょっ!?あ、やべ翻訳スキル使わなきゃ!よし!
「えっ?今Gが喋った・・・・!??なんか追って来ねえし・・。いやでもそんなはずは」
『喋ったのは僕だよ!!!』
「シャベッタァァァ!!!g、Gが喋ったぁぁ!!!は!?嘘でしょ?そんなファンタジーなことあってたまるか!!!!」
『服くらいなら僕が作ってあげるよ!』
ボソッ
『だから友達になってね・・・・。』
「是非お願いします!!!!」
その言葉を聞いた途端に俺はGを神様のように崇め、全力で土下座して頼んでいた。
ただ、最後の方は聞いていなかったみたいだ。
「いやーまさかGが人間の言葉を喋れて服を作れるなんてなー。助かったぜまじで!」
『このくらいならすぐに作れるよ。あとGって呼ばないで!僕はゴキ ブリオっていうんだ!。ブリオって呼んでね!これからよろしくね久介!』
「なんか・・ストレートな名前だな・・・。
・・・・・って何でこのまましれっとついて来ようとしてんだ?
いやいや流石にゴキブリはちょっと・・。」
『え?もう僕たち友達だよね?なのに連れて行ってくれないの?それならここで久介を食べてもいいんだよ?』
「ハッハッハッこれからよろしくなブリオ!
・・・・えっ・・・?と、友達・・・!?」
進化したG の ゴキ ブリオ が 仲間? に なった!