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神鳥使いと呼ばれた男  作者: TUN
第二章 堅華なる鉄の守り 
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95話 意外な来訪者

「う~、ちょっと長く浸かりすぎたな…」


 あの後、すぐにヒナギさんは風呂から出て行った。

 また後で入りなおすらしく、本当に俺に少し話があっただけらしい。


 人騒がせだな…。

 俺はブツが冷めるまで出られなくて、おかげでのぼせちゃいましたよ。

 もうこんなことはやめてくださいよまったく…。


 取りあえず、湯冷めしない程度に涼んで…もう寝よ。




 ◆◆◆




 そして布団へと潜り込んだ俺。


 部屋が有り余っているらしく、俺たち、シュトルム、セシル、ヒナギさんで全員部屋は別だ。それでもまだ有り余っているみたいだが…広いねぇこの家。


 今日はポポとナナはセシルさんの所で寝るらしく、俺が部屋に戻って来たところでちょうどすれ違いになった。なので今はこの部屋にはいない。

 セシルさん曰く、「良い夢が見れそう」とのこと。…それは良かったね。


 布団の中でコロンと向きを変えつつ、今後の日程について確認する。

 今日でこの地に来てからもう6日目だ。グランドルを長い間離れているのは別にいいが、ヒナギさんにこうしてお世話になるのもどうかと思う。

 ヒナギさんは気にしないでと言っていたが、流石にそうもいかんだろ…。なるべくやることは早く終わらせてここを発たなないと迷惑掛けちゃうしな。


 俺たちがグランドルに戻るとなると、あの2人も恐らく一緒に戻る…のか?

 シュトルムは多分俺とほぼ同じ目的だからいいとして…セシルさんはどうするんだろ?

 特に理由もなくついてきたみたいだけど…。


 セシルさんとのやりとりを思い出す。




『ツカサ…東の方に行くの?』

『うん、そうだよ』

『暇だからついてってもいい?』

『へ? …まぁ断る理由もないし……いいよー』

『ん、じゃあよろしく』




 だけだもんな~。

 結構マイペースな所があるし、何を考えているのかよく分からない。

 不思議な娘だよあの人は。



 あ、シュトルムとセシルさんが俺たちと一緒にここにいる理由なんだが…


 シュトルムは東の文化に興味があったため。また異世界語の更なる習得のため。

 セシルさんはさっき言った暇つぶし(旅行)のため。


 って感じだ。


 セシルさんはともかく、シュトルムを連れてくるのは正直面倒そうで嫌だったんだが、日本語が読めるって言うので、手伝ってもらおうと思って連れてくることにした。

 本人も知識が得られればそれでいいと俺の言うことを了承してたから…半信半疑だったけど本当に興味があるんだろうな…。

 今じゃ俺以上に書物を読むことに集中しており、ヒナギさんの家にしかないような書物もあるからか、すっごい目をキラキラさせて本を読んでたりしたのには流石に引いた。


 …お前にそんな目は似合わない。


 シュトルムの初日の姿を見て苦笑いする。




 そうして、俺は睡魔に身を委ねて眠りについたのだった。




 ◆◆◆




「ん……何だ…ココ…?」


 気が付くと、俺は不思議な空間に立っていた。

 辺り一面真っ白な空間。足元があるのかすら確証はなく、自分が今この場に立っているのか浮いているのかさえ分からない、そんな感覚。


 ただ、どこかで感じたような気がする…。

 どこだっけ?


「やっほー! 久しぶりじゃないか少年よ!」

「は? え……神様!?」


 ボーっとしていると俺の前に突如として目の前に光の球体が出現し、その球体から久々の人物の声が聞こえてくる。


「そうだよ~。貴方のために只今参上! 神様でーっす!! 嬉しい? 嬉しいでしょ? 嬉しいに決まってるよね?」


 最初に感じた無駄に高いテンション…。これは神様に間違いない。


 驚きはしたものの、既に一度は経験していることなので取り乱したりすることはない。

 ただ、このタイミングでなぜ神様が俺の前に姿を現したのかが分からない。まぁ俺にとっては好都合なことではあるのだが…。聞きたいことあるし。


「…どうも。…ってことは、ココはまた神様が作った空間ですか?」

「照れちゃってまぁ…。んー微妙に違うけど、大体似たようなものかなぁ。私が君の夢にお邪魔した感じとでも思ってくれればいいよー」


 これが俺の夢ね…。つまらん風景だな。

 あと神様、照れてるのではなくウザがってるのです俺は。勘違いなさらないようにお願いします。


「それで、こっちの世界にはもう慣れたかな?」

「ええ、まぁそれなりには…」

「大体2ヵ月は経ってるわけだけど、何か変わったことってあった? あったらお・し・え・て☆」

「え? こういうのって大体全部把握してるとかじゃないんですか?」


 俺は疑問を口にする。

 相場は全て知っているっていうのが俺の中ではあったんだが…。


「神様とはいってもできないことはあってね、リベルアークで起こっていることを全て把握できてはいないんだ。う~ん…例えるなら君の世界にある地球儀を見てる感じとでも言えばいいのかなぁ。まぁ大まかに把握できるくらいなんだよねー」


 …それじゃ把握なんてとても無理だろ。

 隕石の衝突とか大陸の消失とかでもない限り、何が起こったのかなんて確認できなさそうなんですがそれは…。


「だからさ! 教えておすぇーてぇ!」


 ウゼェ…。聞かれるのはいいんだがこの言い方がウゼェ。


「そうですね…まず……」




 予想もしていなかった人物? との再会。

 面倒だとは思いつつ、俺は今までの経緯の説明を始めたのだった。

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