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神鳥使いと呼ばれた男  作者: TUN
第一章 グランドルの新米冒険者
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89話 集会①(別視点)

文字数が少なめですが、通常通りの更新再会です。

「……と、こんなことがあったんですよ」


 どこかの大陸のある場所に、仮面の男は来ていた。


「で? グランドルでの収穫は0ってことか?」

「う~ん、ほぼそうなりますかねぇ。進行ルート上にあった小さな村の分はありますが、大したことないですからねぇ、ほぼ意味ないです」

「ちっ…。あの術式は結構時間掛かるってのに。余計な事してくれたもんだな、そいつ」

「ええ、まったくですよ」


 仮面の男が、銀髪の男と並んで薄暗い通路を歩く。

 こちらは仮面を着けてはおらず、素顔を普通に晒している。


「1ヵ月前の情報ではこのような人のこと、聞いてませんでしたよね?」

「確かに聞いてないな。だが、こんな奴の情報がないのは明らかにおかしいだろ。他の情報とは照らし合わせてみたのか?」

「一応したんですけど、それっぽい人物が該当しないんですよねぇ。我々の認知していない存在であった可能性が高いとみてます」

「……俺たちの情報網に引っかからない奴がいたのか? …まぁ計画の邪魔になりそうだから早めに調べておきたいとこだな。もう計画も最終段階だ…こっからは加速度的に進行していくだろうし」

「ですねぇ。…さて、どうやって彼を殺りましょうかねぇ。あれほどの強さです。それはもう極上のものでしょうし、喉から手が出るほど欲しいですねぇ」

「…まぁな。これは報告してから考えていきゃいい」

「フフ…ですねぇ。失敗はしましたが、報告が楽しみですよ」

「思わぬ収穫って言ってもいいかもな。…もう集まってんだろ」


 そして、通路の突き当りへと辿り着くと、そこには大きな扉があった。


 銀髪の男がその扉を開け、2人は中に入る。


 中に入ると、部屋の中心を取り囲むように8つの椅子が置かれており、5人が既に座っていた。

 中心にはモニターのような画面が映し出されていて、6つの大陸の全体図が映っているが、所々に赤い印があるのも確認できる。


 すると…


「遅かったな。…『白面』は分かるが、『銀』よ。お前は特に何もないはずだろう?」


 椅子に座っていたうちの1人が声を掛けてくる。


「悪ぃ、普通に集まりのこと忘れてただけだ。メンゴメンゴ」

「ちょっと~しっかりしてよね。アタシだって暇じゃないんだからさぁ…。時間は厳守してよ~」


 軽く返事を返す『銀』という人物に対し、今度は20代くらいの…女性の叱咤とは言えないくらいの言葉が飛んでくる。


「悪いな『夜叉』。まぁ許してくれや」

「この前もそんなこと言ってたわよねアンタ…。まぁいいわ」

「……ん? 『クロス』の爺さんがいねぇけど…どうしたんだ?」


 席につこうとした『銀』が、空席が1つあることに気づく。


「まだ仕事中だ。今まさにな…」

「へぇ…、忙しいねぇ。もう結構年入ってるよなあの人」

「そうだな。確か今年で60だと聞いている。…本当はお前に仕事を回したいものなんだがな」

「そりゃ無理ってもんだぜ。準備までが俺の仕事だろ?」

「分かってるさ。ただ…多忙だから言いたくなっただけだ。本心じゃない」

「はいはいっと、まぁ、あの人は年齢とか関係ねぇか…」

「ですねぇ」

「ねーねー、それよりもさ、早く報告が聞きたいな。そっちはどうなったの?」


 今度は子供っぽい口調をした青年が会話に混じる。

 …が、その瞳に明らかに光が宿ってはおらず、正常ではないことが誰にでも分かるほどだ。不気味といってもいい。


 だがそれを誰も気にするような気配は全く見られないことから、これが普通であることが伺える。


 この場にいる者は老若男女とバラバラであり、特に共通点は見受けられない。


「ええ、『クロス』さんはいないみたいですけど、取りあえず報告しますね。実は……」


 いつの間にか席についていた仮面の男…『白面』が、この場にいる者に自分が見てきた光景とその成果。…そして、司についての情報を知らせたのであった。

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