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神鳥使いと呼ばれた男  作者: TUN
第七章 悠久の想い ~忘れられた者への鎮魂歌~
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471話 『剣聖』救出作戦:最終段階⑤(別視点)

 



「僕一人じゃここまで来ることはできなかっただろう。でも、彼に塞がれていた道のりは切り開いてもらった……。だから僕はその道を突き進ませてもらう!」

「いいだろう……! その意思、全て捌き切ってみせよう!」


 アスカの刀を前にし、ロアノーツも下げていた槍を両手でアスカへと向け始める。

 互いにいつ動き出してもおかしくない。それでもどちらも先手を取れる状況で迂闊に動かないのは、お互いに警戒している証拠だった。

 心の中で、恐らく一撃で仕留められる相手ではないことを悟っていたからでもあった。


「っ!?」

「セシリィちゃん! 出口はその先にある! カリンを連れて先に行け!」


 その均衡を最初に破ったのはアスカだった。

 一気に間合いを詰めてロアノーツに斬りかかったが、その居合の一撃をロアノーツはバックステップで回避する。それを織り込み済みであるように追撃で連撃を浴びせながら、アスカはセシリィに向かって叫ぶ。


「は、はい! 『剣聖』さん、行きましょう!」

「で、ですが……」


 アスカの声に素早く反応したセシリィがカリンの手を取り、先を促す。しかしカリンはアスカの方を気にして気が進んでいないようであり、セシリィの手を引く方向とは別の方を向いていた。


「カリン!」

「っ!?」

「僕のことなら心配するな! 今は僕らに任せてカリンは早く安全な場所へ! 早くセシリィちゃんと一緒に行ってくれ!」


 まるで見えなくてもカリンの表情が分かっているのか。アスカは足取りを止めているカリンに向けてそう伝えた。


「っ……分かりました。アスカ、どうかご武運を!」


 カリンも弱っているとはいえ相当な手練れである。アスカの一挙一動から余裕があまりないことを悟ったのだろう。ここはアスカの意を汲んで素直に従うことにしたらしい。

 戦いの最中での会話は集中力を削ぎかねないことをカリンは知っているのだ。今この瞬間の僅かな会話も同様だ。

 カリンはアスカの邪魔になってしまわないように最後一声だけ掛けると、セシリィに補助されながら出口へと向かって行く。


「くっ……! 逃がさん――!」

「させると思うかい?」


 アスカの連撃を巧みな槍捌きと身のこなしで躱し、ロアノーツが出口へと向かうセシリィ達へと標的を変えるも、それをアスカは許さない。追い打ちをかけようと出口へ身体を向けるロアノーツの先手を取って進路に立ち塞がると、迎撃の構えを見せ刀の切先をロアノーツへと向けて微動だにしない。


「阻むのなら貫くまで! 『トライデント』!」


 邪魔をするなと言わんばかりにロアノーツが槍を一突きすると、同時に放たれたかのように矛先から三つの刺突が並んでアスカへと迫った。


「(避ければ彼女達を貫くぞ! さあ……どうする?)」


 アスカの背後には部屋を出ようとするセシリィ達がまだいる。だからこそ、彼女達を先に行かせようとしている動きなのであれば必ずこの攻撃は防ぎ止めるはずだとロアノーツは思ったようだ。

 そして防ぐ行動に入った瞬間こそ、そこに付け入る隙が生まれると考えての選択だった。


「『絶華・柳』!」

「むっ!?」


 ――が、思い通りとはならなかった。確かにアスカは防ぐ動作へと移ったものの、その上でロアノーツへの攻撃の手が緩まることはなく隙を見せはしなかった。

 アスカが横へと振り抜くけさ斬りは『トライデント』を全て打ち消し、そのまま衝撃波という暴風となってロアノーツに叩きつけられたのだ。

 全身をくまなく襲う衝撃に後ずさり、ロアノーツは距離を取りながら後退して体勢を整わせることを余儀なくされる。




「――掻き消されたか……。どうやら先に其方を倒さねば追うことは難しいようだ」

「そうしてもらえると助かるかな」


 砂埃が部屋に立ち込め、地下に響く風音が威力を失って消え失せる頃にはセシリィ達の姿はもうこの部屋にはなかった。いるのはアスカとロアノーツだけであり、まるで外界から隔離されたように不気味な静けさの中に佇んでいる。

 ロアノーツは今度は逆に立ち塞がって来る構図となったアスカに対し今の心情を伝えると、アスカも少し安堵したように返答するのだった。


「良い構えだ。『風の鎧よ、我が矛に纏え』」

「っ!?」


 一度静寂が解かれると、瞬く間にたった二人による喧騒の輪は再び広がる準備に入ったようだ。

 ロアノーツが自身の槍に手をかざすと、白く可視化した風が槍を中心に渦巻き、柄から切先に向かって伸び始めたのだ。その風の勢いは非常に大きく、ロアノーツの周辺にある空気が振動する程であった。


「(あれは術式? 触れたら危険そうだな)」


 アスカも目に見えて分かる脅威を感じ取り、一層集中に入った。正確にあの風がどんなものであるかは定かではないが、槍の強化であることは明白だろう。今はそれだけを念頭に入れておくことにしたらしい。


「今度はこちらから行かせてもらう! ゆくぞ!」

「(疾い!?) くっ……!?」


 一瞬、ロアノーツの姿がブレたように勘違いしてしまう程だった。見ていたはずなのに反応が遅れるロアノーツの動きは、明らかに先程までとは違うものであった。気が付けば放たれた槍の一撃がすぐそこまで迫り、瞬間移動してきた錯覚をアスカに植え付ける。


「良い反応速度だ。しかしこの連撃、どこまで防げるかな?」

「(この流れはマズい!?)」


 悟ったがもう遅かった。

 アスカが横に一歩身体の軸をズラすことで辛うじて回避したのも束の間、次は横に振られた槍がアスカを襲う。ロアノーツの槍は流れるように繰り出され、アスカの身体を何度もすれ違う。


「ぐうっ……!?」

「恐ろしいな! この状態の我が矛をも弾くか!」


 ロアノーツの連撃はただ回避するだけでは限界があった。時折刀で直接受けて軌道にズラしを入れる回避も取っていたアスカだが、その度に顔が険しくなってしまう。

 ロアノーツが槍に施した風。それにより弾く力が増しているのか、矛が触れた瞬間に手に伝わる衝撃がかなり大きいのだ。手の芯にまで響く感触はただの突きでは生まれるものではなかった。


「(刀で受ければ受ける程に体力を消耗させられるなこれは……! いなすか躱すかが一番良いんだろうけど……)」

「フッ!」


 ロアノーツの一突きが、アスカの脇に空振りする。それでもアスカの横腹は微かに何かが擦り、抉ったような感触を覚えていた。

 確認してみれば滑らかであった和服の表層の生地が傷み、糸が解れて今にも破けそうになっている。


「(余裕を持って回避してもこれか。攻撃範囲が広すぎる……!)」


 ロアノーツの卓越した槍によるいなす技術もさることながら、高速の突きと一振りは弓矢の速度を超えている。更に風を纏わせた槍は見た目以上の幅まで広げているのか、広範囲を埋め尽くして防御と攻撃の底上げまで実現しているのだ。これを厄介と思わないわけがなかった。

 見切った程度では無事では済まされない。紙一重での攻防が致命傷になり得るのだ。


「そら!」

「(しまった!?)」


 それでもその状態での紙一重で槍の突き振りを躱し続けていたアスカであったが、立て続けに行われる攻撃の流れに押され、その体勢が崩されてしまった。

 これまで上体ばかりを集中して狙って来ていた矛先が途端に向きを変え、足元をつけ狙われたのだ。この足払いに反応が遅れ、本来ならば跳んで躱していたはずの攻撃であっても、それは当たってしまう。


「隙あり!」


 ロアノーツの勢いが叫びとして飛び出す。

 幸い刃ではない部分であったため怪我こそないのは不幸中の幸いであった。しかしこれから先に待つ展開はアスカにも予想できた。

 本人が自覚したということは相手にもそれが分かるということでもある。ロアノーツがその隙を見逃すはずもない。


 足が地から離れ、宙で姿勢を崩した無防備なアスカに必殺の一撃が向けられた。


「むっ!?」

「ちぃっ!」


 槍はアスカの身体を串刺しするかと思われた。ただ、そこで素直にやられるアスカではなかった。ロアノーツの目が見開かれ、アスカの持つ刀とは別のそれに目を奪われる。


 アスカは空中で体勢を整えることはできないと分かるや否や、この一撃はこのまま迎撃する姿勢を見せた。ここまではまだやってのけてもおかしくない対応だろう。

 しかし、ロアノーツがここで驚いたのは、槍の一撃を刀ではなく腰の鞘を引っ張り出して受けたことにあった。

 鞘は槍の一撃によって砕けてしまったものの、槍の一撃を逸らす程度の効果はあったのだろう。僅かにアスカの身体を風が抉って血を流させたが到底致命傷には至らず、その間にアスカは足を地に付けて体勢を整えることに成功した。

 ――既に、刀の切先をロアノーツに向けて。


「(追撃してこないのか? ならこのまま反撃に転じるまで!)」

「(大したものだな……! あの状況でそう動くのか!)」


 ロアノーツにはこの状況であっても防御だけに徹せず、アスカが次を見据えた動きをしてきたことが驚きだった。こんな真似に出る者は間違いなくセルベルティアにいるわけがなく、そして今の必殺の一撃を防げる者もまたいない。


「(迷いのない直進……思い切りも良い。これ程才溢れる年若い者を見たのはいつ以来だろうか?)」


 防戦一方と思いきや、この刹那の攻防に勝機を見出そうとする姿勢は逆にロアノーツに隙を生み、攻撃の手を緩めるきっかけを与えていたことに、ロアノーツは驚きのあまり気が付くのが遅れていた。

 今度はアスカがその隙を見逃すはずもない。鞘を使ったのは追撃に備えるためであったが、それがないのならば好都合だった。離してしまった距離を詰めるため、無防備なロアノーツに向かって勢いよく駆けだし攻めに転じるのだった。


「っ……『嵐天壁』!」


 一方でアスカの動きを見たロアノーツは我に返るとすぐ、アスカの接近を少しでも防ぐ手段を取ったようだ。

 槍を大きく横に大振りすると壁のように並んだ竜巻が列を為して壁を作り、アスカの行方を阻んだのだ。


「(恐らくこれでは彼は止まらん。この程度の防御の布陣は無理矢理突破してくるだろう)」


 砂埃も竜巻と合わさり、向かい側のアスカの景色は霞んであまり見えない。ロアノーツはそれを確認すると、足腰に力を入れて大きく前後に足を開いた。

 見た目こそ派手だが竜巻には所々切れ目があり、脆く崩せる隙が見え隠れしている。大した防御力を誇るものではないことはすぐに気が付かれてしまうと理解していたが、ロアノーツの狙いは防御を敷くためのものではなかったのだ。


「『絶華・柳』!」

「(来たか!) っ……!」


 予想通り、アスカは竜巻の壁などお構いなしに散らしに掛かってきた。再び繰り出された強力な衝撃波は竜巻をいとも容易く打ち破り、そのまま勢いを緩めることなくロアノーツに向かっていく。

 衝撃波が身体の表層から血を掠めとるように皮膚を削っていくも、ロアノーツは集中力を欠かずに前を向き続ける。


「っ!?」

「惜しかったな。勢いは悪くはなかったぞ」


 竜巻が消え去ったその瞬間、アスカが最後の駆け出しで一歩を大きく踏み出した。――その時を、ロアノーツは待っていた。


 始めから衝撃波による攻撃は甘んじて受け、飛び込んできた瞬間を狙うことを決めていたのだ。

 わざと突破できる程度の防御を敷いたのも、砂埃で視界を悪くして姿を霞ませたのも、全ては自分の挙動を認識させづらくさせるためのものにすぎない。

 砂埃を突っ切ってきたアスカの目が驚きを訴えているのを確認したロアノーツは、その行動力を称賛した。そして既に構えていた槍を無慈悲にもアスカに向けて突き出すのだった。


 繰り出すのは、とにかく重い一撃だ。今度は簡単に掻き消せない程の。


「『グングニル』!」


 脇を締め、一瞬力を溜めてから放たれるロアノーツの渾身の一突き。銃弾のように真っすぐ伸びた突きは、淡い鮮やかな緑の蛍光を纏って槍から伸びていく。

 しなやかでありながら隙間のない密度の色合いが絡み合い、薄い一本の線でありながら強靭な印象で埋め尽くす。


 この一刺しこそが決定打となる――はずだった。


「『水鏡』!」

「っ!? なん、だと……!?」


 槍の突きが水平に直進して伸び、アスカの正中線を貫こうとしていたはずだった。それはロアノーツも確認していた。――アスカの刀が、その一撃に触れるまでは。


「そこだ! 『絶華・水木』!」

「ぐおっ……!?」


 アスカはその突きの一撃を『水鏡』によって跳ね返すと、その一撃と共にロアノーツに飛びかかった。

 有り得ない光景を前に意識の切り替えが間に合わず、対処しようと僅かに動くもアスカの一挙一動がその動作を踏みとどまらせる。『絶華・水木』とは相手の動きを抑制させた上での一撃であるため当然であった。

 ロアノーツは戸惑いのままに、跳ね返ってきた『グングニル』を躱すのが精々だった。アスカの斬撃を回避するのは間に合わず、風の槍を盾にして致命傷は避けるしかなかった。


「(何が起こった……!? この者……やはり只者ではない、か……! まさかこれ程の技量とは……!)」


 ロアノーツの脇腹を鎧越しに流れ出す血が床に落ちていく。

 決してアスカを侮ったわけでも、油断していたわけでもない。それでいて読み切れなかったロアノーツは、アスカを見る目を変えた。

 達人の域に達してしまうと、力量差から一瞬の油断もできない相手と会いまみえる機会はあまり得られない。あの死と隣り合わせの背筋が凍る緊張感の中を耐え、戦場を駆け巡った時。その時に近しい感覚をロアノーツは久しぶりに思い出していた。


「完全に不意を突いたと思ったんだけどな。分かってはいたけどこんなにも決定打を与えられないとはね」

「くっ……よく言う。……まさかここまでの強者とは思いもしなかったぞ。確か『絶華流』だったか?」

「知ってるのかい? よくご存じで」

「これでも様々な流派の存在は調べたつもりだ。――が、文献では殆ど理解できないものもあった。特に、東の民の流派というやつはな」


 ロアノーツの表情が引き攣り、痛みを堪えている様子が見て取れる。アスカも致命傷こそないものの、先程からの激しい動きとロアノーツの連撃が響いているのだろう。少し肩で息をし始めているようだった。

 それ故に、お互いに小休憩を求めるタイミングも一致したらしい。二人の攻防が一度止んだ。

 この会話が勝敗を分けることになるわけでもないのであればこの時間の経過はお互いに等しい時間だ。アスカとしても時間を稼げる理由にもなるので合間としては都合が良かった。


「若くしてその技量、積み重ねた研鑽の時間が果てしなさそうだが……。さぞ名のある東の剣士だとお見受けして良いか?」


 ロアノーツがアスカへと問う。

 単純な疑問だったのだ。『剣聖』であるカリンと同等かそれ以上の力を、ロアノーツはアスカから感じ取ってしまっていたためだ。


「……そろそろ、続きといこうか?」

「っ!?」


 その質問に対し、アスカはすぐには答えなかった。戦いの続きをするためロアノーツの準備をまずは促し、状況を整える。


「そんな大それたものではないけれどね。一介の剣士……それもまだまだ道半ばの半端者さ。貴方の人生程積んできた時間には遠く及ばない。でも――」


 ロアノーツの準備が整ったのを見届けると、先の話の続きをアスカは話した。だが特に答えになっているわけでもなく、ロアノーツの期待するような返答ではなかった。


「っ……!」

「この技量が届かないとは思わないよ……!」


 ――が、すぐさま見せたその技術はアスカをただの剣士から更に遠ざけるのだった。


 刀を無造作に縦に振ったアスカの斬撃が、ロアノーツの脇をすり抜けて飛んでいく。

 当然、今のは当てようと思えば当てられたはずのものである。しかし、不意打ちをするような真似はせず、アスカは手の内を晒す真似に踏み切った。

 これは純粋にアスカの誠意の表れである。本気で対峙すると決めた相手と対等に戦いたいと、アスカの中の魂がそう突き動かした結果だ。


「フッ、今度は飛ぶ斬撃か! スキルもなしにやってのけるとは驚きの限りだ。一体どんな原理か気になるものだな!」


 ロアノーツの槍は【槍術】を基に繰り出され、技術力もまたその影響で発揮されている。一概にスキルと一括りされる力の正体は経験を糧に培われ、世界中の人々はその恩恵を受けることが可能となっている。


 そう思っていたロアノーツであるが、アスカの技術を見ての感想はというと……その類のものではないということであった。これは先程の『水鏡』が決定的であった。


「気になるなら確かめればいい。貴方相手に自分の力を出し惜しみできる程、僕はそこまで自惚れちゃいない」

「(っ……生粋の武人だな彼は。やはり、これはそういうことなのであろうな……)」


 技術の疑問は残るが、それは確かにアスカの言うとおりこれから確かめればいい。出し惜しみしないというからにはまだまだ見させてくれるに違いないと、ロアノーツは思った。

 しかしそれとは別にロアノーツは内心とあることを確信していた。自分がこの場にいるということも合わせての、確かな確信を今得た瞬間だったのだ。

 これである意味、ロアノーツの中にあった迷いは消えた。それは武人同士の戦いの中ではただ邪魔なもの。純粋な力のぶつかり合いにおいて無駄となりえる、僅かに残されていた気がかりだ。


 それがなくなったことはすなわち、この戦いが更に激しさを増すことを示していた。

 ロアノーツもまた武人なのだ。アスカと同じく魂が打ち震える感覚は共通している。




「これが噂に聞いていた東の民の流派……剣術というやつか。そして貴殿は卓越した技術を誇る者で間違いない。噂に聞く絶華の妙技、その神髄を是非見させてもらおうか!」

「ああ、そうさせてもらう! 僕もセルベルティアが誇る最強の武人である貴方の力のその全て! 真正面から打ち破らせてもらおう!」


 ロアノーツの槍には更に風が、そしてアスカからは奇妙な雰囲気が溢れ出る。お互いまだ全力ではなく、隠していた力がようやく解放されようかとしていた。

 二つの力が練り上げられ、今まさに本気でぶつかり合おうとしている。


「行くぞ! 我が槍術の不可侵の領域、越えられるものなら越えてみせよ!」

「上等! 絶華の一刀……遠慮なく振るわせてもらう!」


 両者の気力が、そこで限界まで高まった。


「「参る――!」」


※1/13追記

次回更新は本日です。

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