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神鳥使いと呼ばれた男  作者: TUN
第一章 グランドルの新米冒険者
32/531

30話 本当の絆

 ◆◆◆




『安心の園』へと戻り、部屋で俺たちはそれぞれ楽な体勢をとる。

 色んなことの連続で精神的に疲れたし、軽い怪我とはいえ久々の痛みにストレスも溜まった。

 俺はベッドに倒れ込む。


 うっひょ~、気持ちええ~。




「ご主人。疲れているところ悪いんですけど、先ほどの話の続きをしたいのですが…」

「んー? ああ、しとかないとなー」


 極楽気分を味わっていた俺だが、ポポの言葉を聞いて思い出す。


 しゃーない。


「…よいしょっと、んじゃあ話を始めますかね」


 俺はうつ伏せの状態から、ベッドに腰掛ける形で座る。


「えっと、じゃあ俺がいなくなっていたらしいこの5日の出来事を話すわ」

「らしいって何ですか、らしいって…」

「それについては追々説明するよ。まぁ、俺が武器屋を出てから何をしてたのかなんだが…」


 最初は大雑把な説明でいいか。


「武器屋出てー、宿屋の前で呆然としててー、草原に出てー、一戦バトってー、町に戻ってー、…ポポのジャイロボール食らう、ナウ。ざっくり言うとこんな感じだ」


 まぁ、こんなもんだろ。

 ついさっきの出来事だし、間違いない。


「ざっくりしすぎです!! 真面目に教えてください!! というよりジャイロボールって何ですか!!」

「ん? お前が俺に突撃してきたときの様子のことだ。言い得て妙だと思うんだが…」

「っ…。確かにあれは気分が高まってしまったこともあって度が過ぎました。それについては申し訳ありません。ですがジャイロボールはやめてください、恥ずかしいですその言い方」

「中々いいと思うんだがな…。まぁいいや」


 別に恥ずかしくはないと思うんだけどな…。


 え? 私ですか? ん~そうですねぇ。

 言われたくはないですね…。だってダサいもん。


「それで、ざっくりしすぎですよ。ご主人」

「まぁまぁ、とりあえず一気に説明してもあれだからこういう言い方しただけだって…。ちゃんと詳しく説明するからそんなにプリプリしなさんなって、…プリンになっちゃうぞ?」

「なりませんっ!! 頼みますよ…ホント」


 そして俺は、俺が体験したことのあらましをポポとナナに説明したのだった。




 ◆◆◆




 説明すること30分。

 大体の内容は話すことができた。


「へ~大変だったんだね~。これは仕方ないかな~」

「むむむ…。そんなことが…。にわかには信じがたいことですが」


 二匹の反応はこんな感じだ。


 まぁ無理もないだろう。

 現実味があまりないしな。


「だよな。でもまぁ事実なんだよ。夢であっては欲しいんだけどこの頬の傷がそれを物語ってる」

「…ご主人に傷をつけられるほどの人物ですか…。一体何者なんでしょうね?」


 ポポが言う。


 まだ…奴については話していない。

 言わなかったのは、説明途中だと話が中断しそうな気がしたためだ。

 絶対に…「なんですってっ!?」…みたいな感じになるだろうし。

 …あれをやられると、どこまで話が進んだか忘れちゃうんだよね。


 とりあえず、奴についてはここらで発表と行きますか。


「ポポ。そいつのことなんだがな、多分そいつは…俺だ」

「? どういう意味です?」

「ん~?」


 ポポとナナは俺の言ったことが理解できていないようだ。

 話からしても、俺が変なことを言ってるっていうのは分かる。

 なので俺は話を続ける。


「恐らく、未来から来た俺自身。それがその黒ローブの正体だ。言質は取れていないから絶対にとはいえないけど、まぁほぼ確実だ」

「えっ、ちょっと待ってください! 黒ローブの人物が未来から来たご主人? 一体何を言ってるんです!?」

「落ち着けって…。ほら、深呼吸しろ、深呼吸」


 ポポがまた騒ぎはじめそうだったので、俺はそれを深呼吸をさせることで止める。


 今日のポポはこんなんばっかだな。

 俺が原因だが…。


「…ふぅ。もう平気です」

「落ち着いたか? ポポはもう少し落ち着くことを覚えたほうがいいぞ? 言動とは裏腹になんか子供っぽく見える」

「あのですねぇ…誰が原因ですか! 誰が!」

「俺だな」

「自覚があってこの発言ですか!? 勘弁してくださいよもう…」

「まぁまぁ。でも、ナナを見習えよ。ちっとも微動だにしてないじゃん?」


 俺はポポにそう言ってナナの方を見る。



 ………。



 ナナはというと、サラリーマン親父の休日のスタイルで寝そべり、翼でケツをポリポリと掻いていた。


 …。


「ん~、痒いな~」


 …オイ。お前女の子だろ? 流石にそれはないだろ…。はしたない。

 あれはあれで問題ありだな。なんていうか…中学時代の姉ちゃんを思い出す。

 あの時もこんな風に思ってたっけ。


 とりあえずコイツはちと教養を学ぶ必要がありそうだ。


「私にはお構いなく~。どうぞ~」


 …ずぶとい奴だな。

 まぁいい、話を続けよう。


「…話を続けるぞ。それで、黒ローブの正体が俺だっていうことなんだが、アイツの声と言動がどうも引っかかってな…」

「声と…言動ですか」

「ああ。あの声は、間違いなく俺の声と一緒だった。気づくまでに結構時間がかかったが…。それに言動もどうやら俺の思考が分かっているかのようだったし、まず間違いないとは思う」

「ふ~ん。でも、ならどうして最初の一声で気づかなかったの? 自分の声でしょ?」

「それなんだがな、自分の声って自分が認識している声と実際の声が違うって言うだろ? それですぐには気づかなかったんだよ。気にはなっていたんだけどさ」


 そうなんだよね。

 高校の時その話を聞いて実際にためしたことがあったのだが、あれには驚いたな。だって随分と違うんだもん。

 もし目隠しして自分と会話したらまず気づけないと思う。


「へ~、そうなの? じゃあ私の声も実際は違うのかな?」

「俺たちが聞いている声はナナ本来の声だからなんとも言えないが、ナナからしたら結構違うかもしれないぞ?」

「んー、どんな感じなの?」

「普通に高くてキレイな声だと思うぞ。だよな? ポポ」


 ナナに聞かれたのでポポにも話を振る。


「ええ、ナナの声は透き通るような声でいいですよね。声優みたいな感じでいいんじゃないですか?」

「だってさ」

「そうなんだ~。今度確認してみようかな~」


 やっぱり自分の声がどんな声なのかって気になるよな。

 でもこの世界録音機とかあるのだろうか? 探せばあるかもしれないか…。

 もしくは魔法でそれに近いのがないかな…?


「ああ、今度ためしてみろよ。…それで話を戻すが、そこで黒ローブは俺なんだと気づいたわけだ」

「う~ん。ご主人を疑うわけではないですが、それだと少し信憑性に欠けません? もしかしたら声はたまたま似ていただけかもしれません。言動についても、例えば心を読めるような能力があったのなら問題ないですし…」


 ポポが翼を組みながら言う。


 …器用だな。


 まぁ俺もそんな可能性があるのではと疑っていたよ。

 でも、アイツのある動作でそれはほぼ確信に変わったんだ。


「いや、確かにその可能性もあるのではと俺も思ったさ。でもアイツと戦っている最中、…まぁ手も足も出なかったけどその時にさ、アイツが俺だと分かる構えをとったんだよ」

「構え? どんなです?」

「ああ、それはな。俺が好きなアニメのキャラの構えだったんだよ。…こう、両手を前に出して手を重ねる感じなんだけど…」


 俺は実際にやってみせる。


 ちなみにこの構えのキャラが出たアニメは、戦闘シーンが神作画と呼ばれるくらいにすごいアニメだった。

 俺も戦闘シーンを何度も見直したりして、あんな動きが実際にできたらなぁとか思ってた。

 それくらい素晴らしいアニメだったんですよあれは。


 …今度実際にやってみようかな。


「…厨二全開の構えですねそれ。実際だったらあんまり実用的には見えないです」

「まぁな。だからこそ信じられるんだよ。あんなに強い奴がそんな構えを取るとは思えなかったし…。それにアイツは自分のことは誓約があるとかで口に出そうとしなかったから、もしかしたらこの構えで自分の正体を俺に伝えようとしていたのかもしれないな」

「なるほど。分かりました」

「どんな誓約なんだろうね?」

「映画とかでよくある顔を知られてはいけない…とか、自分の正体を明かしてはいけない…とかじゃないのか? もしそうなったら存在が消滅する的な感じの…」

「実際どうなんでしょうか? 確かにそれは守ってますが、ご主人気づいちゃってますし」

「ね~」

「そうなんだよな~。確実にバレるようなことをしなきゃいいのかもしれないのかも。いや、分かんないけどさ…」

「でもそれだとその構えの時点でダメなのでは?」

「あ…そうか。う~む、分かんねぇなぁ~」


 現時点ではなんとも言えないが、NG要素には今回触れなかったってことなのかな?

 とりあえずそういうことにしておこうか。

 じゃないとずっと考察が続きそうだし。




 にしても、眠くなってきたな。


 気づけばもう夜だ。

 窓の外は既に真っ暗になっている。


「ご主人。お疲れのようでしたら休んでいただいて構いませんよ」


 ポポが俺が目を擦っているのを見て察したのか、声を掛けてくる。

 そうしたいけど、まだ一番話したいことを話していないのでそれが終わってからにする。


「いや、大体話したんだけどさ、まだ一番言いたいことを言ってないからそれが終わってからにするよ」

「まだ何かあるの~?」


 ナナがあくびをしながら言ってくる。

 こちらも俺と同様に眠たそうだ。


 …というよりその姿勢やめなさいって。


 ナナはまだ先ほどと同じような姿勢のままでいる。


 マジでこの5日で何があった…。

 今日はもういいけど、今度詳しく聞いてみないとな…。


「はぁ…。さっき俺が黒ローブと別れる直前に、頭痛がしたっていうのは覚えてるか?」

「ええ」

「うん」

「その時にな、さっきは言わなかったけど…頭の中に知らない映像が流れてきたんだよ」

「知らない映像…ですか。どんな映像だったんです?」

「映像っていうより記憶って感じが合ってるかもしれんけどな…。まぁそれが、見知らぬ場所で誰かも分からない人と笑いあっていたり、なんかコントみたいなことやっていたりって感じだった。思い出の記憶…なのかもしれない」


 今もあの時流れてきた記憶? が少し頭の中に残っているが、非常に楽しそうに感じられる。

 皆人生を謳歌していて、不幸なことは何一つないって感じの。


 でも…


「だが、最後の方で見た記憶は怒りや悲しみに囚われているかのような…そんな感じの記憶だったんだ。女の子が泣きながらお礼を言ってきて、その後には誰かの叫び…いや、慟哭って言い方が好ましいかもな。そんな声が響いてた。そしてこの声は…俺の声、だったと思う」

「…記憶はそこで終わったのですか?」

「ああ。それだけだ」


 俺が見た記憶はここまでだ。


「そんで少し考えたんだが、これは奴の…未来の俺の記憶なんじゃないかなって、思い始めたんだ」

「…理由をお聞きしても?」

「まず、多分なんだが…奴もどうやら俺と同じ状態だったのか激しい頭痛に襲われていたんだよ。恐らく俺と同じで誰かの記憶をみていたんだと思う」

「「…」」

「そして俺の頭痛が終わると同時に、奴も頭痛が終わったのかポツリと言ったんだよな」

「それは…?」

「『懐かしいな』…。確かにこう言ってた」


 これは間違いなく聞いた覚えがある。

 そしてこの発言の意味は大きい。


「『懐かしい』。これは多分、俺の記憶が奴に流れたんじゃないかと思ってる。奴が本当に未来から来ている俺だとしたら、今の俺の…奴にとっての昔の記憶は懐かしく感じても不思議じゃないもののはずだ」

「なるほど…。未来のご主人の発言と照らし合わせて、辻褄が合うには合いますね」

「ああ。それに奴は互いの存在が混じり始めた、みたいなことも言っていた。これはよく分からないが、記憶の混合を意味しているんじゃないかと思う。そしてこれが本当なら俺に流れてきた記憶は奴の記憶…。未来の俺の記憶だと仮定できるんだよ」


 …。


「だから、奴が言っていた人を殺す覚悟を身につけろっていうのは…多分あながち間違っていないことなんだと思う。…来たるべき日に向けて…。きっとこれは、俺の未来に起こる悲劇を回避するために必要なことなんじゃないか? って思ったんだ」

「でも奴が本当に未来のご主人と確定した証拠は何一つないんですよね? それでも信じるんですか? ご主人は…人を殺せるんですか?」

「いや、無理だろ」

「………は?」

「いや、無理に決まってるじゃん。でもアイツの言葉は信じてる」


 確かに奴の言葉は自分自身なので信じるけど、人を殺せとかそんなん無茶な注文だ。

 思っただけ。


 人を…殺せるわけないじゃん。


「でも、そうなると悲劇が起こることになっちゃうよ~?」

「ああ、そうなんだろうな」

「後悔することになるんですよね?」

「らしいな」


 ポポとナナの言葉に俺は即答していく。


「お前らさ…、一旦人を殺すってことから離れろよ。確かに奴は人を殺せないと悲劇が起こるっていう言い方してたけどさ、一番伝えたかったのってきっとそれじゃないだろ?」

「「え?」」

「奴は俺自身なんだぞ? 俺が人を殺せないってことくらい嫌っていうくらい分かってるはずだ。自分自身なんだから」

「…確かに、そうですね」

「ああ。ここで一番重要なのは、未来の俺に悲劇が起こるということだ。人を殺す覚悟なんかじゃない。…奴は遠まわしにだがそれを伝えにきたんじゃないか? 『考えて考え抜け』っていうのはそういうことだと俺は思う」


 これが俺が奴から感じとったことだ。

 未来の俺が過去の俺にそんなことを伝えるとは、どうしても思えなかったのだ。


「わざわざ遠まわしに言っているのは誓約か何かが原因な気がするんだよな。…とまぁ、何が起こるのかを知っているのと知らないとでは結果は全然違ってくる。未来の俺は人を殺す覚悟を知らず、悲劇が起こることも知らなかったからそんな結果になってしまったが、今の俺はこれから悲劇が起こることを知ってる。これは大きなアドバンテージだ」

「「…」」

「悲劇が起こるとわかっていれば、それに備えることはできるはずだ。人を殺すような結果にならなくて済むかもしれない。幸いにも、少しだが今の俺には未来の記憶があるからな…。悲劇が起こる場面が近づけば分かるし警戒も出来る」


 悲劇というのは、恐らくだがあの慟哭のような叫びの時のことだろうな…。

 もしくはその前の記憶辺りか…。


 自分でいうのもあれだが、奴に負けたとはいえこれほどの力を持っている俺がそんな場面に陥るということは、きっと弱味か何かを握られていたとみていいだろう。

 俺は搦め手に非常に弱いし、そして警戒心も低い。…アホの子だからな。


 今後は行動、そして人との関わりなどで慎重に動いた方が得策か…?

 とりあえず警戒するに越したことはない。


「そして、これはお前らも同様だ。この話を聞いて、これから先思う所があったら何でも言って欲しい。奴の思いを無駄にしないためにも、お前らの協力が必要だ」


 俺は、ポポとナナにお願いする。

 口には出していないが、助けてくれと言う気持ちを心に込めて。


「「………」」

「…あの~、何か喋ってくんないかな?」


 あ、あれ? 協力してくれない感じ?

 俺とコイツらの絆はそんなもんだったのか?


 少々不安になる。

 が…


「あ、ゴメンゴメン。いや~、ご主人が真剣に色々と考えているな~とか思ってたらついね~」

「ええ、言葉が出ませんでした」

「あ? それはどういう意味だ?」


 どうやら俺があれこれ考えていたことにコイツらは驚いていたっぽい。

 …俺だって俺なりに色々考えるわ! バカにしてんのか?


「いえ、ご主人ってたまにそんな風に真剣に物を考えるので、普段とのギャップに驚くんですよね」

「うんうん。いつもはバカっぽいのほほんとした雰囲気だもんね~」

「どちらかというと平和ボケした感じですかね?」

「あ~そうかも~」

「ほう…。お前らが普段俺をどんなふうに見てるのかよ~く分かったよ」


 完全に舐められてるだろコレ。

 絆なんてもうどうでもええわい!




「…でも」




 ん? なんか流れが変わった。


「頼ってくれたのは嬉しかったよ。ご主人いつも1人で抱え込んじゃうから」

「ええ、まったくです」

「…」

「気づいてないと思ってたんですか?」


 2匹がそう言ってくる。




 …やっぱり分かってたか。まぁ俺にもそんな意識はあったけどさ。


 俺は、誰かに頼ったりするのがとても苦手だ。

 自分が頼られる分にはその期待に応えようとは思うが、逆の場合はなんだかとても申し訳なく感じてしまうため、極力誰かを頼るということを今までしてこなかった。

 それはコイツらに対しても同様だ。

 頼ってくる側も俺と同じ思いのはずなのに…。



 ただの我儘だということは分かっている。

 ただ分かってはいてもその考えとは裏腹に、俺の行動はそれらを無視する。

 どうしようもないのだ、こればっかりは。きっと性分なんだろう。



 でも今回のことについては、少々話が重すぎた。

 俺1人じゃどうしても厳しいし、苦しいと思ってしまったのだ。それでポポとナナにお願いをした。

 これは結構苦渋の決断だった。


 それに…あんまりコイツらを巻き込みたくなかったからな…。




「もっと私たちを頼ってよ。私たちはさ、確かに頼りないかもしれないけど…」




 そんなことはない。頼れる仲間だよお前らは…。




「ご主人の従魔であり、仲間であり、友達であり…」




 俺も…そう思ってる。





「そして」










「「家族ですから」」










 当然だ…!









 はは、俺はホントバカだよな。そして情けない。

 もう…吹っ切れた。


 俺の考えは、今コイツらが言ったことで変わる。

 俺は今までただのガキだっただけだ。でも、それももう終わり。すぐにとはいかないだろうが、本当の意味で大人へと変わっていこうと決心する。

 俺は…何にも分かっちゃいなかった。

 さっき絆がどうとか言ってたのが恥ずかしいや。


 ありがとう。ポポ、ナナ。


「ああ、これからはもっと頼らせてもらうよ。改めてよろしくな」

「ええっ!」

「うん!」


 俺たちの絆が、確かになった瞬間だった。




 色々あった一日だがこうして今日も過ぎて行く。

 その日は異世界に来てから、一番よく眠れたのだった。

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