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神鳥使いと呼ばれた男  作者: TUN
第六章 来たるべき刻 ~避けられぬ運命~
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292話 裏の歴史①(別視点)

 □□□




 まず最初に断りを入れさせていただきますが、私が真実として語ることのできる『断罪』は収束する10年前後です。それ以前については祖父や両親に聞いた内容しか話すことはできないことをご了承ください――




 まだ世界には7つの種族が共に生きていた時代。今の常識などあまり知れ渡ってはおらず、例えば……想像しにくいかもしれませんが魔法がまだよく解明されていない時代、それが1000年前のこの世界でした。


 この世界には6つの大陸があります。その6つの大陸には種族が分かれて住んでいる……それは今も昔も変わっていません。そこで我々天使が一体どこに住んでいたのかと申しますと、我々は全大陸に散らばり点在していました。各大陸の様々な場所に小さな集落を作って。

 当時は現在のように貿易は盛んではありませんでしたから、このボルカヌのように他種族が集まるなどということも殆どありません。天使は他種族と共に同じ大陸で暮らしていたのですよ。これは何故なのか……それは1000年よりも遥かに遡らないと分からないことですね、流石に。

 まぁ天使と他種族が共存が上手く出来ていたかは不明ですが、我々天使は決まった大陸を持たずに暮らしていたのです。生まれた大陸が自分の大陸であるとでも言えば良いのでしょうか。


 ……大きな争いもなく、そのままずっと続けば良い世界。そんな日々を世界中の誰もが送っていたのだと思います。







 ――ですが知っての通り平和は続きません。そこから100年に渡る天使と全種族の戦争……通称『断罪』が始まるからです。


 本当に何の前触れもなく、『断罪』はいつ結成したのかも分からぬ天使を除いた全種族の連合軍によって提唱され、すぐに実行されました。我々を滅ぼすために……。

 この『断罪』という名称が付けられたのは、我々天使が人にあるまじき力を持つ者達であり、他種族達はその仕打ちを受け続けていた罰を与える……ということから付けられています。


 どうやら我々が強大な力を持ちすぎていたということが理由だったそうです。天使は元々平均して他種族よりも数倍は優れた基本能力(ステータス)を備えていたこともありますから。全く自慢になどならないのですが、単純にどの種族よりも遥かに強かったのです。

 しかし、滅ぼされることとなった一番の理由は強いからという点ではなく、天使が他者を操る力を持っているから……そんな理由を何故か持たれてしまっていたことが始まりのようでした。


 確かに我々は心を見抜く力を持っています。その人の善悪の度合いも色として見ることができる。それは……言うまでもありませんね? 他者の心を覗くことで相手の考えを先読みできてしまう関係上、それをもしかしたら会話を誘導している、操っているという認識として捉えたのかもしれません。表の歴史では天使の力を恐れたとだけ記されていることが大半ですが、恐れていたという部分の意味としてはこれが当たるのでしょう。――ただ、断じて我々は他者を操るなどという力を持っていたことはありません。それこそ魔眼の一つである『操眼』もなしに出来ることではない。ありもしない事実、言いがかりです。


 我々は言われのない罪を着せられ、ただの決めつけだけで滅ぼされることになったのですよ。


 ……我々が他者を操れるなどという嘘の話がどこから生まれ、どういう経緯で一斉に世界に知れ渡ったのかは一切不明です。繰り返しますが、本当に唐突だったそうです。

 でもそんな力を持っている者達が世界各地に点在していることは恐ろしかったのでしょうね……もし本当にそんな力を持ってたら怖いったらありませんから。




 そこからは、種の滅亡への始まりだったそうです。いくら我々が他種族よりも強い力を生まれながらに授かっているとしても、各地に散り散りとなった少数に対して大多数の物量がぶつけられればひとたまりもありません。戦争では物量の差がモノを言う……それを痛感していたことでしょう。


 天使であれば老若男女問わず。虐殺、強姦、奴隷、生贄……『断罪』の網に捕まった天使の末路は挙げればキリがありません。ちなみにですが、私の両親は私が15の時、私の目の前で人族に嬲り殺しにされましたよ……今も時々その悪夢を見ます。




 ……容赦のない連合軍により次々に天使は各地で数を減らし、種の力を衰退させていくことになります。しかし、我々も一方的に攻め入られるだけではなく反撃に出ようという考えを持ってはいました。世界に散り散りになっていた天使は人目を忍び、少しずつですが結集して力を強めようと動いていました。


 この言われのない罪を払拭するために、自分達の受けている仕打ちの方が不当であると訴えるために……。


 ですがそれが出来ぬ事情が天使にはあったのです。連合軍の者達に、とある共通点を見つけてしまったからです。


 皆様は仮に戦争が起こったとした場合、それに加担する者達はどのような心境でいると思いますか? 

 人は誰一人として全く同じということはあり得ません。戦いが好きだと言う方もいれば戦いが嫌いだという方もいる。戦争は目的があるからこそ起こるものですが、必ずしも全員が全員戦争を望むなんてことはあり得ないことです。……人の心を持つのなら。


 でも、天使から見た他種族の心には罪の意識も、また我々に対する悪意さえ見られなかったのですよ。……我々は善悪の度合いを測れてしまう力に頼っている部分がありましたから……それ故に理解ができなかった。悪意のない虐殺が蔓延ってしまっている事態に。


 それまで親しくしていた者までもが平然と当たり前のように牙を剥くのが、我々にとってどれだけの恐怖であったかが分かりますか? 中には親子同然のように過ごした間柄の者もいたでしょう。それが突然、我々を殺しにかかってくるのですよ。

 ハッキリと申し上げますが、我々天使からすればあの時は他種族の方達の方がおかしくなっていたのだと思います。それくらい異常な状況です。


 まるで天使を除いた者達に、理解及ばぬナニかが乗り移っているのではないか? そのようであったとお聞きしています。


 ですから我々は自衛のための抵抗こそしたものの反撃には殆ど出なかった、いや出れなかったそうです。世界全体の異常性を分かっていたので。連合軍の悪意無き不当な猛攻に耐えながら、この謎を解明し、皆をその理解不能な呪縛から救うべく奔走しました。


 種が滅ぶまでの間ずっと。







 ……と、ここまでが天使側から見た『断罪』の概要というところでしょうか? 簡単に言うとですけど。後は私が実際に見た話をお伝えします。




 話は飛びますが、『断罪』が始まってから90年後……。天使の数は劇的に減り、連合軍側にとっては既に勝ち戦にしか映っていなかったのでしょう。全体の気の緩みに比例するように戦争自体が緩やかになっていた時期です。――その時期が私の実際に見てきた頃になります。ある意味、戦争の悲惨さをそこまで経験しなかった世代とも言えます。




 祖父や祖母の語る、本当は広い世界の話。各地を転々とする仮の集落に閉じ込められて生活することを余儀なくされていた私達は、狭い世界しか知り得ません。毎回話を聞いて心を躍らせていたものです。

 いつか何の気兼ねもなく自由に大陸を歩き周って世界を知りたい……子どもながらに淡い希望で戦争が終わらないかなと心待ちにし、でもどこか達観して諦めていた若き頃。


 ――そこに奴は現れました。異世界人エイジ・モリサキが。


 異世界から人が来た事例は奴が初です。ここで神が実在するということ、この世界の他にも数え切れぬ世界が無数に存在しているということが発覚した瞬間でした。

 奴曰く、自分がこの世界に来た目的と役目は、残り少ない脅威である我々天使を、神から殲滅せよと仰せつかったとのことでした。


 ……神までもが我々の滅びを望んでいる。これ以上ない程に我々の精神を抉った事実でしたよ。


 奴がこの世界に来たことで、多少は落ち着いて休戦状態に見えた『断罪』は再び本格始動し、『断罪』終結までの間はかつてない苛烈さを極める情勢となりました。

 エイジ・モリサキを筆頭に、全世界が天使を根絶させるべく一斉に牙を向けることとなったのです。


 我々も長年の間に密かに力を蓄えてはいました。しかし、いくら最強の種族と謳われようと、圧倒的物量には勝てる術はありません。またエイジ・モリサキの持つ力は非常に強大で天使を軽く上回り、太刀打ちできる者など誰一人としていませんでした。

 逃げる場所は次第になくなっていき、我々への包囲網が確実に出来上がっていきました。次第に心身共に疲弊し数少ない同胞が次々と倒れ、最早滅ぶのも時間の問題となりました。


 毎日毎日、滅ぶまでの日を数える日々。あれが本当の絶望なのだと思い知りましたよ。


 元々種の数が少ない我々でしたが、おおよそその数が1割にも満たなくなって暫くした辺りでしょうか?  残るは私達の集落の者達のみではないかと連合軍に囁かれる中、ここで我々に救世主が現れました。人族の身でありながら天使の少女を連れた男がふらっと我々の目の前に現れたのです。


 当時の状況を考えれば当たり前ですが、我々はすぐにその少女を助けるべく行動を起こしました。種の存続のためもうこれ以上の犠牲は出せませんでしたから……。

 先程は滅ぶまで反撃には出なかったと言いましたが、この時点では既に反撃に出ないなどという考えはありませんでした。我々は甘かったのです、種の滅亡が間近に迫るまで耐えてしまう程に。何故もっと早く、それこそエイジ・モリサキが来てしまう前に反撃に出なかったのか先祖を逆恨みする程でしたね。




 私達は男を取り囲み、すぐに少女を解放するように求めました。勿論素直に応じるとはとても思えませんでしたが、もしも解放すればそれに越したことはありません。解放した後はその男を殺すつもりでした。


 しかし、非常に信じがたいことにその男は言うのです。「いいですけど?」と……。これには拍子抜けを食らってしまいましたよ。殺気蔓延するあの場で一瞬時が止まる程でした。

 むしろ男の方が少女を私たちの元に返そうとすらしていたようですが、それは少女が必死に抵抗していました。嫌だ嫌だと駄々を捏ねるように。あの時代でそれはあり得ない光景でした。


 天使が他種族の者に信頼を置く状況……この男の方こそ他者を操れる力があるのではと思いましたね、今となってはですけど。


 我々も何かの間違いだと思い何度も少女に対して呼びかけをおこなって男から離そうと試みましたが、それでも少女は応じてはくれません。その男に全幅の信頼を置いていたかのように、頑なに少したりとも離れようとしなかったからです。

 ここでこのままでは埒が明かないと、事を急ぎすぎた我々の若者の一人が男をもう殺してしまえと……武器を片手に男に立ち向かっていきました。その者は正義感に溢れる者で、居ても立っても居られなかったのです。


 男は刃を持った者が迫っても微動だにすることなく立ち尽くしていましたが、別に抵抗する術がないのではなく、する意味すらなかったのでしょう。

 ――あと少しで男に刃が届く……その時でした。少女が生身でその男を守る様に立ち塞がってしまったのですよ。鋭い眼差しを同族である我々に向けながら……。

 まだ少女の域を脱していない子が、身を挺してまでその男を守ろうとする姿を見てしまっては最早どうしようもありませんでした。誰の目から見ても、少女は非常にその男を信頼しているようで、我々が危害を加えようとすれば刃物を前にしても臆する事すらしない。

 私はあの時、自分よりもその子は強い心を、なにより想いを持っていると思い知らされた思いでした。




 ここで一度、騒ぎは多少落ち着きます。


 警戒は最大限に保ったまま、我々はその男と少女の話を聞くために集落へと通しました。その間も少女は男の傍を少したりとも離れようとはしません。男が我々にではなく、少女が我々を警戒している様子でした。


 少し腰を落ち着けて話を聞くと、その男は少女とは1年前に出会っていたらしく、そこから共にひっそりと世界を渡り歩き世界の情勢を見て回っていたといいます。その間、少女をたった一人で守り抜きながら……。

 当時は天使に加担するということは極刑ものです。加えて我々は他種族と天使が共にいる状況など考えることはできない状態でしたので、天使からも連合軍からも狙われる最悪の道をその男は選んでいたようでした。


 冗談のように聞こえるかもしれませんが、狂った連合軍達よりもその男の方が狂っているとさえ思いましたよ。たった一人の少女を守るために、本当の意味で世界全体を敵に回す人なんて他にいませんから。




 でもそんな狂った男は、それくらいのことなど出来てしまっても当然だったのかもしれません。

 その男の名を聞いた瞬間、我々は耳を疑いました。我々天使の祖先にあたり、守り神として名を後世に残していた名と同じだったのですから。




 名をフリード。当時フリード様はただ一言……そう名乗ったことは覚えています。

 もう皆さんお分かりだと思いますが、この時一緒にいた少女こそがセシル様です。煌びやかな金髪が特徴的で、その眠そうな眼差しをしていたのを今でもよく覚えています。


 フリード様は実に不思議なお方でした。セシル様だけではなく、使い魔として幼体の竜とペガサスの子も連れていたのも驚きでした。どちらも汚れなきその白い姿はまさに神聖そのものでした。

 こちらの使い魔も非常にフリード様に懐いていることも、フリード様を信じてみたくなる一因の一つだったのかもしれません。竜の方はどんな種なのか全く分かりませんでしたが、皆様はご存知ないかもしれませんがペガサスとはもうこの世には存在しない絶滅したモンスターです。かつてはイーリスに住まうユニコーンと双璧を為すとも言われ、古くから天使と共存する象徴として共に在り、決して天使以外には懐かなかったと言われているのです。……我々を根絶することが決まってからは、忌々しい存在として同時に淘汰される運命になってしまいましたがね。


 ただ、それでもフリード様に対する我々全員の疑いの目は晴れませんでした。これまでの歴史、そして受けてきた仕打ちを考えれば、今この場に現れたことには必ず何か裏があると深読みしてしまったのです。フリード様がそんな感情を持っていなかったことは後に思い知らされることにはなるのですが……。

 幸いなことにフリード様は全くと言っていい程に無防備をさらけ出してこちらの要求に応える素振りをずっと見せ続けていたにも関わらず、当時の我々は悪意が無いからと言っても油断はできないと酷い扱いをしてしまった。……本当に我々の嘆かわしい判断でした。




 フリード様への疑いが少し晴れることとなったのは、それから数日後のことです。

 我々の集落が連合軍の偵察隊に見つかっていたらしく、夜襲を掛けられて集落の子どもが連れ去られる事件が起こったのです。夜襲を掛けた部隊は相当な隠密性に優れた部隊だったらしく、我々が感知できない程の手練れだったようです。

 しかし、隠れることに関しては死活問題でもあったため一切の警戒を怠ったことのない我々です。何故我々が見つかってしまったのか……真っ先にフリード様の存在を疑いました。我々はフリード様を問い詰め、連合軍の手先だったのかと責め立てました。


 決めつけを心底嫌っておきながら、我々はフリード様が事の原因であると決めつけてしまった……これ程滑稽なことはなかったです。




 その時でしょうね、フリード様とセシル様の深い絆を思い知ったのは。




 連れ去られた子の中にはセシル様もいたのです。我々もそうですがフリード様も気が気でなかったのでしょう。私達に刃を向けられても動じなかったその顔は酷く焦りを帯びていました。

 フリード様は我々に「邪魔だから大人しくここにいろ」……そう言い残して単身敵地に赴くと、瞬く間に敵地を制圧して子ども達を救い出します。――簡単に言っているように聞こえるかもしれませんが、言葉で表すなら一番の表現と言ってもいい、それくらい瞬く間の出来事でした。


 無事に帰ってきた子ども達を見て皆開いた口が塞がりませんでした。今まで攫われた者を取り戻しに行って帰ってきた者はいなかったからです。『断罪』の網に掛かった者は、奈落に引きずり込まれると例えられることもありましたから。

 更にフリード様は子ども達を助け出すだけでなく、連れ去られた天使達の遺品と思われる物品も回収し持ち帰る慈悲も見せてくれました。


 残された物品の損壊や状態によって、最期は大体想像がつきます。

 身内の最期を知ることができる……それも非常に嬉しいことでした。どんな仕打ちの末に死んだのか、それも分からずじまいだと永遠に悪い想像だけが膨らみ心の安らぎはありません。例え最期がどれだけ惨たらしくとも、当時の心境的には理解し難いかもしれませんがそれを知れただけでも救いだったのです。死んだ事実を突きつけられたことに感謝していたとも言えます。




 この時になって我々は『断罪』が始まって以来、たった一人とはいえ久しい他種族の味方を得たのだと理解しました。どこにも味方はいない……そんな世界にも手を差し伸べてくれる者がいることに、本物の涙を流しました。


 天使の中に、フリード様のお心と優しさに疑いを持つ者はいなくなりました。それからもフリード様は事あるごとに我々を助け、共に在ろうとしてくれました。『断罪』の最中でありながら、私達は唯一フリード様と共にいた間は安らぎと幸せに包まれていました。







 しかし、それも一時の幸せな時間に過ぎませんでした。

 天使を取り返されたという事実と、人族が天使に味方をしていることが引き金となり、エイジ・モリサキの不満を買ったのです。奴はフリード様を人族の裏切り者とし、決戦と称して連合軍の最高戦力を結集してこの戦争に終止符を打つと宣言したのです。

 その矛先は……勿論フリード様と我々です。この時点で既に、我々の集落以外の天使はほぼ滅ぼされていたようです。


 世界中の戦力が、最後に残る我々に刃を向けている……フリード様は自分が天使の滅亡の時を早めてしまったと自責の念に駆られて苦しんでいました。そんなことは全くないというのに。




 エイジ・モリサキが決戦を表明した日。夜が暮れる前にフリード様は我々を集めると、竜とペガサスの子を連れて決意に満ちた眼差しをしながらこう言いました。




 この戦争を止めに行く……と。




 フリード様が底知れぬ力を持っていたことは皆知っていました。ですが、物量の差には勝てないことを知っている我々は必死に引き止めます。行かせてしまっては確実な死が待っているとしか思えなかったからです。

 でも我々の制止を、泣きじゃくりながら嫌がるセシル様を振り切ってフリード様は使い魔と共に飛び出していきました。


 ……その後フリード様のそのお姿を見た者は誰もいません。使い魔達も。

 ただ、『英雄』が表舞台に現れることもなくなったということだけは我々は知っていて、フリード様は『英雄』と刺し違えたのだと悟りました。

 それ以後『断罪』は収まりました。緩やかに、消えるように落ち着いていったのです。

 そして我々は種が限りなく少なくなっていたこともあり、何もされずとも衰退していった……。




 残された我々は最後命散るその時まで、皆が心にフリード様の名を刻みつけました。


 真の『英雄』フリード様。


 出自不明、人族という天使からも蔑まれる身でありながら、自分の利にならぬ戦いに身を投じたお方。我々が懺悔と尊敬の念を忘れることは一生無いでしょう。








 ……これが私の知る本当の歴史です。これを聞いた上で表の歴史をどう思われますか?

次回更新は1週間は先です。

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