表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/68

ママが許さないわ

カエリコでは、人々は平地で、ゴリラたちは森林で、平穏な暮らしを見つけ始めていた。


ジャック星人たちが、このままおとなしく手を引くとは思えない。侵略のための次の手段をとってくるはずだ!誰でも二度続けての失敗は避けたいもの。今度は、情けなど無縁の攻撃を仕掛けてくる・・。


「グレン、早く手を打たないとキングブラックホールが膨張し始めてるわ!」

「ああ」

「じゃああれを・・?!」

「あれってまさか・・」

ミラーもマックも顔をこわばらせた。

「デビルアントだ!」

「デビルアント・・」リンサは小さく言った。

「いきなりあれをばらまくのか!」とミラー。

「それじゃあ皆殺しだ!」マックは叫んだ。

「グレン・・」リンサはグレンの言葉を待った。

「七日間、猶予をやろう。移住のためのな・・」


「ラルフ、こんなものが・・」

カエリコに戻っていたラルフのもとに、一通の手紙が届けられた。

「・・ついにきたか!」

「またあのゴリラたちが凶暴になっちゃうのか?」

「いや、もっと深刻なことが起こるだろう!」

「もっと深刻なって、まさか俺たちの命が危ないとでも言いたいのか!?」

「・・そうだ!今度は容赦なく攻めてくる」

「あと七日間、俺たちはどうしたらいいんだ・・」

「戦っても勝ち目はない」

「じゃあ・・」

「何よりも命が大切だ!残念だがカエリコを離れるしかないだろうな」

「俺たちの星をジャック星人に渡してしまうのか?」

「・・・」


「そんなの嫌だよ!僕は絶対にこの星を見捨てたりしない」

「ロック・・」

ロックはジャンの親友だ。

「僕はこの星が好きだ!ジャンだってそうさ」

「みんな好きさ!このカエリコが」

「じゃあなんで逃げるんだよ?!戦わないのかい」

「ロック、相手はとても強い。私達にかなう相手ではない」

「・・みんな弱虫だ!僕は一人でも戦うよ。大好きなカエリコを守るんだ」

ロックは目に涙を溜めながら叫び、走り去ってしまった。

「ロックの気持ちもわかるがな・・」

「しかし、大勢の犠牲者を出すわけにはいかない」ラルフはそう言葉をしぼり出した。


「ラルフ、七日間なんてあっというまだぞ。この星に住めないのなら、早く次の移住先を探さないと!」

「行くとしたら地球しかない!しかしそれは、地球人の理解が必要だ」

「そんなこと言ったって、もうそんな余裕はないんじゃないのか?」

「とりあえず地球に行ってくる。この星も七日間は安全なはずだからな」

「ああ頼むよ」


ジャック星人は、どんな手段で攻めてくるのか全く見当がつかない。大きな爆弾を落とすのか、デカいロボットが攻めてくるのか・・?せめてその手がかりでもあればいいのだが。

そしてラルフは再び地球に向かうこととなった。


「何!七日後に攻めてくるだと」とシンジ。

「ああ、今度は一気に攻めてくるだろう!」

「じゃあカエリコの人たちはどうなっちゃうの?」とジャン。

『戦っても到底勝ち目はない!どこかに逃げるしかないさ』

「そんなあ・・パパ?!」

「残念だがルイの言う通りだ」

「嫌だ!そんなの絶対に嫌だ」

「でも、強い相手なんでしょ!死んでしまっては何にもならないのよ」と夏子。

「でも・・僕はカエリコが好きなんだ!」

「ジャン・・パパ、僕とジャンは魔法が使えるんだよ。敵をやっつけられるんじゃない!?」

「進・・」

「進、そんなことはママが許さないわ!だいち危険すぎる」

「ママ・・」






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ