進、カッコいいぞー
とりあえずの平穏を取り戻したカエリコ。しかし、この静けさが、長続きしないものだということを誰もが知っていた。
そして、進たちは地球に戻っていた。
「進、平じいとどこまでいってたの?」
「えっ?ママ、なんで平じいと一緒だってわかったの」
「電話したのよ平じいのところに・・」
「ジャンも一緒だったんでしょ!」
「はい」
「そうだ、今日はパパが早く帰ってくるからね」
「進のパパですか?」
「そうよ」
「僕のパパも今日お邪魔するって言ってました」
「あらそう!ちょうどよかったわね」
シンジは家路を急いでいた。その時だ、ある鼓動が近くに響くのを感じ取った。
「ん?これは・・」
「兄さん!さすがだね、感覚はちっとも鈍ってない」
「ラルフ・・」
「息子のジャンが世話になってる家が、兄さんのとこだとは知らなかったよ」
「うん、進と仲がいいらしいな!」
「ああ、夏子さんの話だと、まるで兄弟みたいだとさ」
「そうか」
「兄さん、実は・・」
「カエリコで何か起こっているのか?」
「そうなんだ!手強い敵が攻めてきてる」
「・・・」
「兄さんの予言が当たったんだ。残念だけど」
「それで私にどうしろと?」
「カエリコを、兄さんと俺の故郷を救ってほしい!」
「・・・」
「兄さん!」
「それは出来ないよラルフ」
「なぜ?!」
「私はカエリコを捨てたんだ!カエリコの仲間を・・」
・・「だからといって、故郷を愛する気持ちまでは捨ててないじゃろう」
「平じい!」
「どうしてここへ?」
「お前たちがこうして会うのはわかっていたからな!」
「じゃあ俺の正体も・・」
「ああ、知っとる」
「ただいま!」
「あっ!パパだ」
「お邪魔します」
「あっ!パパも一緒だ」
「お邪魔するよ!」
『ん?平じいの声だ・・』
「あら、みんな一緒だったんですか!?平じいまで」
「いけないかね」
「そんなわけないでしょう」
「そこで偶然合ってね!ラルフさんたとも平じいとも」
「そうですか!偶然ってあるのね」
「シンジ、夏子には全部話しておいた方がいいんじゃないか?!」と平吉。
「えっ?何をですか」
「うん、進たちも聞いてくれ」
「どうしたのパパ?」
「大事な話だ」
「はい」
「ここにいるジャンのお父さんなんだが、実は私の弟なんだ!」
「えー!」
「えー!」
『えー!』
「・・カエリコって、あなた宇宙人だったの!?」
「すまん、隠していて・・」
「夏子、シンジにも色々訳があるんだ」
「平じいに言われなくてもわかってます。それに・・地球人だろうと宇宙人だろうと、私はちっとも気にしない。だって、今の幸せは嘘じゃないんだから!」
「夏子・・」
「それにラルフさんカッコいいし!」
『また始まった・・』
「ていうことは、僕とジャンはいとこだね!」
「そうだよ進」
「やったー!」
「そうだ、平じいは家になにしに来たの?」と夏子。
「おっ?・・はて、何だったかな」
「平じい、ボケるのまだ早いでしょう!」
「101歳でもか・・」
「兄さん・・」
「話はわかった。カエリコに危機が訪れようといていることもな!しかし、私にその危機を救う力があるだろうか。それに、カエリコの人たちが裏切り者の私を受け入れてくれるかどうか」
「カエリコの仲間は、誰も兄さんを憎んでなんかいないさ!」
「あなた、カエリコのことが今でも大好きなんでしょう!だったら迷ってる暇なんかないはずよ」
「夏子の言う通りだ」
「パパ、僕ね魔法が使えるんだよ!」
「なに、魔法が!」
「そうさ、進はカエリコでも大活躍だった!」と平吉。
「パパ、僕にもっと強い魔法を教えて!ジャック星人をやっつけちゃうようなさ」
「進・・」
「兄さん、俺からも頼むよ!」
「進、強い魔法を覚えれば、それだけ危ない思いもするということだ!覚悟がいることなんだぞ」
「うん」
「魔法を教える前に進、お前はその魔法を何のために使うつもりなんだ?」
「えっ?」
「言ってごらん」
「・・カエリコの人たちのために、カエリコの人たちの幸せのために魔法を使うんだ!」
「そうか!いつの間にか強い男になったな・・進」
『進、カッコいいぞー!』




