カエリコへ出発だ
「進くん!」
「ん?・・ジャン!」
「こんにちは」
「あっ!ラルフさん」久しぶりのラルフの登場に、大喜びの夏子。
「夏子さん」
「はい!」ドキドキ。
「突然ですみませんが、進くんを少し私に預けてくれませんか?」
「えっ?進・・ですか」なんだ進に用事か。
『ラルフ、何が言いたいか想像はつくよ。セルキラーのことだろう!」とルイ。
「うん、何やら様子がおかしい」
「セルキラーは、全然ジャック星人をやっつけてくれないんだよ」とジャン。
「逆にセルキラーがジャック星人を強くしてしまっているくらいだ!」
「ジャンたちが持っていったセルキラーは、平じいのと一緒なんだって」
「どういうことだ?」
『つまり細胞を攻撃するセルキラーじゃなくて、細胞を若く強くするセルキラーだったんだ!』
「なんだって・・」
『とにかくボスのところへ急ごう』
「ラルフ、やっと戻ってきたのね」
「シンシア、ボスに至急会いたい!」
「わかってるわ!そろそろここに来てくれるはずよ」
そこに、ボスとジョンが到着した。
「ラルフ!」
「ボス!あれはいったいどういうことだ」
「すまん。耐性セルキラーの目的が敵をやっつけるだなんて知らなかったんだ!」
「それは本当なの。私がちゃんと説明していなかったから・・」
「何か対策はないのか!?」
「今のところ、打つ手はない」
「くそっ・・」
『そこでラルフに相談なんだけど、ボクたちをカエリコに連れていって欲しいんだ!』
「おい虫、それはどういうことだ?」
『ボクはルイ!何度言えばいいの・・』
「ではルイ、目的は何だ?」
『ジャック星人の弱点を探りに行くんだよ!』
「ジャック星人の弱点を?」
『小さくなって、ジャック星人の体の中に潜り込むんだよ』
「そこで組織を採って調べれば・・」
「シンシア、調べると言っても、そう簡単にはいかないぞ」
「それは心配ないわ!世界一の科学者も一緒だから」
「・・ほう、なるほど!」
ラルフはボスに視線を送った。
「シンシア、宇宙旅行とはこの事だったのか?!」
「そうです」
「それがどうビジネスに繋がる・・?」
「それはボスの腕次第で!」
「もちろん私もおともするよ!」と平じい。
「みんな小さくなって、ラルフの体の中に潜り込むの!」
なんだかやたらと嬉しそうなシンシア。
「私の体の中にだと!」
「別にいたずらはしませんよ!」と進。
「そうと決まったら早く出発しようよ!カエリコへ」とジャン。
進をしばらく預けてって、ラルフさんは何をするつもりなのかしら?また平じいのところへ遊びに・・。
「もしもし、夏子です」
「おお、夏子かあ。どうした?」と義男。
「いや、また進がそちらにお邪魔してるんじゃないかと思って」
「進?いや来てないぞ」
「そう」
「進のやつ家出でもしたのか」
「そんな大袈裟なことじゃないんだけど」
「そういえば親父もちょっと旅に出るとか言って、荷物をまとめてたな!」
「平じいが」
「ああ、相変わらず元気だよ親父も!」
「じゃあ、進もきっと一緒だわ」
「進一人で出掛けた訳じゃないんだろう?」
「うん、ジャンくんとジャン君のパパが一緒よ!」
「なら心配は要らないだろう」
「そうね」
だけど、何か楽しいことをしてるに違いないわ!私もついていけばよかったなラルフさんに。それにしても男前だわ!ラルフさん。
『みんな準備はいいかい!?』
「ボス、すごい荷物ですね!」とシンシア。
「うん、研究道具が一式入ってる!」
「さすが世界一の科学者ですね」
「シンシアさん、やっぱり俺も行くんですよね?」とジョン。
「当たり前です!」
『じゃあみんなここに並んで!小人になる魔法をかけるよ』
そして、みんな横一列に並んだ。
『よし、いくよー・・・』