どうやら図星のようだな
「カエリコへ連れていってもらうだって!」
進の提案を聞いて叫ぶジョン。
「宇宙旅行かあ!私は大賛成よ。私も助手として一緒に行くわ」とノリノリのシンシア。
「ジョンさんは?」
「俺はパスだ!」
「そんなのダメよ!ジョンは私のボディーガードとして同行するの」
「えーっ、でも俺は宇宙人とかあまり好きじゃないし・・」
「つべこべ言わない!男でしょ」
「私も行くぞ!」
「えっ?!平じいも」
「私は100年以上も生きてるんだ。経験と知恵は誰にも負けん!」
「平じいステキだわ!男の中の男って感じで。それに比べてこっちの男は・・」
シンシアさん怖っ!
「しかし、ボスがうんと言うかね?」と平じい。
「私が言わせます!」
さすがシンシアさん。
「でも宇宙空間って空気がないんだぞ。ジャンたちは宇宙人だから平気かもしれないけど」とジョン。
『それならボクにいい考えがある!』
進の髪の毛の間から顔を出したルイ。
「うっ、虫がしゃべってる !」おびえるジョン。
「おお、最近の虫は言葉がわかるんだな!」動じない平じい。
「どうするの虫さん?」すでに友達みたいなシンシア。
「ボクの名前はルイ!覚えといて」
「あっ、ごめんなさいルイ」
『みんなボクみたいに小さくなって、ラルフの体に侵入するんだ。その間にカエリコに行ってもらえばいい』
「あっなるほどね」
「えー、それじゃあ宇宙旅行が台無しだわ!景色を楽しみたいのに」
「『どうせ宇宙空間なんて真っ暗で何も見えないよ』
「そうなの・・」
「とにかくシンシアさん、ボスのことは頼んだよ」と平じい。
「わかりました」
「なんだって、宇宙旅行だと」
「ええ、一緒に行きましょうよ!」とシンシアの甘いささやき。
「しかしそんなの、まだ何年か先の話だろう」
「そんなことないわよ。宇宙人だって地球にやって来る時代なんだから」
「しかし・・・」煮え切らないボス。
「最高のビジネスチャンスだと思ったんだけどなあ」
「シンシア、それはどういう意味だ?」
「知りたいなら一緒に宇宙旅行ね!」
「交換条件か・・わかった、一緒に行くとしよう!」
「さすがボス!」
「で、どんなビジネスチャンスがあるんだ?」
「それは行ってからのお楽しみ・・」
「シンシアさんの言うことなら何でも聞くんだな!ボスは」と平じい。
「そんなこともないですけど」
「さては何か弱味を握っておるな!」
「えっ!?」
「どうやら図星のようだな!」
「あとはジャンたちがいつ地球に戻ってくるかだね」
『きっとまたボスのところに来るはずさ!セルキラーの様子がおかしいってね」
「うん」
カエリコではセルキラーを散布してから20日が過ぎていた。しかし、いっこうにその効果が現れない!むしろその逆で、ますます強靭なジャック星人に変化しているようにさえ思える。
「パパ、全然効き目がないね!」
「うん、まさかボスのやつ私をだましたのでは!?」
「そんなあ・・」
「一度地球に戻る必要がありそうだな!」
期待を寄せていたラルフの秘密兵器も全然役にたたない。カエリコの人々は落胆の表情とともに、ラルフ達を非難するものさえ出てきてきた。
「仕方ない、ジャン、地球に向かうぞ!」
「うん、また進たちに会えるね!」
「そうだな」
そしてラルフとジャンは、地球を目指し飛び立った!