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血管年齢

「平じい、珍しいね!病気知らずのじいさんが今日はどうしたの?」

「ちょっと二郎に相談があってな・・」

この町医者の二郎は、義男の同級生でちっちゃい頃からよく知っている。

私はここ数ヵ月のからだの変化を二郎に話した。


「体が若返っているね・・そういえば去年会ったときよりも若々しい感じがするかなあ!?」

「そうだろう・・」

「しかし、今の医学では証明は難しいな」

「あり得ないというのか?」

「世界で今、再生医療の研究が盛んに行われたているけど、まだどれも研究段階だからね」

「再生医療・・」

「うん」

「それが確立されれば、若返りは可能なのか?」

「可能ですね!究極のことを言えば、老化は治療できると言うことなんだけど・・」

「なるほどね、恐ろしい時代になったものだな」

「そういう言い方も間違えではないのかもな・・」

「老化を治療するかあ・・」


「ところで、人間の年齢を測る機械なんてあるのかい?」

「ああ、あるよ。例えば血管の老化を測定するとか、骨の年齢を測定するとか。うちでも血管の年齢なら簡単に測れるよ!」

「血管の年齢を・・?」

「測ってみるかい?」

「頼む」

そして私はほんの十数秒の検査で、血管年齢とやらを測ってもらった。


「どうだった?結果は・・」

「いい結果が出たよ。平じいの血管年齢は70歳代だよ!実年齢より20歳以上も若いという結果さ」

「ほう、それは驚いたな!」


そしてまた晩酌のとき・・。

「義男、血管年齢って知ってるか?」

「いや」

「悟史は」

「知らないなあ」

「その血管年齢がどうかしたのかい親父?」

「実は今日、二郎のところにいってその血管年齢を測ってもらったんだ」

「それでどうだったんだい」

「70歳代だよ!」

「すごいじゃない!平じい」

「人の血管は年齢とともに硬くなるそうだ。その動脈硬化が原因で、心筋梗塞だの脳卒中なんかになってしまうらしい。タバコもいけないんだそうだが、私は今でも刷吸ってると言ったら、二郎のやつ驚いてたよ」


今日もおいしく酒がすすむ・・。

「親父、最近よく酒を飲むようになったな。若い頃は大酒のみだったのは知ってるけど、ここんとこやめてたのに・・」

「好きなタバコと酒を飲んで、100歳の私の唯一の楽しみだな!」

「でも、何でも過ぎるってことは良くないことだわ!タバコの吸い過ぎ、お酒の飲み過ぎ」

「わかってるよ美子さん・・」

「でもさ、こうやって100歳の平じいが元気でいてくれると、なんだか嬉しいよね!」

「どういう意味だい?悟史」

「なんかこっちまでパワーが伝わってくる感じでさ。子供が元気ではしゃいでるのもいいけど、なんかこう違った意味で嬉しいんだよね」

「悟史にも私の血が流れてるんだ!きっと元気で長生きするぞ」

「そうだといいけどね・・」

「私が保証するよ!それに今、再生医療ってのが進んでるそうじゃないか。老化まで治療できてしまう時代が来るとかって二郎が言ってたからな」

「親父、老化は病気とは違うから治療するってのは変じゃないか!?」

「だって二郎が言ってたんだぞ。あいつも一応医者なんだから」












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