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健康診断

「あれ?ママ、ご飯食べないの・・」

「明日健康診断だからね!」

「何それ?」

「身体に悪いところがないか診てもらうのよ」

「そうなんだ」


「進、本当に一人でお留守番できる?」

「うん、友達が来てくれるからね!」

「じゃあ行ってくるわよ」

「はーい」


『進、今日はこれをしっかりとつけてくれ!』

「メガネとせんたくばさみ?」

『これはゴーグル、そしてこっちは鼻栓』

「わかった!プールだ」

『そんなに甘くない。もっと過激さ!』

進は慌てて小さくなり、今はルイと一緒に夏子の髪の毛に隠れていた。



『進、鼻の孔から侵入するぞ!』

「うん、わかった」

『その時お前のママは必ずくしゃみをする。鼻毛にしっかりとつかまっとけよ』


「相川サーん!」

「はい・・はっ、はっ、ハクシュン!」

「えっ?風邪気味ですか?」

「いえ、違います・・」

「じゃあ次は胃カメラです!」


『進、ゴーグルはめたか!?』

「うん」

『よし、喉ちんこを突破して食道に侵入するぞ』

「おう、僕は焼肉定食だ!」

『ん?今何って言ったんだ進』

「焼肉定食・・食堂に行くんでしょ?」

『焼肉定食もカツ丼もないの!』

「ふーん・・」


「相川さん、喉の麻酔をしますねー」

「はい」


『ここは御飯やジュースの通り道だ。もうすぐ胃袋に到着するぞ!』

「胃袋?」

『食べたご飯を貯めておくところさ。それにしても進のママの胃袋は空っぽだな!』

「あーあ、ご飯食べてないもん」

『何でだ?』

「身体に悪いところがないか診てもらうんだって」

『それって健康診断だ!』

「そうそう!それだ・・」


「相川さん、ベッドに横向きに休んで下さい」

「はい」

「マウスピースをしますね」

夏子は心臓がバクバクだった!胃カメラなんてはじめての体験。あんな管が身体のなかに入っていくなんて、想像しただけで恐ろしい・・。


『ママの体が横向きになった。カメラが来るぞ!進』

「カメラが・・よし!」

『進、何考えてる?』

「何って」

『まさかまたVサインしようなんて考えてないよな』

「えっ?ダメなの」

『ダメ!』


「さあ、カメラが入っていきますよ・・」

「うっ~」

「・・ん?相川さん、緊張しすぎですよ。リラックスしてください」

「・・・」夏子は・・泣いていた。


「あっ、なんか明るくなってきたね!」

『いよいよ来るぞ!蛇のお化けが・・』

「えっ!」

『冗談だよ。カメラが近づいてるんだよ』

「なーんだ、脅かさないでよルイ」


ピカッ!!

「うわ!眩しい」

『あの光から逃げ回るんだ!進』

「うっ!?なんかニョロニョロ動いてるよ・・」


「相川さん、順調に進んでますよ!」

「・・・」


「逃げ回るって・・あっ!やばい。見つかっちゃった」

『何!こっちだ」

ルイは慌てて進の体を引っ張った!


「ん?なんだ今のは・・?」

「先生、どうかされたんですか?」

「いや、なんでもない」

小人・・か?

そんなはずはない!見なかったことに・・。


『ふうっ!危ない危ない。このままだとまた見つかる可能性がある。よし、奥へ行こう・・』

「奥に?」

『ああ、十二指腸だ!』


「相川さん、もうすぐ終わりますよ」

「・・・」


『ワン・ツー・スリー!進今だ』

「おう・・あっ!せんたくばさみが取れちゃったよ」

『えっ!』

「あそこにある!ちょっと取ってくる」

『おい進・・』

「あった・・あっ!眩しい」


「えっ!!」

小人がVサインしてる・・。

そんなバカな!

「先生、先生!」

「早くカメラを抜かないと・・」

「ああ、そうだな・・」

「先生、顔が真っ青ですよ!」

「・・・気にしないでくれ」


「ごめんルイ」

『気を付けろよ進」


「はい、相川さん、終わりましたよ」

「はい・・・」

「後は頼んだよ・・」

「先生・・?」

なんだあの青ざめた顔は・・。もしや・・。

「看護婦さん。何か悪いものが見つかったんでしょうか?」

「いえ・・」

「でも、あの先生の顔・・」

「はあ・・?!」


『ん?!』

「ん?どうしたのルイ」

『うんん・・』

確かにいた!

「ルイ、ルイ・・」

『あっ、何?』

「どうしたの怖い顔して?」

『・・・』

間違いない、あれはセルキラーだ!





















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