レントゲン
「ルイ、またデカイ岩があるよ!」
『よし、その裏に回ってしがみつくんだ』
「うわ、なんだこれ動いてるよ!?」
『喉ちんこだよ!』
キイーン!・ジャブジャブ・・・。
「わー!水が攻めてくるよ」
『慌てるな!ここまでは来ないから。この喉ちんこが守ってくれるはず』
「はいこれでよしと!口の中の水をペッって出して」
「・・ペッ」
「じゃあ念のためにレントゲンを撮りましょう!」
「はい」
「こちらの部屋に入って・・」
『ふうっ、危なかった』
「うん、それにしても嫌な音だったね!キイーンって・・」
『進、すきをみて脱出するぞ』
「うん」
『歯と歯の間を抜けていこう・・』
「はい、じゃあこれを前歯で軽く噛んでいてくださいね」
「あーん、がぶ」
「じゃあいきますよ!動かないで・・」
「なんだ、これは?」
『えっ・・あっ進、レントゲンを撮るんだ』
「何?レントゲンって」
『写真だよ!ダメだもう間に合わない・・』
ピロピロピロ・・。
「はい、いいですよ。くわえてるものをそこに捨てて、元の場所に戻ってください」
『進、あのスポンジにつかまれ!手を放すなよ』
「うん、わかった!」
「ペッ!」
『うわー・・・』
「うわー・・」
「痛~い」
『お前のママ、もうちょっとやさしくペッって出来ないのか』
「今度言っとくよ」
進とルイは、ゴミ箱の中に転がっていた。
「じゃあレントゲンを見てみましょう・・」
「はい」
「ん?・・あれ?・・」
「どうかしましたか?先生」
「眼鏡のせいかな・・ちょっと拡大してみますね」
「・・・」
「ん?・・ギャー!!」
「先生、先生・・」
先生は口から泡をふき倒れてしまった。
『何があったんだ?』
「さあ?」
『・・進、レントゲンを撮ってるときに何かした?』
「えっ?写真の時?」
『うん』
「僕、写真の時はいつもこうするよ・・!」
『えっ!レントゲンの時もか?」
「うん!」
進はしっかり右手でVサインをしていたのだった。