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09 スポーツ大会

 キラメキを倒してから少したった頃、私たちはいつも通りランニングを終えて公園に来ていた。

「ふー。今日も疲れたー」

「今日は日曜日ですから、いつもより長く走りましたからね」

「まひろちゃんは息があがってなくて、羨ましいわ……」

「かなたさんも、すぐに体力がつきますから頑張って!」

「はーい」

 まひろちゃんに励まされながら、私はベンチに腰を下ろした。

「あ、そういえばもうすぐスポーツ大会がありましたよね」

「うっ……もうそんな季節か……」

 私が苦い顔をしたので、まひろちゃんは首を傾げた。

「かなたさん、もしかして運動嫌いなのですか?」

「嫌いというか、苦手なんだよ。だから体育の授業は休みたいくらいだし」

「それは、いけませんよ。ちゃんと授業は出ないと」

 しまった。まひろちゃんは校長の娘だからしっかりしているんだ。まさか怒られるとは。

 私が苦笑いを浮かべていると、アルも会話に入ってきた。

「それで、そのスポーツ大会はいつあるんだい?」

「10日後ですよ」

「かなた。それくらいなら体力つけられるんじゃないかい?」

「そうですよ! 私もお手伝いしますから、一緒に頑張りましょう!」

 やばい、これでは休みたいとか言ってられないぞ。

 私は2人に押されながら頷いた。

「それなら、早速メニューを考え直さなくては! では、私はここで失礼します」

 まひろちゃんはそう言うと、笑顔で帰っていった。残された私は顔をひきつらせる。

「ねぇ、アル。まひろちゃん、メニュー考えるって言ってたけど、またハードになるのかな」

「それは僕にはわからないけど、覚悟はしておいた方がいいと思うよ」

「だよねー……」

 私はため息をつき、重い腰をあげて公園を出た。

「あれが、キラメキを倒した魔法少女ね。なんかたいしたことなさそうだけど」

 私が公園を去った後、公園の上空に人影が現れた。

 その人物は長い茶色い髪を下の方で1つに束ねていて、中性的な体格をしている。

「あたしが倒しちゃってもいいわよね、キラメキ……」

 人物はくすりと笑って姿を消した。

「ん? 今何か気配を感じたような……」

「アル、どうしたの?」

「いや、なんでもないよ。多分気のせいだから」

「ふーん」


 それからは大変だった。まひろちゃんが新しいメニューを考えてきて、本当に実行されたからだ。

 本当にハードだった。今回のスポーツ大会はバレーなので、いつも通りのランニングから始まり、レシーブやトスの練習が入ってきた。

「ひー! もう限界だよ!」

「まだまだ、これからですよ!」

「まひろちゃん! もう勘弁してー!」

 私はやっと気づいた。まひろちゃんは鬼コーチだったのだ。最後は私もまひろちゃんもヘトヘトだった。

 そして、スポーツ大会当日である。

「とうとう、この日が来てしまった……しかもあちこち痛いし」

「かなたさん、すみません。また私暴走してしまったみたいで……」

「だ、大丈夫だよ。ちょっと体は痛いけどなんとかなるよ」

 私は、まひろちゃんが気にしないように笑顔で言った。まひろちゃんはほっとしたようで、笑顔になってくれた。

「でも、よかったですね。私たち同じチームですよ」

「そうだね。あ、でもさっきから見てたけど1つだけすごく強いチームがあったような……」

「それは結城さんのチームですね。彼女は運動神経抜群ですから」

 結城さんとは、紺色の髪でショートカットの女子である。

「じゃぁ絶対当たりたくないね」

 私がそう言うと、次の対戦がその結城さんとのチームだった。

「なんでこうなるのよ……」

 私がぼやいていると、結城さんの強烈なサーブが飛んできた。

「かなたさん、危ない!」

「え?」

 そのサーブは見事に私の顔面に直撃した。私はそのまま後ろに倒れたので、先生が慌ててやってくるのが見えた。

「大丈夫か、姫野! 誰か保健委員はいるか!」

「はい! 私が保健室に連れていきます」

「なら、池上頼んだぞ」

 そして、私は池上と言われた女子に支えられながら保健室に向かった。

 保健室には先生がいなかったので、一応ベッドに横になった。

「一応顔を冷やしておきましょうね」

「ありがとう、池上さん」

 池上さんは、黄緑色の長い髪を2つのみつあみにしていた。しゃべり方もやわらかく、なんだか安心できた。

「私がそばにいますから、今はゆっくり休んで下さい」

「ありがとう、助かるよ」

 それからすぐに意識が遠のいて眠ってしまった。私が次に目を覚ましたのは、勢いよくドアが開いたからだった。

「かなたさん、大丈夫ですか!」

「ま、まひろちゃん、おはよう?」

「もう、びっくりしたんですから! 怪我は? もう平気なのですか?」

 まひろちゃんが慌てて私に近づいたので、池上さんが間に入った。

「早乙女さん、ここは保健室だから静かにして下さい」

「あ、ごめんなさい。友達が怪我をしたので心配になって……」

「なら、あなたも少しは落ち着かないと。はい、深呼吸して」

 まひろちゃんは言われるがままに従った。やっと落ち着いたのか私のそばに座った。


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