05 特訓です!
仕方がないので、私はこれまでのことを早乙女さんに話した。
「なるほど……なんだかアニメみたいな話ですね」
「やっぱり、そう思いますよね」
「それとかなたさん。私に敬語は不要ですよ。同い年なのですから」
「あ、はい! すみません」
私が慌てていると、早乙女さん改め、まひろちゃんはくすりと笑う。
「それで、まひろはどうしたいんだい?」
「私にもこの件、協力させて下さい」
「えっ?!」
何を言っているんだ、この子は。私は突然の事に驚いて反応が遅れてしまった。
「協力って、私は戦ったりするから危ないよ!」
「もちろん、かなたさんの邪魔はいたしません。陰ながら応援する形です」
「ま、まぁそれなら……」
私は、まひろちゃんの勢いに押されていた。すごいな、この子。
「お2人とも、ちょっとついてきて下さい。お見せしたいものがあるんです」
「見せたいもの?」
私とアルは、まひろちゃんに言われるがままついていった。まひろちゃんは裏庭の奥の方へ入っていく。
「ここです」
まひろちゃんに案内されて私たちが見たのは少し大きな小屋だった。
「へぇー、こんなのあったんだ」
「ふふ。ここは私の秘密基地みたいなものです。かなたさんたちには、ここを自由に使ってもらって構いませんよ」
「え、そんなの悪いよ」
「いいんです。言ったじゃないですか、協力したいって」
「本当にいいの?」
「もちろんです!」
まひろちゃんはにっこりと笑った。私もつられて笑う。
中に入ってみると、中はきれいに整とんされていた。そしてまひろちゃんは前に置いてある机の所に向かった。
「では、かなたさん。そこに座って下さい」
「あ、はい」
私は、まひろちゃんに促されるまま席に着いた。なんだろう、また授業を受けているみたい。
まひろちゃんは私が席に着くのを確認すると、コホンと咳払いをした。
「ではこれから、作戦会議を行いたいと思います!」
「さ、作戦会議?」
なんか、まひろちゃんのやる気がすごいんだけど。私はちょっと引いていた。
「そうです。かなたさんは戦いの素人。少しでも危険を回避してもらうために、特訓をしましょう!」
「それはいい考えだね。僕は賛成だよ」
「さすがアルちゃんは話が早い」
「ま、待って! 特訓って何をするの?」
私は急いで手を上げた。すると、まひろちゃんは顎に手を当てて考え始めた。
「そうですね。まずは基礎体力の向上でしょうか。ほら、ランニングなどいかがですか。朝早くに集合して行うというのはどうでしょう」
やばい、まひろちゃんのやる気がマックスになっている。私は顔をひきつらせた。
「私も一緒に走りますので、頑張りましょうね!」
「は、はい……」
あれよあれよという間に決まってしまった。まぁ、いいか。ランニングぐらいなら、私でも出来るかな。
次の日、朝6時頃に目覚ましが鳴った。うーん、まだ眠い。
「かなた、起きなくていいのかい? 昨日まひろと約束したんだろ?」
アルにそう言われて、私は勢いよく起き上がった。
「あ、ありがとうアル! 危うく遅刻するところだったよ」
支度を終えて、私は家を出た。待ち合わせである公園に行くと、もうまひろちゃんは先に待っていた。
「おはようございます、かなたさん」
「お、おはよう。早いんだね」
「そうでしょうか。私、恥ずかしながら今日が楽しみであまり眠れなかったんです」
「そうなの?」
そんなに今日が楽しみだったのか。
「それでは、参りましょうか」
まひろちゃんに促されて私たちは走り出す。今回は近くの土手を走る予定だ。
しばらく走っていると、だんだん疲れてきた。
「ち、ちょっと休もうよ……」
「おや、かなたもうバテたのかい?」
「まだ、そんなに走ってないと思うのですが、無理はいけませんね。少し休みましょう」
「やったー……」
私たちは草むらに座って休んだ。ふー、風が気持ちいい。
「おや? こんな所でくつろいでいていいのですか」
私たちが休んでいると、またしてもキラメキが現れた。
「キラメキ! あなたもしつこいわね!」
「マジカルコードを奪うまで、私はどこにでも現れますよ」
「まひろちゃん、早くここから離れて!」
「そんな!」
「逃げられると思いますか」
キラメキはそう言うと、指をパチンと鳴らした。すると、辺りは結界に包まれた。
「しまった! 遅かった……」
「仕方ない、かなた! 魔法少女に変身するんだ」
「わかった!」
私はマジカルコードを握りしめた。そしてたくさんの光が私を包みこみ、私は魔法少女に変身した。
「これが、魔法少女……」
まひろちゃんは驚いていた。そりゃそうだよね。目の前で変身されたらびっくりするよね。
私は少し申し訳なかったが、キラメキをビシッと指さした。
「マジカルコードは渡さないわ! 覚悟しなさい」
私はそう言ってキラメキの所まで飛んでいった。
「はあぁっ!」
「あなたの攻撃など通用しませんよ」
言いながらキラメキは私の拳を受け流していく。
「くっ、どうして……いつもより力が出ない」
「いいかげん邪魔ですよ!」
「きゃぁーっ!」
ずっと受け流していたキラメキは、勢いよく私に攻撃してきた。私はガードしたが、そのまま吹き飛ばされてしまった。
「かなたさん!」
「きっと、さっきのランニングの疲れがたまっているんだよ。だからいつもの力が出ないんだ」
「そんな……それなら私のせい……?」
まひろちゃんはショックを受けていた。私とキラメキの戦いを苦しそうに見つめていた。




