19 皆でお出かけだよ!
あれから私たち3人は、まこちゃんの家に向かっていた。
「今日は両親とも朝からいないので、気にしなくていいですよ」
「私、友達の家に遊びに行くなんて初めてなので、すごくわくわくします!」
「ふふっ。でも、あまり期待しないで下さいね?」
まひろちゃんが子どもみたいにはしゃいでいたので、まこちゃんは苦笑していた。
少しすると、まこちゃんの家が見えてきた。
「さぁ、どうぞ入って下さい」
「「おじゃましまーす」」
私たちは中に入ると、2階にあるまこちゃんの部屋に通された。
「今、お茶とか持ってくるのでゆっくりしていて下さい」
「あ、お気になさらず」
まこちゃんが部屋を出ると、私たちは落ち着かず、部屋を見渡した。
部屋はとても可愛らしく、人形やぬいぐるみがたくさん飾られていた。
「私の部屋とは大違いだわ」
「なら今度は、かなたさんの家に遊びに行ってもいいですか?」
「え、私の家?! 一応早めに言ってくれたら助かるなー……」
その時は、急いで部屋の中片付けないとだけどね。
私が冷や汗をかいていると、まこちゃんがお茶とお菓子を持って戻ってきた。
「よかったら、どうぞ」
「わーい! いただきまーす!」
私がお菓子を食べていると、まこちゃんが話しかけてきた。
「それで、お2人を家によんだのは、あかりさんとササヤキさんの事で相談したかったからなんです」
「相談?」
「お2人とも最初は敵同士だったから、仲間になるのは難しいと思うんです」
「そうですね……あかりさんはジャークにやられた過去がありますし、難しいでしょうね」
「別に仲間になる必要はないんじゃないのかい?」
「アル?」
アルはそう言うと、ベッドの上に乗った。
「ササヤキに戦意は無かったけど、それはまこにだけで僕たちには何も関心がなかったよ?」
「え、そうだったの? てっきり、私たちとは戦う気がないと思ったよ」
「きっと、彼にとって特別なのはまこさんだけのようですね」
まひろちゃんは顔をにやけながらまこちゃんを見た。まこちゃんはまた顔を赤くする。
「でも、あかりさんとまこちゃんもなんだか気まずくなってたよね」
「はい……私がササヤキさんを庇ったからだと思うんですけど……」
「それなら、明日休みですし、皆さんでお出かけするのはどうでしょう?」
まひろちゃんが手を叩いて私たちを見た。私もその意見に賛成である。
「いいね、それ。皆でどこか行く事なんてなかったから、すごく楽しみだよ!」
「はい! 私もです!」
私とまこちゃんが手を合わせていると、まひろちゃんはスマホを取り出した。
「連絡は私に任せて下さい。集合場所などは後でメールしますね」
「ありがとう、まひろちゃん」
「人間って不思議だね。意味のない事で悩んだと思ったら、何気ない事で喜んだりする。見ていて面白いよ」
アルはぼそっと呟きながら、まこちゃんのベッドでくつろいでいた。
次の日、私はなんだか楽しみで、あまり眠れなかった。
「今日は皆でお出かけだ!」
「ずいぶん楽しそうだね、かなた」
私が鼻歌を歌いながら着替えていると、アルが不思議そうに聞いてくる。
「だって、今日は皆でお出かけなんだもん。そりゃ、ウキウキもするでしょ?」
「わからないね。よく公園で会っているじゃないか」
「それとは違うのよ。わからないかなー、アルには」
私がため息をついていると、アルは興味なさそうにベッドで丸くなった。
「もー。何か聞いてきたと思ったら、急に話さなくなるんだから」
ブツブツ文句を言う私をちらっと見て、アルはそっぽを向いた。
ま、いっか。どうせアルは連れていけないし。
「じゃぁ、出かけてくるから、大人しくしててよ?」
「わかったよ、かなた。いってらっしゃい」
一応、返事だけはしてくれた。そして私は上機嫌で家を出た。
待ち合わせはいつもの公園である。私が行った時にはもう全員揃っていた。
「遅いぞ、かなた」
「あれ? ちょっと早く出たつもりだったんだけど……」
公園の時計を見れば、集合時間の10分前だった。
「だめですよ、つばささん。かなたさんはちゃんと早めにいらっしゃったんですから」
「そうですよ、つばさちゃん。自分がだいぶ早くに来たからって、かなたさんを責めたりしたら」
まひろちゃんとまこちゃんに注意されて、つばさちゃんは口をとがらせた。近くで見ていたあかりさんは笑いをこらえていた。
「ま、まぁ全員揃ったから行きましょうか」
「はーい!」
それから5人で街まで歩いていく。
まだ、あかりさんとまこちゃんは気まずいようで、少し離れて歩いていた。
2人の事は気になるけど、私には気になる事がもう1つあった。それは私たちが行く所だ。
「それで、まひろちゃん。私たちは一体どこに行けばいいの?」
先頭を歩いていたまひろちゃんは振り向くと、にっこりと笑みを浮かべた。あ、嫌な予感。
「最初は皆さんで運動しようと思います」
え、ショッピングとかじゃなくて?
「お、いいね! ちょうど体を動かしたくてうずうずしてたんだよ」
あー、つばさちゃんはやる気に満ちている。
「そうね。お腹を空かすにはいいかもしれないわね」
あ、あかりさんもですか。
私は、まこちゃんと顔を見合わせてお互い苦笑いを浮かべた。
そして、私たちが向かった所は……




