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17 予知夢

 私は久しぶりに鮮明な夢を見た。真っ暗な夢だ。

「ここは、どこだろう……」

 周りを見渡しても何も見えなかった。私1人だけがそこに浮いていた。

 どこまでも続く黒く深い闇。私はだんだん怖くなってきて手を握った。

「誰かいないの……? アル、そばにいないの?」

 私が小さく呼ぶと、向こうに人影が見えた。

「よかった! 誰かいた!」

 私はそばに行こうとしたが、すぐに足が止まってしまった。

 それは、以前にも見た事のある黒髪の青年だったからだ。

「あなたは、ジャーク……?」

 黒髪の青年・ジャークは、冷ややかな笑みでこちらを見ていた。

 すると、ジャークの後ろから黒い闇が私に向かってきた。

「きゃあぁぁ!」

 そこで私は目が覚めた。

「夢……? よかった……」

 あれがジャーク……すごく怖かった。あんなのに、私たちは勝てるの?

 私はゆっくりと起き上がった。恐怖からなのかすごい汗をかいていた。

「かなた、大丈夫かい? だいぶうなされていたけど」

「あ、アル。こ、怖かったーっ!」

 私はアルを強く抱きしめた。あまりに強すぎたのか、アルが苦しそうに声を出した。

「か、かなた。落ち着くんだ。ここには怖いものなんて無いよ……」

「はっ! アルごめんね。大丈夫? 苦しかったよね?」

 私が手を離すと、アルが逃げるように部屋の隅に行った。

「何か怖い夢でも見たのかい?」

「うん……」

 私は夢の事をアルに話した。

 ジャークの事。そして、私の夢は現実に起こる事。

「もう、ジャークがすぐそこまで来ているという事か」

「信じてもらえるかわからないけど、皆にも話してみるよ」

「そうだね。情報は共有した方がいい」

 アルは部屋の隅に行ったままだが、私は着替えていつもの公園に向かうため家を出た。

 公園には、まこちゃん以外皆集まっていた。

「あ、かなたさん。おはようございます。よく眠れましたか?」

 まひろちゃんが聞いてきたので、私は今日の夢の事を皆に話した。3人とも難しい顔をしていた。

「それは不思議な夢ですね。予知夢と言うんでしょうか」

「あかりさんの時の事も、夢で知ったんです」

「でも、これは危険信号かもしれないわ」

「そうだね。ジャークの力が増しているのかもしれない」

「でも、こっちは人数も多いし、なんとかなるんじゃねーの?」

「そう簡単な話じゃないんですよ? つばささん」

 まひろちゃんに注意されて、つばさちゃんは口をとがらせた。

「皆さーん! 遅くなってすみません!」

 声のした方を向くと、まこちゃんがこちらに手を振っていた。

「あれ? まこちゃん、具合はもう大丈夫なの?」

「はい。もう良くなりました」

「そうなの? ならいいんだけど……」

「それより、何か皆さんで話してませんでしたか?」

 それからまこちゃんにも夢の話をした。

「ジャークがすぐそこまで……あの、実は昨日……」

 まこちゃんが何か話そうとしている時、辺りが急に暗くなった。

「皆、気を付けて! 敵が来るよ!」

 アルの言ったとおり、ユラメキとマタタキが現れた。

「なんだ、もう1人いたんじゃねーのか?」

「ふんっ。あんな裏切り者知らないわよ」

「裏切り者?」

「あいつの事はどうでもいいの。さぁ、早くマジカルコードを渡しなさい!」

「それはお断りよ!」

 私が言うと、全員マジカルコードを握りしめた。大量の光が私たちを包み、魔法少女へと変身した。

「あんたたちには、これをくれてやるわ!」

 ユラメキがそう言うと何かを取り出し、手の平のものに当てた。

 すると、それは一瞬で巨大なクモとして現れた。

「ひっ! クモ!」

「つばさちゃん?」

 巨大なクモを見て、つばさちゃんは明らかに怯んでいた。

「どうしたの?」

「あたし、クモがだめなんだよ……」

 つばさちゃんはいつもの元気がなく、1歩下がっていた。

「これは好都合! さっさとやっつけてしまいなさい!」

「ここは私に任せて!」

 あかりさんが剣を抜き、巨大なクモに斬りかかろうとしたが、マタタキがそれを阻んだ。

「貴様の相手は俺がするとしよう!」

「邪魔よ! どきなさい」

 そして、2人は剣を交える。甲高い剣の音が響き渡る。

「私たちも戦おう!」

「まずは、私が動きを止めます!」

 まひろちゃんは光の帯を出そうとしたが、クモの大量の糸がまひろちゃんを捕える。

「しまった!」

「まひろちゃん!」

 私とつばさちゃんが駆けつけようとしたが、クモの足に蹴飛ばされてしまう。

「きゃあぁ!」

「姫野さん、結城さん! くっ、これじゃ近づけない……」

 あかりさんはまこちゃんを見て指示をする。

「池上さんの技で、早乙女さんを助けてあげて!」

「わかりました!」

「そうはさせないわよ」

 まこちゃんが了承すると、ユラメキが指をパチンと鳴らす。

 すると、クモがまこちゃんにも大量の糸を放つ。

「くっ、これじゃ技を出せない……」

「ははっ! これで魔法少女も終わりね」

「どうしよう……私がやらなきゃなのに……」

 まこちゃんが唇を噛みしめていると、捕えていた糸が爆発した。

「なんですって?!」

「やった、動ける!」

 そして、まこちゃんは右手を上に向ける。

「ウインドネイチャー!」

 鋭い風が吹き荒れ、まひろちゃんを捕えていた糸も切れる。

「ありがとう、まこさん」

 まひろちゃんはすぐに構え、光の帯を出した。

「ミラクルチェーン!」

 光の帯はクモを捕え、動きを封じる。クモはなんとか抜け出そうとしたが、帯が絡まって動けずにいた。

「かなたさん、今です!」

 私はすぐにマジカルステッキを構えた。

「ライトシャワー!」

 放たれた大量の光はクモを包みこみ、跡形もなく消滅させた。

「くっ……これまでね。マタタキ! 一旦戻るわよ」

「逃がすか! クモがいなくなればなんともないぜ!」

 つばさちゃんはいつもの元気を取り戻し、両手を前に突き出す。

「アクアスクリュー!」

 つばさちゃんの攻撃がユラメキに当たりかけたが、マタタキがそれを剣で受け流す。

「助かったわ、マタタキ」

「勝負は一旦お預けだ、赤の魔法少女!」

「待ちなさい!」

 あかりさんが駆け出したが、2人はすぐに姿を消した。


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