15 名前を考えよう
城の中で、黒髪の青年は玉座に座り退屈そうにしていた。彼の名はジャークである。
するとジャークの元に、ササヤキが現れた。
「ジャーク様、とうとうマジカルコードが全て覚醒しました」
「そうか」
「ジャーク様が倒したと思われた魔法少女も復活しておりました」
ジャークはまだつまらなそうに、ちらっとササヤキを見た。
「それはそうとお前、その魔法少女たちからすぐに逃げようとしたな?」
「そ、それはすぐにジャーク様に報告しないとと思いまして……」
「敗北者の言葉など聞きたくないわ!」
ジャークが手を上げると、上から黒い雷がササヤキに向かって落ちてきた。
「ぎゃあぁぁ!」
その姿をジャークは顔に笑みを浮かべながら見ていた。
あかりさんが魔法少女になったので、皆もう一度生徒会室に集まった。
「じゃぁ、またあの小屋を使えるように申請出しておくわね」
「はい、ありがとうございます」
「でも、校長の許可は出てるんだからいいんじゃないのか?」
「一応、手続きがあるのよ。早乙女さんは、それ全部すっ飛ばして校長先生の所にいっちゃったみたいだけど」
「すみません……そんなこととは知りませんでした」
まひろちゃんは、とてもすまなそうにしていた。それを見たあかりさんはくすっと笑う。
「いいのよ。手続きもたいしたことないから気にしないで」
それを言われたまひろちゃんは、少しほっとしたような顔になった。
「でも、この魔法少女部っていう名前はかえてもらっていいかしら?」
「えー! いい名前だと思ったんですが……」
「いや、直球すぎるだろ!」
「そうだね。他にどんな名前にしようか……」
皆でうーんと唸りながら考えたが、いい案は浮かばなかった。
「ほら、やっぱり魔法少女部が1番わかりやすいでしょ?」
「み、皆なんかいい案はないかしら!」
まひろちゃんが笑顔で決めようとしたので、あかりさんが私たちに助けを求めるように話しかけた。
「うーん……」
「正義の味方ってどうよ?」
「それだと、まひろちゃんとかわりませんよ?」
つばさちゃんが予想もしないことを言い出したので、まこちゃんが止めてくれた。
その名前も勘弁してほしい。私がそう思っていると、急に何かひらめいた。
「マジカルクラブってどうかな?」
「マジカルクラブ?」
私の言葉に全員が首を傾げた。
「ほら、私たちマジカルコードを持ってるでしょ? そこからとったの」
「なるほどね。それで、活動はどうするの?」
「表向きは手品をしたり、ボランティアなんかの奉仕活動をしているってことでどうでしょうか」
私の提案に、あかりさんは納得したようだった。
「そうね。それでいきましょう。それなら、早乙女さんや結城さんの案も入っているから大丈夫ね」
「よかったー。全然決まらないかと思ったよ」
「君たちは、どうでもいいことで悩むんだね」
私がほっとしていると、アルが余計な一言を言ってきた。
「アルちゃん。こんな風に悩むのも、人間だからですよ」
「ふーん、そうなのかい?」
アルが首を傾げた時、帰りのチャイムが鳴りだした。
「じゃぁ、皆そろそろ帰りましょうか。次の土日は、前に会った公園に集合でどうかしら」
「いいですね。では、8時集合にしましょう!」
あかりさんとまひろちゃんの提案に、私は困った顔をした。
また朝早いのか……まぁ、いつもより遅いからいっか。
「かなたは、ちゃんと起きれるのかい?」
「だ、大丈夫だもん!」
「そうですよ。もしもの時は私が起こしに行きますから」
あー、それは安心だ。私がほっとしていると、皆帰り支度を始めていたので、私も慌てて支度をした。
まこちゃんの家は、学校の近くを流れている川の近くにある。
「ふふ。今日も大変だったけど、楽しかったなー」
まこちゃんがふと川の方を見ると、岸に誰かが倒れているのが見えた。
「大変! 誰か倒れてる!」
まこちゃんが慌てて駆け寄ると、それはササヤキだった。
「えっ?! あなたは今日の……でも、なんでこんなボロボロに……」
そう、ササヤキは傷だらけだったのだ。気を失っているらしく、ぴくりとも動かなかった。
「とにかく、家に連れて帰らないと!」
それからまこちゃんは、ササヤキをおんぶして、時間をかけて自分の部屋に連れてきた。
そしてベッドに寝かせると、救急箱を取りに行った。
「でも、なんであんな傷だらけに……私たちと戦っている時は傷なんて負ってなかったのに」
まこちゃんは頭を振って疑問を消した。
「今はそんな事より、早く手当てをしないと!」
救急箱を取ると、まこちゃんは急いで自分の部屋に戻った。
部屋に戻ると、ササヤキはうなされているようだった。
「ジャーク様……申し訳ございません……許して下さい……」
そっと起こさないように手当てをしていると、ササヤキからそんな言葉が聞こえてきた。
「まさか、この傷はジャークがつけたもの?」
まこちゃんは、ぎゅっと唇をかみしめた。
「ひどい……自分の仲間にこんな事するなんて……」
手当てを終えると、タオルを取り換えにまこちゃんは部屋を出た。




