13 生徒会長・あかりとの対話 2
私は昼休みのアナウンスのせいで、午後の授業が頭に入らなかった。そして、放課後になってしまった。
「呼び出されたからここに来たけど、多分あれのことだよね……」
「そうですね。それしか考えられません」
「でも、他の奴らにあたしたちのことがバレるんじゃねぇか?」
「それは困ります。学校生活に支障が……」
私たちが生徒会室の前で話していると、生徒会室のドアが開いた。
「あなたたち、来たのなら早く入りなさい」
あー、とうとう私たちのことがバレちゃうんだ。私たちは不安になりながら中に入った。
しかし、中にはあかりさん以外誰もいなかった。
「あれ? あのー、他の方たちは……」
「先に帰ってもらったわ。あ、池上さん、ドア閉めてもらえるかしら。今から話すこと誰にも聞かれたくないでしょ?」
まこちゃんは言われた通りすぐにドアを閉めた。あかりさんは自分の席に着き、私たちを近くに促した。
「あの、この呼び出しは一体……」
私は呼び出しが気になってあかりさんに質問した。
「あなたたちには、魔法少女をやめてもらいます」
「呼び出しといて、いきなり何言い出すんだよ!」
あかりさんの言葉に、つばさちゃんが反論した。
「つばさちゃん、生徒会長は年上なんだから敬語を使わないと」
「そんなこと言ってる場合かよ! あたしは嫌だね。頭ごなしにやめろって言われてもさ」
「そうですね。生徒会長、私たちが納得する理由を教えていただけませんか?」
まひろちゃんがあかりさんに聞くと、あかりさんはため息をついた。
「あなたたちは何もわかっていない。魔法少女がどれだけ危険なことか。遊び半分で出来ることじゃないのよ」
「遊び?」
「部活動にするなら、もっと別なことにしなさい。アル、そこにいるんでしょ?」
あかりさんに呼ばれて、開いていた窓からアルが入ってきた。
「呼んだかい、あかり」
「あなたのお願いに、この子たちを巻きこまないでちょうだい。マジカルコードはあなたに返すわ」
「ちょっと待て! あたしたちはまだ納得してねーぞ!」
「納得してもらわなくてけっこうよ。あなたたちを危ない目にはあわせたくないの」
あかりさんは無表情のまま私たちを見る。私は、さっき言われたことを思い出す。
「遊び……遊び半分じゃありません!」
私がいきなり大声を出したので、全員が驚いていた。
「あ、ごめんなさい。でも、遊びじゃありません。私たちは自分で選んで魔法少女になりました」
「……あなたの言い分はわかりました。でも、危険なことからは逃げていいのよ」
「確かに私は一度やめようと思いました」
私の言葉に、そばにいた3人は驚きを隠せなかった。
「でも、こんな私でもアルは必要としてくれたんです。私はその想いに応えたいんです」
私が話しているのを、あかりさんは静かに聞いていた。
「私たちは魔法少女をやめません。ジャークも力を合わせて倒します!」
「かなた、よく言ってくれたね」
アルが私にすり寄ってきた。なんだか猫みたいだな。あ、猫か。
「後悔はないの?」
「ありません。やめた方がきっと後悔すると思います」
私が笑顔を向けると、あかりさんは席を立ち窓の方へ向かった。
「今日のところは帰っていいわ。部のことも好きにして構わないから」
「本当ですか!」
「やったじゃねーか、かなた。よく言ってくれた!」
「いやー、それほどでもー」
「でもね」
あかりさんは、くるっとこちらを向いた。
「部員は5人いないと部として認められないの。だから、同好会ね」
「えー!」
私たちが残念な悲鳴を上げた時、外が暗くなった。
「この気配は! また奴らが来たよ!」
「わかった! あかりさんはここにいて下さい!」
私が3人に目で合図すると、まひろちゃんたちは頷いて走り出した。
「アルも、あかりさんと一緒にいてね」
「わかったよ」
そして私もまひろちゃんたちを追いかけて走り出した。
外に出ると、やはり敵がいた。しかし、ユラメキだけでなく他に2人いた。
「うそ……また新たな敵なの?」
「それでも、私たちがやることは1つです。行きますよ、皆さん!」
まひろちゃんの言葉に私たちは頷きマジカルコードを握りしめた。
光に包まれて私たちは変身した。
「あれが、キラメキの言ってた魔法少女か」
「なんだ、まだ小娘ではないか」
「ササヤキ、マタタキ、油断は禁物よ?」
「わかってるよ、ユラメキ。キラメキみたいなヘマはしないさ」
ササヤキに言われてユラメキは顔をしかめた。
「向こうは何を話しているのかしら」
「油断してはいけません」
「なら、先手必勝!」
「あっ! つばささん!」
まひろちゃんが止める間もなく、つばさちゃんが敵に向かっていってしまった。




