10 仲間が増えました。そして新たな敵もやってきました。
「本当に心配したんですよ。体はもう平気なのですか?」
「うん。もうなんともないよ。心配かけてごめんね」
「そうみたいですよ、結城さん」
まひろちゃんがドアの方に向かって話した。ドアの方では、結城さんが気まずそうに立っていた。
「さっきはすまなかったね。あたしのボールが当たって……」
「気にしないで、結城さん。私もボーッとしてたから」
「なら、いいんだけど……」
「大変だ! かなた、まひろ。またジャークの配下の者が来たよ! この近くにいるみたいだ」
私たちが話していると、なぜかアルが入ってきた。アル、報告は今じゃない!
結城さんと池上さんを見ると、2人とも固まっていた。
「今、その猫しゃべらなかったか?!」
「き、気のせいじゃないかな……」
「私も聞きました! しかもお2人の事呼んでましたよね?」
「そ、それは……」
さすがのまひろちゃんも動揺しているみたいで、言葉につまっていた。
すると、急に辺りが暗くなった。
「この気配は! 2人とも急いで!」
アルが急かすので私とまひろちゃんは保健室を出ようとした。
「姫野さん、まだ動いたらダメですよ!」
池上さんが止めてたけど、今は急がないと。私たちは走って外に出た。
「あら、やっとお出ましね」
「またあんたたちなの? しかも私たちの学校に現れるなんて」
「はじめまして、魔法少女さん。あたしの名はユラメキ」
ユラメキと言った人物は上空に浮いていた。そしてユラメキはくすりと笑う。
「別に覚えなくてもいいわよ。だってあたしが倒しちゃうもの」
「なめられたものですね。変身ですよ、かなたさん!」
「は、はい!」
あれはまひろちゃん怒っているな。私たちはマジカルコードを握りしめた。そして光が私たちを包みこむ。
「姫野、早乙女、なんなんだあんたたちは! その姿はどうしたんだよ!」
「わー! 衣装カワイー!」
光がなくなって変身できたけど、結城さんたちに見られてしまった。結城さんは驚き、池上さんは喜んでいた。まぁ、そうなるよね。
「お2人は離れていて下さい。行きましょう、かなたさん!」
「わかった」
そして私たちはユラメキの所まで飛んでいった。
「はあぁ!」
2人で拳を繰り出したが、バリアみたいなものにはじかれてしまった。
「惜しかったわね。今度はこちらからいくわよ」
ユラメキは微笑みながら、片手を上空に向けた。すると、たくさんの砂の巨人が現れた。
「えー! 運動場の砂が!」
「それなら、私に任せて下さい! ミラクルチェーン!」
まひろちゃんは黄色い光の帯を出して巨人を集めようとしたが、砂が分かれてうまく掴めなかった。
「そんな!」
「ふふっ。苦労しているようね。さぁ、お前たち、あの魔法少女を倒しなさい!」
命令を受けた巨人たちは私たちに襲いかかってきた。
「どうしたらいいの……?」
私が迷っていると、巨人に捕まってしまった。
「しまった!」
「はははっ! あっけなかったわね。そのまま握りつぶしてしまいなさい!」
「かなたさん!」
「くっ……」
もう終わりかと思った時、何かが飛んできて巨人の頭に当たりはじけ飛んだ。
私を掴んでいた手が離れ、私は下に落下した。
「いてっ!」
「なに?!」
「え?」
飛んできた方向を見ると、結城さんたちがいた。
「早く2人から離れろ、砂の化け物め!」
結城さんはそう言うと、またボールを投げてきた。
「ふんっ。余計な真似を。お前たち、あいつらからやってしまいなさい!」
すると、巨人たちはゆっくりした足取りで結城さんたちに近づいていく。
「うわっ、こっち来るんじゃねぇ!」
「大変、お2人が! でも、私たちは足止めを食らっているし……」
私たちは困っていた。結城さんたちはボールを投げていたが、巨人たちはどんどん集まっていく。
「これじゃキリがないぜ!」
「なら、君たちも変身するんだ!」
「あ! さっきのしゃべる猫!」
「僕の名前はアル。さぁ、これを使って!」
アルは、くるりとしっぽを回してマジカルコードを出した。
「すげー! 魔法みたいだ」
「さぁ、早く!」
アルに急かされて2人はマジカルコードを握りしめた。すると、光が2人を包みこむ。
「まさか、まだ魔法少女がいるの?!」
ユラメキは驚きを隠せていなかった。というか、私とまひろちゃんも同じく驚いていた。
やがて光が消えると、2人とも変身していた。結城さんは青を基調とした魔法戦士みたいな衣装だった。
池上さんはふわふわとした衣装で緑を基調としたものだった。
「よっしゃー! これで戦えるぜ。行くぞ、池上」
「はい!」
まずは、結城さんが両手を前に突き出した。
「食らえ! アクアスクリュー!」
すると、たくさんの水が渦を巻き、巨人たちははじけ飛んだ。
「私も行きます! ウィンドネイチャー!」
次は池上さんが片手を上空に向けた。すると、強風が吹き荒れ巨人たちは粉々に消し飛んでしまった。
「す、すごい……」
「かなたさん、油断してはいけませんよ!」
「そ、そうだね」
私がぽかんとしていると、まひろちゃんから怒られてしまった。やばい、ちゃんと集中しないと。
巨人たちはなかなか数が減らなかったが、まひろちゃんがさっきのことを思い出して何かひらめいたようだった。
「結城さん! こちらに向かってさっきの技を出して下さい」
「おぅ、任せとけ!」
結城さんも何かを察したのかすぐに了承した。
「アクアスクリュー!」
また水が渦を巻き、今度はまひろちゃんに向かっていった。
「まひろちゃん、危ないよ!」
「大丈夫です。ミラクルチェーン!」
まひろちゃんは帯を出して水を巨人たちの上空へ飛ばした。大量の水は雨となり、巨人たちのサラサラの体を固めた。
「これなら捕まえられる。ミラクルチェーン!」
今度は帯で掴めた。そして、まひろちゃんは私に振り向く。
「かなたさん、今です!」
「う、うん! ライトシャワー!」
まひろちゃんが捕まえてくれた巨人たちに向かって私は技を放った。
大量の光は巨人たちを巻きこみ、全部消えてしまった。




