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01 私、魔法少女になりました

 私は夢を見ていた。それはとても鮮明だった。

「あれ? ここどこだろう……」

 すると、向こうに人影が見えた。

「誰だろう……」

 よく見ると、人影は2人いて、1人は赤い髪の女の人で、もう1人は黒髪の青年だった。

 2人は戦っていた。

「はあぁっ!」

 女の人が炎の剣で青年を攻撃した。青年は膝をついたが、なぜか女の人の方が悲鳴を上げていた。

「ああぁっ!」

「油断したな。これで終わりだ」

 青年は黒い光を自身に集めていった。そして、それを女の人に放った。

「あっ……!」

 私は思わず声を出してしまった。しかし、青年は気づいていないようだ。

 放たれた光は女の人を吹き飛ばしたようで、そこに、女の人の姿はなかった。

 私の夢はそこで終わった。私が目を覚ましたからだ。

「夢……?」

「かなたー! 早く起きなさい。学校に遅れるわよ」

「はーい!」

 私の名前は姫野ひめの かなた。中学2年生。

「おはよう! お母さん」

「もう、いつまで寝てるのよ」

「ごめん。顔洗ってきまーす」

 私は洗面所に向かった。

「でも、あの夢はなんだったんだろう。すごくリアルな感じがしたな」

「なーに? また変な夢でも見たの?」

 そうなのだ。私はよく夢で見たことが現実で起こったりするのだ。

「うん。でも、今回は誰かが戦っている夢なんだよね……」

「あらあら。それは物騒ね……」

 お母さんは信じてくれているのかわからないけど、心配してくれているようだった。

「じゃぁ、かなたも気を付けるのよ」

「大丈夫だよ。あっ! もうこんな時間だ! じゃぁ、いってきます!」

 そう言って私はカバンを持ち、朝ごはんのトーストを食べながら家を出た。

 なんとか遅刻せずにすんだ私は教室に入った。

「おはよー」

「あ、かなた。おはよう」

 私は友達に挨拶をして席に着いた。そして、いつも通り授業を受けた。もう、あの夢の事は忘れていた。

 授業も終わり、いつも通り家に帰ろうとしたが、その日はちょっと違う道を歩いてみようと思った。

「こっちはあまり来たことなかったな」

 私は辺りを見ながら歩いていた。すると、1匹の黒い猫が前を横切った。

「あれ? 猫だ。どこに行くんだろう」

 思わずその猫を追いかけた。そして、気づけば変な路地裏に入ってしまった。

「なんだろう、ここ……出口どこかな……」

 どんどん歩いていくと、キラリと光る物があった。手に取ると、それはブレスレットだった。

「何だろう、これ。ちょっとかわいいかも」

 私は何気なくそのブレスレットを手にはめた。すると、ブレスレットは光だし私を包みこんだ。

「きゃあぁぁっ!」

 そして光がなくなると、私の姿は変わっていた。ピンクのフリフリのスカートに大きなリボンが胸元についている衣装に変わっていた。

「な、何よこれ!」

「君は魔法少女になったんだよ」

 私が驚いていると、どこからか声が聞こえてきた。声のする方を見ると、さっきの猫がいた。

「もしかして、今の声あなたなの?」

「その通りさ」

「いやーっ! 猫がしゃべってるー!」

「驚くのはそこなのかい?」

「というか、私のこの衣装は何? 魔法少女ってなんなの?」

「まぁ、説明は後でするよ。今はその力で僕を追っている奴らを倒してほしいんだ」

 目の前の猫は何を言っているんだ。私は混乱する頭で必死に考えた。

「やっと見つけましたよ」

 私が考えていると、今度は金髪の長身の男性が現れた。

「キラメキ!」

「さぁ、奪ったマジカルコードを返しなさい」

「それは無理な相談だよ。これは君たちが持っていていい物じゃない。それに、こっちには魔法少女がいるんだから!」

「黙りなさい!」

 キラメキと言われた男性は、炎の球をこちらに放ってきた。私たちはなんとか避けたが、相手はまた大量の球を放ってきた。

「きゃあぁぁー!」

「何をしてるんだい! 早くバリアをはるんだ!」

「ば、バリア!」

 私が言うと、大きな光のバリアが現れて炎の球を防いだ。

「た、助かった……」

「油断しないで! 次がくるよ!」

「えーっ! 一体どうなってるのよー!」

「逃げているだけでは話になりませんよ」

「そうだよ! 逃げていないで戦わないと!」

「戦うって、私はただの中学生なんだけど!」

 私が猫に怒鳴っていると、キラメキが高笑いをする。

「はっはっは。今回の魔法少女はハズレだったようですね」

 キラメキに笑われて、私は泣きそうになった。

「そんな風に言うな! 君も笑われたままでいいのかい?」

「だって、私には何もできないよ……」

「いや、君はマジカルコードに選ばれた。それだけでもすごいことなんだよ」

「そうなの?」

「うん。だから自分を信じて!」

 まさか猫に励まされるなんて。私はぐっと前を見る。

「おや? もう話は終わったのですか?」

「えぇ。私があなたを倒してみせます!」

「はっはっは! 面白いことを言う娘ですね。なら、やってみせなさい!」

 キラメキは高笑いをやめると、また炎の球を放ってきた。

「出てきて、マジカルステッキ!」

 すると、ポンッと音を立てて、カラフルなステッキが現れた。私はそれを持ち、敵に向ける。

「ライトシャワー!」

 私がそう言うと、たくさんの光が集まってキラメキの炎の球を打ち消した。そしてそのままキラメキに向かっていった。

「くっ!」

 キラメキはとっさに避けて、宙に浮かんだ。

「ふんっ。今日のところは一旦ひきましょう」

 キラメキはそう言うと姿を消した。

「や、やったー……」

「すごいよ! そしてありがとう。僕の名前はアル。君の名前は?」

「私は姫野 かなただよ」

「じゃぁ、かなた。これからよろしくね」

「ははは……」

 アルはニコッと笑った。私もひきつった笑みを浮かべる。

 これから大変な日々になりそうだ。


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