第4話「見ないでくれる?」
僕がそう言うと桜の目から涙が出てきて、自然と桜は、僕を強くだきしめながらこうふってきた。
「泣いてるところ見られるのだから、あたいが話しかけるまでは、あたいの方を見ないでくれる?」
「もちろんいいっぱい泣いてスッキリしてくれると僕としてはうれしいから」
僕は優しく桜にそう言ってから、そのまま10分とかに待っていると少し落ちついてきたのか、ほんのり顔を赤くしながらこういってくる。
「待ってくれたんだね。まぁ、今まで色々あってさ、長い間泣けていなかったからけっこう泣いてほったわ。1つ聞きたいんだけど、いくつか仕事探ししてきたんよね?どうして採用されなかったんだろうな」
僕自身にはよく分からない質問を桜がからされたため、苦笑いながらこう話す。
「それは僕にも分からない。今まで20件くらいまわってきたけど、ぜんぜん上手くいかなくて今日で21件目にして ようやく見つかった感じだからね。それだけ世の中がきびしいと言うことなのかなって思ったりもするけど」
すると桜、僕の手を強くにぎりしめなから少し笑顔でこう言ってくれた。
「でも見つかって良かったんじゃない。そう言えばあんたの家からメイドカフェさくらまですごい遠くねぇ?」
僕の自宅からは、すごく遠いため首をかしげなから桜に話す。
「僕の家からは、すごく遠いよ。だからこれからどうしたら良いのか考えていかないといけないところだなって思う。」
僕が話していると、新幹線は、まもなく東京に着こうとしていて、桜がなぜか笑いなから僕にこう言った。
「はははっ。まぁ、今考えても仕方ないから東京に着いて仕事場に着いてから考えて遅くないから、とりあえず駅前まで、課長の神咲香さんが車で来てくれてるからそこから仕事場まで直通で行って、従業員にあいさつしょう!」
「分かった。それまでの乗り場の案内までよろしくね」
そう言ってから僕は、桜と東京駅で降りて乗り場まで歩いて移動していると、ものすごい人だらけで、なかなか歩けるところがない感じの中、なんとか車の乗り場までたどりつくことが出来て、桜と一緒に後の席に乗った。
「香さん、来てくれてありがとう。ここからどうしようか考えてたから助かった。」
桜が神咲さんに笑顔でそう言うと、神咲さんが車の運転をしなから、桜におどろいた表情をしながらこう言う。
「ちょうど買い物したところだったから良かったよ。 それにしてもよくメイド長になってくれる人が見つかったね、このまま見つからなかったらずっと閉店したままなのかなって思ってたから良かったよ。さすが桜ちゃん!桜ちゃんのとなりにすわってるのが小川さんだね。小川さん、メイド長になってくれてありがとう、これからよろしくね」
とつぜんに話しかけてくれたので、僕は神咲さんに笑顔であいさつをする。
「いえいえ、こちらこそよろしくお願いします。 僕は小川と言います。気軽に接してもらえると助かります。この 八田さんか手をかけさせてもらいまして、いきなりメイド長という役職をさせていただくことになったので、すごく緊張してます」
すると神咲さんが、車の運転をしなから笑顔で僕にこう言ってくれる。
「そこまで固くならなくて大丈夫よ。でもすごく言葉遣いがていねいだし、こりゃ期待出来るね。私は、仕事は自信家のお姉さんタイプと言うキャラなんだけど、普段はなかなか自信なんて持てないから、そこがちょっとねという感じかな。ちなみに桜ちゃんは、仕事中はツンデレタイプキャラなの。」
「そうなんですね。でも僕も自信なんてぜんぜん持てませんからそこまで気にしなくていいと思いますし、言葉遣いは、別にそんな良くないですよ。」
神咲さんを含めた3人で楽しくちょっと会話をしながら、ついにこれから自分の仕事場となる「メイドカフェさくら」に車でむかっていくのであった。
そして次回従業員全員が明らかになる。