第42話「桜の苦しみ」
さくちゃんの意見を確認して僕は、納得した表情をしなながらこう言った。
「そっか。また確かにそうだね、1人だと色々考えてしまうもんね。それなら明日は予定通りで行こう!」
僕とさくちゃんは明日の勤務を予定通りこなすこととなり、翌日僕とさくちゃんは「メイドカフェさくら」に予定通り勤務して働いていた。
すると、僕はなんとか他の従業員に気づかれないように仕事をこなしていくが、さくちゃんは、他の従業員同様に他のお客様とも接客をしなければならない。
そのためこの日汐花花と小春と一緒に働くことになっていて、すごく若い男性が来られていて、さくちゃん表情がすごく明らかにおこっている状態で、メイドカフェ定番のオムライスをその男性が注文していた。
そのオムライスをさくちゃんのテーブルの上に持ってくる。
するとその若い男性が急にビビった表情をしながら、さくちゃんに小さめの声でこう言う。
「あ、あ、あのすごく怖いんですけど、どうかされました!?」
その男性の表情をみながら、さくちゃんが全力でいつものツンデレキャラを演じようとする。
しかし集中力などが明らかに欠けてしまい、持ってきたオムライスにケチャップをかけならこう言った。
「別に大丈夫だけど、あ、あんたのことなんて好きじゃないんだからねッ!」
しかしこの時にケチャップをオムライスにではなく、その男性の顔面に直撃してしまった。
完全にキャラ違いのドSキャラ風になってしまい、
その男性はその状態のまま泣き出しながらこう言いながら店から飛び出していってしまう。
「‥これはさすがに怖すぎるよ!!ゴメンだけど帰る!」
その様子をたまたま見ていた汐花は苦笑いしながら小さくつぶやいてしまう。
「確かにいつもの女長とは明らか今のは何か違ってドSに変身してたからな‥」
すると小春も同じく苦笑いしながら汐花の方を向きながら小さくつぶやいてしまう。
「しかもオムライスはメイド喫茶で、定番中の定番で基本的にケチャップはオムライスの卵のの上にかけていくところはほぼ共通している感じたからね」
感情を上手くコントロール出来なくなったさくちゃんは、辛そうな表情をしながら下を向いて何も言わずに従業員室の中に入っていき、泣き崩れてしまう。
「やっぱりこんな状態で仕事は無理か‥。くそっ。やっぱ病死と思っていたのが、違ったって言うのが精神的に大きすぎるんだ‥」
その話をきいていた僕は、さくちゃんの涙をふいてあげながら小声でこう言う。
「そりゃ大きすぎるよね。でもその中で僕はさくちゃんが出勤することが出来ていること自体がすごいと思ってる。なかなか出来ることじゃないと思うよ。さくちゃん、従業員の方には僕から事情を話しておくから気にせずに切りかえていったら良いと思うよ」
僕がそうとさくちゃんは、泣きながら僕に小さな声でこう言った。
「そう言ってくれてありがとう、まーくん。今までなかなか褒めてもらえる事が無かったから本当に嬉しいなって思う。そう言ってくれるならあたいは、ちょっとここで休んでおくとでもするよ」
その後、さくちゃんは従業員室でしばらくの間、休むことを決めた。
その間僕は休めないため、働いている従業員の様子を見たり近々ここで開催されるイベントを考えてみたり、食材の買い足しなどを行って気づければ方になっていた。
この日のさくちゃんは、そのまま従業員室で休んでいた。
そして翌日、さくちゃんの自宅からさくちゃんと一緒に「メイドカフェさくら」に出勤中、サングラスをかけて背が高い男性が後からついてくる。
この時のさくちゃんは何も気づいていなかったが、僕は何かあやしいと強く感じていた。
すると予想通りその男性はさくちゃんの背中に男性が手に持っていた重量感あるカバンを勢いよくぶつけようとする。
 




