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第31話 「お泊まり?」

「メイドカフェさくら」の営業が再開された初日は、順調なスタートとなった。


 17時から勤務である、立川小春、神咲 香・平井 彩の3人も女長の八田 桜・石塚 奈々と上城 汐花の3人ほどではないものの、たくさんのお帰りになられて(お店に来られて)、気づけば22時25分をすぎていた。


 僕が従業員全員の勤務記録や明日の勤務表などを従業員室の中で見たり書いたりしていた。


 するとそこにはなぜか桜と汐花の2人がまだ残っていて、2人とも残業予定もなければ指示も全く出していないのだが、まだ帰らずにいる。


 桜に少したずねてみることにしてみた。


 「桜、僕はてっきり19時すぎに夕食を食べてから帰ると思ってたんだけど、どうしてまだここにいるのかな?別に居ても良いんだけど、仕事なら特にない上に、17時以降は給料出せないんだけど‥」


 すると桜が少し顔を赤くしながら、店内の防犯カメラを見ながら返事する。


「そんなの分かってるよ。家に帰ってもどうせすることないし、ここだとスマホの充電も電気代も気にしなくて良いから、充電しやすいからね。タイムカードならちゃんと押してあるから安心して。別にあんたのためにいるわけじゃないからねっ!」


 桜がそう言うと汐花も僕に恥ずかしそうにしながらこう言ってくる。


 「うちもタイムカード押して帰ろうと思ったら電話1本で車がいつでも来てくれるからね。それにお金なら困っていないし‥。あとは仕事中に出たアレルギーも将史くんがいるところの方が、早く治りそうやと思ってるから」


 2人の話を聞いて僕は、桜と汐花の方をむいて返事する。


「桜、汐花2人ともありがとう。でも帰りたくなったらいつでも帰って良いからね。どっちみちあと30分少しで営業自体今日は終わるから。とりあえず僕は今日はここで仕事終わったら寝て泊まることにするよ」


 その話を聞いて汐花が真っ先に個人のスマートフォンをスポンから取り出して、右手で早打ちで何やら文字を入力しながら僕にこう言ってくれる。


 「それはアカンって!ここはまくらやふとんが全くないし、体調壊すから。今、メールで24時くらいに車1台手配の内容を入力してるから、今日はうちに泊まれば良い。車なら夜はスピードが少し出せるからこっから5~6分で城についてすぐ寝れるからね。よし、これで送信完了。電話でも良いんだけど、店内だから控えてメールにしておいたで!」


「しおちゃん、そんなの別に良いのに!運転手をこんな遅くに、僕も一緒だなんてきっと困るよ」



 僕が苦笑いしながら汐花にそう言うと、汐花のスマートフォンに1通のメールが早くも届いた。


 さっそく画面を見ながら、嬉しそうにこう言ってくれる。


「了解しました、汐花様ってメールの返事が届いたから大丈夫だよ。それに将史くんの事は、運転手に よく話してるから安心して!」



「え、そうなの?それじゃここは甘えさせてもらおうかな。ありがとう、しおちゃん」


 僕が汐花にすごくうれしそうにしながら返事をすると、桜がものすごく強い言葉でこう言ってくる。


「今日は仕方ないとして、別にあたいの家にはいつだってこれからも泊まりに来てぜんぜん良いんだよ」


 「そう言ってくれてありがとうね、桜。 また泊まらせてもらうね」


 僕が桜に笑顔で返事をしていると気づけば開店15分ほど前になっていて、僕は明日の準備を進めている。


 そして23時になって営業再開の初日の営業は無事に終了した。


23時になって営業再開の初日の営業は無事終了した。


 その後僕は24時まで仕事をして、桜は眠たくなったらしく23時すぎに帰られていた。


 しかし汐花は帰らずに最後まで待っていてくれて、それから2人で車に乗って、この日は、しおちゃんのお城で泊まらせてもらったのである。

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