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第20話「仕事中ではありませんから」

 そう言って僕がその1本のポテトをもらおうと右手を差し出すと、奈々ちゃんが少し強引に食べさせてきて、さらに顔を赤くしながらこう言ってくる。


「あーんっ。どう?美味しい?これがあたしの妹キャラで、いつもご主人様とかにしてることなんです!」


 今ので思わず僕が奈々ちゃんにドキドキしてしまっていると、まず桜が奈々ちゃんに何故か怒り出す。


「石塚さん、今は明らかにおかしくありませんか?確かに石塚さんは、仕事中のキャラは妹キャラではありますよ。ですがご主人様とかと、ちょっとした遊びやちょっとしたサービスはありますが、食べさせてあげると言うのは、店の規定上禁止で、いつもそんなことしていませんよね!?」


 すると奈々ちゃんが急に不機嫌な表情をしなから桜に言う。


 「た、確かにいつもはしていませんよ。でも今は仕事中ではありませんから、食べさせてあげるあげないは、あたしの自由じゃないんですか?それに小川メイド長から注意されていませんし‥別にセーフでしょ」


奈々ちゃんの話を聞いて、汐花も話の中に乱入してしまい奈々ちゃんに偉そうな態度で物を申す。


「ちょっと失礼します。今は確かに勤務中ではありません。でも食べさせてあげる事に関しては、男女間では恋人以上の関係である者がすることだと思います。これには女長の意見に賛成します!」


 しかし奈々ちゃんは桜と汐花の二人から言われても自分の意思ををそれでもつらぬき通そうと汐花にキツめの口調で返事をしていく。


「あら、世間の標準はそうかもしれないね!でもあたしはお二人に言いたいことがあるんだけど、食べさせてあげる事は恋人関係にならないとしてはいけない法律でもあるわけ!?」


この話を聞いて、桜と汐花は、さらに怒りを募らせてしまいながらも、実際にそう言う法律が日本国内にあるわけではないため、何も言い返せない状態になってしまったのである。


 ただこのままでは奈々ちゃんを含めた女性従業員3人の関係が悪化していくと感じた。


 そのため僕がすごく顔を赤くしながらも桜と汐花に一本ずつポテトを食べさせてあげてから二人にこう言う。


「桜、汐花。僕が悪かった。ごめんね。僕が口を開けなければ良かったから‥許してほしい」


 すると桜が僕の左手を優しくつなぎながら、涙目になりながら下を向いた状態で言ってくれる。



「別にあ、あんたは悪くないし。あんたに謝られたら、あたいなんだか悲しい気持ちになってしまうじゃないか‥」


 桜がそう言うと、汐花も同じように僕の手を優しくつなぎなから、少し下を向きながらもこう言ってくれる。


 「そうだよ!女長の言うとおりだよ。 将史は悪くないから。ここはうちと女長がしばらく手をつないでおいてあげるから落ちこまないで!困った時とか何かつらい事がある時は、真っ先にうちに相談して」


 その言葉を聞いて僕は桜と汐花の二人に少し笑顔を滲ませながら返事する。


「桜、汐花2人とも本当にありがとう。なんかこうされてるとすごくうれしいんだけど‥」


 僕がそう言うと桜が少し可愛い表情とはずかしそうにしながらこう言ってくれる。


「別に良いわよ。好きなだけ勝手に嬉しくでもドキドキでもしてたら良いんだよ。相談したいことがあったらあたいにも必ず言ってね!いつでも良いから」


 僕が桜にそう言うと、気づけば桜と汐花は、お互いに目を合わせて笑いあっていて、いつの間にか仲の良い関係になっているように思えた。


 その一方で、奈々ちゃんば少し残念そうな表情をして、クールなャラである筈の立川さんの様子が少し可笑しくて、顔が真っ赤になっている。


 さらにフラつき気味であるため、いったい何があったのだろうか‥。

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