第19話「乾杯」
メイドカフェさくらの近くにあるお店で貸切状態で新年度会をするため僕が従業員全員の注文内容を訪ねていた。
すると平井さんが僕にべったりと急にくっついてきて甘えつつも、何故か涙目になっていて話を聞いていこうとすると平井さんが急に、はずかしそうにしなからこう言ってきた。
「将史くん、私だけ1人はさびしいからちょっとだけべったりさせてもらって良い?ちょっとだけで良いから」
僕が頷きながら平井さんに返事をすると、急に泣き出してしまう。
「ぜんぜん良いよ。たしかにテーブル一人だけいるのは、すごくさびしいもんね」
「うん‥。だって私プライベートっていつも1人で家族とかも、もういなくて。かと言ってここの従業員とプライベートではそこまで仲が良いわけじゃないから、寂しくて‥寂しくて‥。」
その話を聞いて僕は、平井さんをゆっくりと優しく抱きしめてあげながらこう言う。
「そうだったんだね。でもこれからは大丈夫。僕が出来るだけたくさん平井さんの話をきいてあげるし、これから色んな楽しい思い出を作っていこう!」
僕がそう言うと平井さんは暗そうにしながらもちょっと照れながら返事をしてくれる。
「うん。そう言ってくれてありがとう!なんか将史くんに話をきいてもらって、少し元気が出てきてドキドキもしてきちゃったよ。どうしてだろう・・・。」
その話を聞いて僕は、すごくうれしい気持ちと同じくらい、ドキドキしている件について返事に困りながらも答える。
「まぁ、僕は特に何もしていないけどね。こちらこそありがとう。人間って思わぬところドキドキしてしまうものらしいからね。特に気にしなくて良いと思うよ 」
僕がとりあえず周りの従業員の気持ちを考えから自分なりに返事をすると、平井さんがメニュー表を見ながら、まぎれて僕の左手をきゅっとつなぎなから顔を赤くしながらこう言ってくる。
「そうなんだ!それじゃ今は特に気にしないでおこうかな。とりあえずしてこのチューハイとポテトにす、す、するよ」
それから僕は他の従業員に手を繋がれる事が目立たないように、早めに近くにいた店に自分を含めた全員の分を注文させてもらう。
その後みんな自由にゆっくりしていると15分ほどしたら、注文した内容が全員分届いて、従業員全員で乾杯をするために僕からみんなに声をかける。
「それでは2日後のメイドカフェさくら営業再開と無事に新年度になったことと今後の運気上昇を願ってカンパイ!」
「カンパーイ!」
従業員全員で大きな声で乾杯と言ってくれてから、みんなが注文した飲み物を飲んだり、食べ物を食べたりしていく。
ちなみにこの時僕は、元の位置にいて、自分がポテトを少し食べ始めていくと僕の隣にいる奈々ちゃんが、少し恥ずかしそうにながら、自分の食べかけポテトを1本食べさそうとしてくる。
「そのポテトも美味しいと思うけど、あたしの方のポテトは、もっと美味しいよ。食べてくれるとすごく嬉しいんだけどなぁ。」
僕は、すぐにその1本の食べかけポテトをもらおうとしたのだが、桜がなぜか矢のような目つきをしていて、それはまるで目のレーザービームと言った感じに思えた。
だが奈々ちゃんの気持ちを考えると、これで営業再開のスタートダッシュが成功しやすくなる可能性が上昇することを考えると、そのポテトをもらうことに決めて本人に返事をする。
「そうなんだね。それじゃそのポテト、1本もらおうかな奈々ちゃん‥」




